2008/11/12 (Wed) at 1:50 pm

映画|ゾンビ・ストリッパーズ|Zombie Strippers!

政府が開発したゾンビウィルスがストリッパー嬢に続々感染。リビングデッドなお色気ショーは大人気!オーイエー! ジェナ・ジェイムソン 、 ロバート・イングランド 、 ティド・オーティズ。監督ジェイ・リー

ゾンビ・ストリッパーズ / Zombie Strippers! DVDDVD画像

ブッシュが第四期当選を果たすという架空未来のニュース映像から始まる(副大統領はシュワルツネッガー)。この映画の製作時点ではオバマ当選は決まってなかったわけで、いま見るとあらためておもしろい。んで、この未来世界では、そこらじゅうの国と戦争をやってるアメリカは使い捨て兵士を量産するために、死人を生き返らせるウィルスをつくった。それがラボ内で広まり、ゾンビだらけとなり、事態収拾のために兵士が呼ばれた。ダダダと殲滅。

のはずだったのが、チョロッと流出。感染者が潜伏したストリップクラブの楽屋でドヒャーと拡散してしまう。リビングデッドなお色気ショーは客たちの心をわしづかみ!大歓声の嵐!乱れ飛ぶチップのドル紙幣!

最高のステージを競い合うゾンビストリッパーたちは、恍惚の表情で客の中から男を選んで奥の部屋に連れ込む。ウガーと襲う。男はゾンビ化する。よくばり経営者のオッサンは商売をやめる気なんかサラサラないのであり、ゾンビ化した男たちを地下に閉じこめて、ステージ続行させる。地下の牢屋はあふれてくる。ステージはますます盛り上がる!オーイエー!

※感想

じつは私はこの映画をまったく期待していなかった。お色気とスプラッターを混ぜただけのドタバタコメディだろうと思っていたんだけど、予想に反してかなりおもしろかった。台詞がよかったですよ。いいもん見たー。

普通の映画の場合、ゾンビっちゅうのは完全に脳の機能を失って、アガガガーとヨダレを垂らしてひとを襲うのが定番だけれど、この映画ではすこしちがう。ゾンビ化したストリッパーたちが理屈の通った会話をするのだ。自分が死んだことに関する感想を述べたりする。彼女たちは一様にそのきぶんのよさをうれしそうにしゃべる。"Love is death." なんていう台詞もあった。

ゾンビに「ゾンビになってどんなきぶんですか?」とインタビューをすることはかつて不可能だったわけだが、この映画ではゾンビのみなさんのゾンビな心境を聞かせてもらえるという点が画期的である。てか邪道?正確にいうと彼女たちはゾンビとは呼べないゾンビなのかもしれないが、細かいことは気にしないってことで。

最初のほうに出てくる科学者はウィルスについてこんな説明をしていた↓

It's a chemo virus designed to reanimate dead tissue and jump-start the brain's motor function. This would allow, say, a soldier to continue fighting after death. After one experience death, fear is more or less gone. It enhances the combat mindset, the brain functions of one fearless, uninhibited, the drive of a take-no-prisoners soldier of raw survival instincts. It more or less turns a soldier into a super soldier.

The chemo virus' molecular structures deteriorate at an exponential rate from host to host. The zombified dead after that are but mindless monsters with a voracious appetite for living flesh.

The virus is based on the human X chromosome, so it stays more pure from woman to woman. But once you get a man in there, like everything else, it all goes to shit.

てことなんで、このウィルスっていうのは、敵を怖れない勇敢なアンデッド兵士をつくるためのもんだけど、感染を繰り返すたびに感染者たちは人肉を欲しがるモンスターになっていくんだけど、ところが、女から女へと感染した場合のみ、純粋な効果が得られる(つまり『勇敢なソルジャーになる』てこと?)。

というのがこの映画の設定なんだけど、私は説明を聞いただけではよくわからなかったんだけど、その後、おねいさん方に感染したらば、その意味がわかってきた。重要な伏線となる台詞が最初のほうにある。客の前でオッパイをだせなくてエーンと逃げだしちゃった新人ストリッパーがいて、ベテランのおねいさんが彼女にストリッパー嬢の心得を伝授するところ。「おまえは闘う兵士だ!この世はサバイバルなんだよ!ごちゃごちゃいわんとはよう脱げ!」という台詞↓

You have to be a warrior, a soldier. Fearless, uninhibited. A stripper with a take-no-prisoners raw survival instinct. So please, for my sake, suck it up.

soldier, fearless, uninhibited, take-no-prisoners なんていうワードは、先の科学者の台詞とかなりカブっている。つまりウィルスに感染することによってプロのストリッパー魂が開花し、最高のソルジャー、つまりアンデッドなストリッパーに変貌していくっていうことなのだ!おお!このtwistは独創的でおもしろい!

