映画|A Cadaver Christmas

クリスマスの夜。どっかのバー。

バーテン男と酔った男がうだうだとテレビを見ていたら、血塗れ男が飛び込んでくる。なにごとであるか。驚いたバーテンは警官を呼び、ビールを飲ませ、事情を尋ねた。血塗れ男はこんな話をした。

「おれは大学に雇われた掃除夫。クリスマスにモップで床掃除なんてやってられないですよくそったれめ。近頃の学生ときたらほんとにたちが悪いの。小学生の方がましだわ、しくしく」

と愚痴に続いて、話は本題に移る。

「あー、それでね、ひとりでモップがけをやってたら、奥の方から死体が歩いてくるじゃないの。おれはたまげたね。きもちわりー。モップでばんばんブッ叩いてやったよ。たくさん出てきて、とてもかなわないから逃げてきた。最近の大学じゃいったいなにを教えているんだろう。あー、びっくりした」

なんだそうな。そこにおまわりさんが登場（吉本新喜劇みたいネ）。「おいおい、キチガイがあふれているじゃないか」なんていうから、外に出てみたらゾンビがウジャー。一同はアワを食いつつ、ゾンビどもをやっつけ、パトカーに乗る。

警官は掃除夫から事情を聞いたが、あまり信じてくれない。「この怪しいやつめ。嘘をつくと許さんぞ。お仕置きだぞ」なんて冷たいことをいい「みんなで大学にいって確かめてみよう」などと危険なことをいう。掃除夫アンちゃんは「ちょ、そんなの危ない。このまま警察署にいきましょうよ」といやがるが、警官は断固として言い張るのである。

んで、彼らはゾンビがウヨウヨの深夜の大学にいって、ウギャーとびっくりして、ばっさばっさとゾンビ駆りをやるはめになる。変わり者の大学教授がへんなやったせいでこうなってしまったらしいです。モップでばんばん。チシブキドバー。内臓ぐじゅぐじゅー。

途中で男2名が合流します。むさ苦しい男ばかりだなあと思ったら、カワイコちゃんも登場します。彼女はセキュリティ会社の電話番をやってるネーチャンで、じつにトロい娘であるが、かわいいから許す。

The Janitor: I'm a janitor! I'll never Leave a mess unclean!

おれは掃除夫だぞ。ちゃんと掃除をしないで帰れるか！

トレイラー動画

感想

いつものゾンビ映画が見てーんだよ、というひと向け。

掃除夫のアンちゃんは「ゾンビじゃないっつーの！cadaver（死体）だってば！」と何度もいってましたが、やることはゾンビと変わりません。タランティーノ、ロドリゲス、サム・ライミなどを足して割ったみたいな調子の、低予算ゾンビ映画でした。エクスプロイテーション風の映像です。

メイクはよくできているし、ギャグもおもしろい。ドジで間抜けなみなさんは、アダム・グリーンの映画に出てくるひとたちみたいだった。無名の俳優さんばかりだが、カンペ棒読みなんてこともなく、みんなちゃんとしていたからよかった。特にチェックのシャツを着たデブのアンちゃんがすごくおもしろかった。Hanlon Smith-Dorseyていうひと。

毎月毎月アホみたいに低予算のゾンビ映画が出てくるけれど、これはかなりいいほうです。エンドロールの最後に小ネタがあるから、忘れずに観よう。

DVDのオマケ

掃除夫アンちゃんを演じたDaniel Rairdin-Haleは、ライター兼プロデューサーでもある。彼とJoe Zerull監督は大学時代のルームメイトで、ふたりはショートフィルムを撮った経験があるが、『A Cadaver Christmas (2011)』は初の長編映画。やることなすこと初めてづくしでたいへんだったとメイキングで述べています。ギャグリールもおもしろいよ。

• Behind The Scenes
• Gag Reel
• Trailer
• More From Level 33 Entertainment

このDVDは英語字幕なし。

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