2015/2/20 (Fri) at 8:25 am

映画|ジェイミー・マークス・イズ・デッド|Jamie Marks Is Dead

いぢめられっこオバケが出てきてびっくりするホラー映画。そこはかとなくゲイ風味です。2014年サンダンスの話題作。キャメロン・モナハンノア・シルヴァーモーガン・セイラーリヴ・タイラー。監督カーター・スミス。2014年。

ジェイミー・マークス・イズ・デッド / Jamie Marks Is Dead DVDDVD画像

どっかの田舎の町。

ジェイミー・マークスなる高校生(ノア・シルヴァー)の死体が、川べりで発見された。殺人事件である。

小さな町でこんな事件が起きたら、大騒ぎになりそうなもんだが、意外にも、人々の反応は冷淡である。

なぜならジェイミーはいぢめられっこだったから。誰にも愛されていなかったから。大人も子供も、死んだ人をMoony Jamieと呼んでコバカにしている。

映画の主人公はアダム(キャメロン・モナハン)といって、彼は死んだジェイミーのクラスメート。彼はジェイミーとは真逆のスポーツマンで、陸上のスター選手である。

つっても、ホラー映画によく出てくるいぢめっこキャラでなく、チアリーダー娘を食いまくっている大馬鹿野郎でもなく、ソレとは正反対の、内省的な優しい性格の少年である。

アダムは死んだジェイミーと格別仲がよかったわけではないが、かといって、みんながやってるような、moony呼ばわりしてバカにするのはけしからんと思っている。せめて死者に敬意を払うべきであると考え、死体発見場所の川べりにやってきたところ、カワイコちゃんのグレイシーさん(モーガン・セイラー)と出会った。

これをきっかけに、ふたりは恋人同士になる。この娘は死体の第一発見者であり、「石ころを集めるのが趣味」という珍妙な癖を持つ。

昔、つげ義春の漫画に出てきた『石を売る男』は、赤貧の極致だったけれども、この映画に出てくる石ころ好き娘は金持ち風情である。親が裕福なのだろう。アダムが家に遊びにいったら、キッチンはきれいで広い。彼女の部屋にはコレクションの石ころがズラーリと並んでいる。

若いふたりはラブラブに盛りあがるんですね。

と思ったら、ここにお邪魔ムシが登場。死んだジェイミーさんのオバケが出てきて、粘着視線でふたりをジロジロ。なんですか。いったい。

ジェイミーオバケはふたりの前にしか現れない。オバケのくせにオドオドしていて、どこか哀れで物悲しい。ハリー・ポッターみたいな、のび太みたいな顔である。オバケはなにか用事があるらしい。

こんなとき、女というのは物事を即決する。グレイシーさんは「オバケなんか無視してやるわ」と決める。アダムにもそうするようにいうのだが、彼の方はだいぶちがう。心惹かれる思いで「できることなら助けてあげようか」と仏心を出したばかりに、オバケにつきまとわれ、牡丹灯籠の新三郎さんのようになってしまう。

この映画のオバケは煙みたくフワーと出てくるヤツでなく、実体がある(ていうのかね)オバケである。体に触れたりできる。つまりヴィクター・クロウリー系だが(『HATCHET/ハチェット (2006)』)、あんな風にドカドカと人を襲ったりしない。ジェイミーオバケは理由があってアダムにとり憑いているんだが、その挙動は、追い払っても後をついてくる子犬みたいな調子である。だからアダムはついかわいそうになってしまったのですね。

悲しい悲しいオバケ話です。

上記がお話の概要だが、サブ話というか、ホームドラマが色々ある。アダムの優しいママをリヴ・タイラーが演じている。ママが仲良くしている近所の友達のオバちゃん(ジュディ・グリア)がいて、これがイヤミなババアなのだ。

アダムはオバちゃんを大嫌い。彼が彼女を嫌うには正当な理由があるんだが、ここんちのママは度を超したお人好しであり、「あたしの友達を悪くいわないで頂戴」とかいって、かばうから、ますますアダムは腹が立つ。それに追い打ちをかけるのがいぢわる兄貴(Ryan Munzert)。こちらは弟を弟と思わないヒデーことをやる。あんなにいぢめるなんてひどいひどい。

ここらへんのホームドラマはオバケ話とはまったく関連がない。いったいどんな意味があるんだ。と不思議に思えるが、想像するに、『怒れる思春期ボーイ』というキャラを強調するために必要な設定なのだろう。しかし、バスケのフープにブラさがった鹿の死骸だけは意味がわからない。ちょくちょく出るんだよね。あれはなんだ。

ジェイミーオバケが連れてくる友達オバケってのもいる。これを演じるのがMadisen Beatyで、彼女は大迫力のオバケ演技をする。あれはおそろしかった。ジェイミーとは大違いの、噴怒と怨念の凝固物のような、まさにオバケはこうあるべき、といった案配の、サイコパス・ビッチ・オバケだった。彼女はオバケ演技大賞ナンバーワンだ。

本作『Jamie Marks Is Dead (2014)』には、ゲイを想起させる演出がたくさんある。直接的なゲイ描写はなく、お汁粉に塩を入れるくらいの精妙さだが、これはやはりゲイ映画だろう。そこはかとなく。ですね。