いちばん最初にアンデッド化したストリッパー嬢が楽屋で他のみなさんに死の心境を語るシーン。彼女は血塗れで楽屋に現れ、驚くみなさんに「死んで最高のきぶんだ」と告白し、ダンスにいく。みんなはポケーとする。

Kat: I am? hmm... imagine that?
girl: Oh, no, no, no, hold on. You're fucking dead.
Kat: I was. But now I'm back.
girl: Not possible!
girl: How's it feel?
Kat: Great I've never felt more alive.
girl: Oh, sweet irony.
girl: Hey where are you going?
Kat: I'm going to dance.

このあと彼女はステージで大喝采を浴び、客のひとりを選んで奥に案内する。そしてそいつのチンコを食いちぎり、うまそうにむしゃむしゃ食い、大満足で楽屋に戻り、フリードリヒ・ニーチェを読み「やっとこの本の意味がわかった!」と喜ぶ。おもしれええええ!

これを見たゴス趣味のストリッパー嬢がうらやましくてしょうがなくなり、彼女は第2のアンデッドストリッパーになる。彼女はその心境を聞かれて、次のように答える。彼女も死んでうれしくってたまらない↓

Death. It's like snow and stars. I remember once lying in the snow under a clear blanket of stars. And there were so many stars. I couldn't comprehend what it was like that vast and noble void. But now, I understand it. I feel I'm a part of it. That infinite nothingness. I wanna strip. Who's on? Fuck it, I'm gonna dance.

そのあと彼女はステージでウッヒョーな演技をして客たちを喜ばせ、最後のキメ台詞↓

Death is good.

そのあと客を誘い込んだ。客はこう叫ぶ↓

Oh baby, you're morbid!

そのあと、彼のアゴを大開帳してむしりとるという大ワザをやった。ロメロ先生の『Day Of The Dead』の最初に出てきたアゴなしゾンビみたいになった。

その他たくさんナイスなquotesがありました。

Take me. I want it. I want it now. I love you.
Love is dead.

Baby, we're gonna make an un-killing.

You're useless. You're dead to me. And I mean ... real dead, not undead dead. You got nothing until you can do what those zombie bitches out there can do.

The mind is a flame to be kindled, not a vessel to be filled.
I can no longer be blind to the war. I can no longer ignore the killing.
Skank zombie whore-bitch, prepare to die.
Been there, done that, loser.
I hate you, corpse-zilla.
Oh, what's that, undead cellulite?
Too bad you couldn't reanimate your personality.
I see your skin didn't get any worse.
Limbo bimbo.
Rotten slut.

Reminds me of the old country.

I think, therefore I am. I think? Actually, I have my doubts about that one.
Not convinced.
Revenge is a dish best served cold. Oh, fuck, that's Klingon.

At last, I'm beautiful. Don't you think I'm beautiful?

いやー、おもしろかったですね。満足満足。

※ところで余談ですが、お色気バカホラー映画の定番女優、ペニー・ドレイク嬢もストリッパーの一員として出てました。私、彼女好きなんです。好きっていうのとちょっと違うか。彼女が出てると知らずにパッと映画を選ぶと、いつもその中に入ってくる。コイツしょっちゅうおれの前に出てくるなぁと思ってたらば、なんだかいとしく思えるようになってきました。さいきんでは『Cook』に出てました。こちらもお色気満載のホラーです。

画像

画像をもっと見る (5枚)

twitterのご案内

当ブログをお読みくださり、ありがとうございます。twitterやってます。ホラー映画好きな方はフォローしてくださいませ。サイトの更新や新作ホラーの情報を随時流しています↓

Facebookのご案内

『ゾンビ』が出てくる映画(ソレぽいのも含む)

『ジェイ・リー』関連のエントリ

ホラー映画 :: 洋画』の最近のエントリ

ホラーなブログの方はどうぞ
原題: Zombie Strippers!
別題: Zombie Strippers
As Strippers Zumbis
Danseuses zombies
El ataque de las zombies
Svudné zombie
Zombi sztriptíz
Zombie strippers
邦題(カタカナ): 『ゾンビ・ストリッパーズ』
制作年: 2008年
制作国: アメリカ
公開日: 2008年2月23日 (イギリス) (Glasgow Film Festival)
2008年4月18日 (アメリカ) (limited)
2008年6月26日 (ドイツ) (DVD)
2008年8月14日 (オーストラリア) (limited)
2008年9月19日 (イギリス)
2008年10月11日 (日本)
imdb.com: imdb.com :: Zombie Strippers!
監督
脚本/原案
出演
プロデュース
音楽
シネマトグラフィ
編集
キャスティング
プロダクション・デザイン
アートディレクション
セット制作
衣装デザイン
視覚効果(Visual Effects)
特殊効果(Special Effects)
Makeup
謝辞

ホラーSHOX [呪](『ほらーしょっくすのろい』と読む)は新作ホラー映画のレビュー中心のブログです。たまに古いのやコメディ等もとりあげます。HORROR SHOX is a Japan-based web site, which is all about horror flicks.

 

すべての投稿 (1544)

CALL GIRL COMIC by DAIJU KURABAYSHIEL GIGANTE COMIC COMIC by DAIJU KURABAYSHI
HORROR SHOX - Horror Reviews, News