2015/2/19 (Thu) at 8:48 pm

映画|ザ・デザート|El Desierto (The Desert)

退屈/倦怠/虚無/友情/純愛/絶望のゾンビ映画。アルゼンチン。ホラー映画といってよいのかわからない。Victoria Almeidaラウタロ・デルガドラウタロ・デルガド。監督Christoph Behl。2013年。

ザ・デザート / El Desierto (The Desert) DVDDVD画像

ゾンビが蔓延する終末世界。

家にたてこもる男女トリオが登場。男女カップル(Victoria AlmeidaWilliam Prociuk) + 男1名(ラウタロ・デルガド)。

彼らはずっと家にいて、時間をつぶしている。ゲームをやったり、酒を飲んだり。

外に行くのは生活に必要な物資を取りにいくときだけ。女はいつも留守番。男コンビは危険を冒して、外にいって、水や食料を調達してくる。

さて、あなたの時間を節約するため、あらかじめいっておくが、この映画はゾンビ映画に分類されるものの、おそろしく退屈かつ地味である。アクションない。ホラー映画といってよいのかさえわからない。映画は家の中だけ。登場するのは、男女トリオに加え、脇役ゾンビ1名だけ。

それでも興味があるというひとだけ読んだらいいですよ。

カップル + 男1名が同じ家に住む、というのは誠に具合が悪いものだが、この人たちはいいかんじの友情があって、うまいことバランスをとっている。

かと思いきや、独り身の男は心中穏やかでなく、夜には悲しくオナニーをしてたりするんで、この3人の関係性というのは、移ろいやすい、表面上は仲良く進行しつつ、じつは、独り身男の忍耐の上に成立している友情なんですね。

こんな場合、女がブスならトラブルは起きない。男たちがブスを押しつけ合うという事態にはならない。ブスはほっときゃいいんだから。でも、不幸なことにカワイコちゃんなんですよ。そこが不運だったよね。

不幸な独り身男は全身に点々のタトゥーを入れている。アップの場面を見たらば、点々のひとつひとつはハエだった。いったいどういう了見であろう。彼は同居する女の肉体を密かに盗み見ている。カップルの方は彼のやりきれなさを知ってか知らずか、夜になるとのんきにsexしている。

微妙な人間関係の3人ドラマがうだうだと進行する。こんなのつまらないでしょう?もう読むのをやめたらどうですか。

ある日、女が提案をした。こんなの↓

家の中に録画ルームをつくる。そこにビデオカメラを置く。ひとりづつ部屋に入って、好き勝手なことをしゃべって、録画する。録画したテープは、鍵のかかる箱に保管する。他人のテープを見ちゃいけない。

要するに、暇つぶし、である。彼らは一日家にいるばかりだから。男たちは彼女の決めたルールに従い、ビデオ日記をやって遊ぶ。他愛のないことをべらべらしゃべって録画する。

そうこうするうち、こんどは男たちがゾンビをひとり生け捕りにして持ち帰ってきた。これもまた暇つぶしである。若い男のゾンビを鎖でつないで、見物する。独り身タトゥー男は、やりきれぬ性欲を燃焼したいのか、サンドバッグ代わりにゾンビをボコボコ殴る。

女はゾンビをピタゴラスと名づけた。彼女はギリシャ語の名前を考えつくのが趣味だっていうんだが、これも暇つぶしであろう。とにかくやることがないからね。こうやってなんでも娯楽にしないとやりきれないのであろう。

こんな暇生活を淡々と続けていたトリオであったが、録画ルームの出現以来、人間関係のバランスが壊れてくる。誰かが誰かのテープを見ちゃったりとかですね。そういうことが起きて、しばしば気まずい沈黙が漂うようになり、彼らは無口になり、どんなゲームをやっても沈黙は堪えがたく、3人の友情はスローに崩壊をしていく。

