映画|トキシック・ララバイ|Toxic Lullaby

エロイーズさん（サマンサ・リヒター）は男友達2人といっしょにドイツの田舎をドライブ旅行中。ヤクをやってうだうだ遊んでいたらば、急に気分が悪くなってブッ倒れ、目が覚めたら別世界にいた。ここはどこ？

気がついたら森の中にいて、毒ガスマスクをつけた男たちに取り囲まれていた。男たちは彼女をこわい目つきでジロジロと眺めるのであるが、ひとりだけ親切なヤツがいて、そいつのおかげで助けてもらえた。

この世界じゃ空気感染する凶ウィルスが蔓延しており、ソレに感染するとゾンビじみたバケモノになってガオーと人を襲うようになる。やることはゾンビと同じなんだが、この場合、死人ではないのでゾンビとは違うんだが、ま、似たようなもんです。

映画では、人々は感染者のことを『Sleeper』と呼んでいる。昼間は眠るように動かなくて、夜になるとゾロゾロ動いて人を襲うからそう名付けられたそうな。

彼女はこんな終末世界にきちゃってわけがわかんなくてみんなに質問をするんだが、聞けば聞くほどわからない。人々は興味津々で彼女を眺めて、「おまえはGreen Islandからきたの？」と聞く。でも彼女はそんなの知らない。混乱する！

トレイラー動画

感想

ラルフ・ケンパー監督がスクリーナーDVDを送ってくれました。どうもありがとう。

インディーズ低予算だぞ！というかんじであった。上に書いたように、正確にはゾンビ定義とは異なるけれども、やることはいっしょなんで、広い意味でゾンビ映画の亜流といっていいかなとおもう。

いろいろと安っぽいんだが、ゴアゴアは気合いが入っていた。腸がビローンぐじゅぐじゅギョォエエエエエオオオオもあるよ。

ネーチャンがバッドトリップしちゃったらこうなりました、という設定が独創的だが、もうひとつ変わってる点として、敵はゾンビだけじゃないという話で、人間の中にもわるいやつがワンサカいるの。

この世は無政府状態の荒廃社会で、感染から逃れたひとたちは地下廃墟に隠れてドブネズミみたいに暮している。そんなグループがコロニーのように点在しているんだが、食料がなくてみんな腹ペコなので、人間同士で略奪するわ、殺し合うわ、女と見れば襲ってくるキチガイもいるわ、へんなヤツがゴロゴロしていて、殺伐とした争いがしょっちゅう起きる。

ゆえに、人々の顔つきは重苦しい。わたしら、夢も希望もありません。みたいな。映画全体が鬱々じめじめとしたくらーい雰囲気で進行します。この映画の映像に藤圭子の歌声を流したらばっちり合いそうです。

インディーズ映画にしてはいい方だったと思うが、微妙に夢心地のエンディングがスカッとしない。意味はわかったけれども「おー、そうだったかー」とバシッと終わるかんじじゃないの。そこがちょっとなー。

ゾンビ映画ってのは、ウヘーきもちわりーとびっくらこいて、最後にどどーんと盛り上がって、あーおもしろかった、おしまい、という調子の、アホでもわかるポップコーン映画が望ましいと思うんだが、そういうヤツじゃないんですね。だからそんなノリを期待するとハズすかもしれない。

ところで、この映画はドイツじゃテレビ映画としてつくられたそうなんだが、どう見てもテレビ向きじゃないんですよね。安っぽいとはいえ、グロシーンがけっこうありますから。なんだか意外です。

ドイツ版DVDが出てます

2011年2月にドイツ版がリリースされました。プレスリリースによればドイツ版のDVDには以下のオマケが入ってるそうなんだが、私は未見です。スクリーナー版は本編のみだったので。

• 30 minutes deleted scenes
• making-of "the story" 20 min
• making-of "how tod do" 20 min
• digitized super 8 material 10 min
• music clip 4 min
• trailer 2:30 min
• teaser 2:30 min

• amazon.de - Toxic Lullaby [DVD]

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