トレイラー動画

Jamie Marks Is Dead (2014) trailer

原作はChristopher Barzak著『One for Sorrow』

以下が原作本ですが、私は読んでないから、小説と映画の違いはわからない。

感想

見終わった後に、色んなことを考えるのが楽しい映画である。んで、こう書いたが↓

誰も乗ってきてくれないから、死んでオバケになってやろうか。というのは冗談である。

水辺にオバケがたたずんでいるところは、累ヶ淵みたいだと思った。無邪気に遊んでいるところは、オバケのQちゃんだと思った。その後、アダムはこわい目に遭って「やめときゃよかった」と大後悔する。こうなると牡丹灯籠だ。やっぱりオバケはこわい。でも、最後は切ないハッピーエンドで終わる。どうハッピーエンドなのかは、映画を見て確かめてくださいよ。

エンディング間近のあたり。アダムがカワイコちゃんに「君は先に帰ってていいよ」ていう場面がすごく好きだ(見たひとはわかる)。あのとき、彼女はどんなきもちだったのだろう。ああいわれたら、彼はあっちにいっちゃうと疑うよね。でも彼を止めなかったってことは、きっと信じていたんだよね。

印象的な絵がたくさんあった。見終わってみれば単純な話だが、いろんな肉づけをして一本の映画にまとめるってのは、やはりカーター・スミスのワザなのだろう。上に書いた「いかにもサンダンス話題作だね」てのは、観客に判断を投げつつ、常に最低の情報しか与えない、微妙なさじ加減で物語をつくっている、というような意味で、つまり、少々わかりにくい箇所があるんだが、ゆえに、この手のヤツは大ヒットはしないだろうが、ひっそりとファンを喜ばせるのは確かだろう。

それはいいが、鹿の死骸だけは意味がわからない!

Jamie Marks Is Dead (2014)』はただいまiTunesUSで公開中。こちらはDVD↓

Memorable Quotes

Lucy: Fate brings people together for a reason.

Francis: Did you not forget he's more like me than you?

Adam: "Things I'd like to kill. My mother's ceramic nativity that she keeps out all fucking year long, Artie Chapman's plastered on smile. My father, wherever he is, Matt Harden and the entire varsity team, except for... Adam McCormick, of course. Myself." Who else has seen this?
Gracie: No one.
Adam: Why not?
Gracie: Because... Adam, do you think that anyone would have thought twice about the way they treated him if they never had to think that it might have been one of us who killed him?
Adam: They did kill him.
Gracie: Exactly. Now do you understand I was only trying to help?
Jamie: Who says I need fixing?
Adam: Jamie, what is this?
Jamie: That's mine. She had no right..
Gracie: I didn't mean to take it. I didn't, I found it.
Jamie: Ssh! Really doesn't matter, Adam, not anymore. Don't you see? We can make this work.
Adam: Make what work?
Jamie: This. Me and you.
Adam: Well, we can't. I can't.
Jamie: Don't listen to her, Adam! She's just jealous.
Adam: Jamie, listen to me, you gotta calm down. You have to go.
Jamie: Just drop it. Drop the whole thing.
Adam: I will not drop it. And you are right. I don't understand. But I know that I can't change what happened to you...
Jamie: You don't know anything about... Just come home. Come home, Adam. We can...
Adam: Stop telling me what to do! Stop hanging around my closet! And stop taking my words!
Gracie: Jamie, Adam can't fix...
Jamie: This has nothing to do with you!
Gracie: What happened to you was awful, but that does not mean you can come into our lives...
Adam: Jamie, listen to me! Is this how you want me to remmeber you? Look at me. Because that's not what I want.
Jamie: You don't know what you did. You didn't do it. Let me go. Leave me alone.

Jamie: Sorry about your rock collection.
Gracie: It wasn't really mine anyways. I'm sorry that I took your list.
Jamie: That's okay. Let's go.

Jamie: You could come with me.
Adam: Hey. Everyting's gonna be alright. I'll see you again.
Jamie: You'll be fine too, you know?
Adam: Yeah, I know. I got something for you. Love.
Jamie: Tell that to Gracie for me too, okay?
Adam: I'll.
Jamie: Here. Remember me. I'm glad it was you, Adam.
Adam: Me too, Jamie.

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原題: Jamie Marks Is Dead
別題: Jamie Marks Está Morto
制作年: 2014年
制作国: アメリカ
公開日: 2014年1月19日 (アメリカ) (Sundance Film Festival)
2014年7月28日 (アメリカ) (New Fest)
2014年8月27日 (ドイツ) (Fantasy Filmfest)
2014年8月29日 (アメリカ) (New York City, New York)
2014年9月11日 (フランス) (Deauville Film Festival)
2014年10月17日 (イギリス) (London Film Festival)
imdb.com: imdb.com :: Jamie Marks Is Dead
監督
脚本/原案
出演
プロデュース
シネマトグラフィ
キャスティング
プロダクション・デザイン
アートディレクション
セット制作
衣装デザイン
視覚効果(Visual Effects)
Makeup
謝辞

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