秘密の録画ダイアリーはいつしか不義密通の交換日記となり、恋人たちはビデオを通じて逢瀬をする。

しかし、この映画の舞台はゾンビが蔓延する世紀末世界である。人類に未来なんかないのである。こんな絶望の中で、女が心変わりをするとか、トライアングルになるとか、いったいどんな意味があるのだろう。はっきりいって無意味である。いやおうなく虚無感を漂わせつつ、最後は死のエンディング。

トレイラー動画

Irvine Welsh's Ecstasy (2011) trailer

感想

基本は3人男女のトライアングル話だけど、男同士が殴り合うようなシーンさえない。アクションなし。出てくるゾンビは一体だけ。よくもまぁこんなものを。と呆れて見た。

最近はゾンビ映画が豊作である。『Zombie Isle (2014)』『ゾンビマックス!怒りのデス・ゾンビ (2014)』と、楽しいポップコーン映画が続いたが、本作『El Desierto (The Desert) (2013)』はあらゆる点においてこれらの映画とは真逆である。退屈極まる。この退屈さの中に味がないといえないこともない。

とにかくスローだが、いちおうドラマがあるんですよ。死骸だらけのゾンビ世界で『純愛』が生まれた。と思ったら、『純愛』は腐肉に蝕まれる運命を選ぶ。そんなドラマです。そこはいいし、3人の演技もいいし、カワイコちゃんはカワイコちゃんであるが、目立った動きがないから、かなり忍耐を要する。

このトリオを見物していると「ゾンビ映画である必要はないよね。洞窟か、無人島か、ホテルの一室か、どこでもいいんじゃ?」と思えてくる。しかし、エンディングを見たら「これもゾンビ映画だね」って思った。全体を覆う絶望感/死の匂いというものが映画のキモだから。

この映画では、家に中にぶんぶんハエが飛んでいる。掃除をしても、ハエはどこかからやってくる。外の世界は死骸だらけだからハエが湧くんだろう。制作者に歩み寄って想像するならば、ハエを映すことで、死骸だらけであることを表現したのだろう。こんな優しい気持ちにならないと見てられませんね。こういうものは。

男のハエタトゥーについて。最初はさっぱり意味がわからなかったけれど、最後まで見たら、あれは耳なし芳一みたいな心境だったのかね。と思った。彼は修行僧だったんだろうか。この場合、彼にとっての魑魅魍魎は『性欲』です。

El Desierto (The Desert) (2013)』はただいまiTunesUSで公開中。

『Dead Inside』を思い出した

ちょと思い出したので追記。

以下は、トラヴィス・ベッツの『The Dead Inside (2011)』という映画のテーマ曲である。こちらは『終末世界に閉じ込められたカップル』を描きつつ、まったく真逆ノリのノーテンキな曲。「ふたりきりで家にこもって幸せー」という歌詞が楽しくて好きだ。要は、物事というのは、考えようによって、こんなに楽しくもなるのだ。ははははははは。

We have everything we need to survive. And we'll be together the rest of our lives in the zombie paradise.

追記以上。

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原題: El Desierto
別題: Zombie Desert
The Desert
制作年: 2013年
制作国: アルゼンチン
公開日: 2013年8月24日 (イギリス) (Film4 FrightFest)
2013年8月26日 (ドイツ) (Fantasy Filmfest)
2013年10月12日 (スペイン) (Sitges Film Festival)
2013年10月31日 (イタリア) (Trieste Science+Fiction - Festival della Fantascienza)
2013年11月2日 (イタリア) (Ravenna Nightmare Film Festival)
2013年11月25日 (スペイン) (Fancine Fantastic Film Festival)
2014年3月7日 (アメリカ) (South by Southwest Film Festival)
2014年7月27日 (カナダ) (Fantasia Film Festival)
2014年8月25日 (イギリス) (DVD)
imdb.com: imdb.com :: El Desierto
監督
脚本/原案
出演
プロデュース
シネマトグラフィ
編集
視覚効果(Visual Effects)
特殊効果(Special Effects)
Makeup

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