2010/11/11 (Thu) at 9:58 pm

映画|コリン LOVE OF THE DEAD|Colin

製作予算75ドル。DIY感覚低予算インディーズのゾンビ映画 from UK。アラステア・カートンデイジー・エイトケンス。監督マーク・プライス。2008年。

コリン LOVE OF THE DEAD / Colin DVDDVD画像

ロンドン中にゾンビウィルスが蔓延する死の世界。

コリン(アラステア・カートン)という名のアンちゃんもカミカミされてゾンビになった。彼は家を出て、ゾンビらしく「うがががー」と近所をほっつき歩き、そこらへんにいるゾンビたちを眺めたり、死体に手を伸ばしてつまみ食いをしたり、という調子でぶらぶらしてたところ、人間にいぢめられて殺されそうになる。

が、女(デイジー・エイトケンス)が出てきて彼を助けてくれる。この女はコリンの姉であった。心優しいおねえちゃんは弟の変わり果てた姿に涙し「彼はまだ人間の心を失っていないのではないか」と一縷の望みに賭けてジタバタする。

悲しくて暗い雰囲気の、超低予算ゾンビ映画。ハンディカメラ1本のブレブレ映像が全編続きます。しょっちゅう絵が揺れるから見にくいけれど、ザラついた臨場感がある。パッと見、テケトーに撮ってるように見えるんだが、じつはアングルが凝ってるなという点もある。話題作!

トレイラー動画

Colin (2008) trailer

日本でもリリースされる予定

日本のアマゾンには載ってなかったですが、allcinemaにはあった↓

上にリンクしたallcinemaのページにはリリース日程がないんだけど、imdbの方には、Japan December 2010と書かれてある。12月にDVDが出るのかな。正確なところは私にはわかりません。

感想

なかなかおもしろかったですよ。全編に渡ってくらーい雰囲気で、悲しみに満ちた調子で進行するのですね。ゾンビ映画によくあるような過剰なグロ特殊効果はほとんどなく、黒っぽい血糊がグジャッと出てきたりするだけなんだが、ザラザラのハンディカム映像と合わさると臨場感が感じられ、ほんとにこういう死の病っていうんですか、現代の黒死病が蔓延しちゃってるんだなあという世紀末ムードがよく表現されていてよかったと思いました。

コリンはゾンビになってしまったので白痴顔でアガガーとやってるんだが、人間をガオーと襲う他のゾンビたちと比べるとどこか物悲しい雰囲気があり、「もしかしてチョッピリ人間的な感情が残ってるのかなあ」という風にも感じられ、そこらへんがとてもかわいそうにおもえました。

少し前にレビューを書いた『The Dead Outside (2008)』もインディーズ魂が感じられるおもしろいゾンビ映画だったですが、アレと似たぶぶんもある。見比べるとおもしろいかも。

この映画は2009年のカンヌ映画祭で話題になって「予算70ドルのゾンビ映画!すんばらしい!」という話で、imdbのユーザーレビューでもおおむねポジティブな評価を得ています。「予算70ドル!」とよくいわれているけど、amazon.comのdescriptionには「75ドル」と書かれてある。5ドルはどこに?

「俳優さんたちは友人もしくはFacebookで集めたボランティアのみ。75ドルのうちわけは、みなさんに配ったお茶&クッキー代。製作期間18ヶ月」

なんだそうです。descriptionにそう書いてあった。

ところで、この映画の宣伝文句である以下の文言ですけど↓

COLIN is the first zombie movie told from the zombie s perspective, it is a film truly like no other.

「史上初の、ゾンビから見た視点で描いたゾンビ映画」というのはウソ、というか、誇大広告ですよね。『ラストハザード 美しきジハード (2006)』というのも最近あったし、他にもあったと思うんで、"first" ではないと思う。細かい話ですが。

私、なにか、スカッとしない部分があってですね、映画としてはおもしろかったんだが、ことさら「予算75ドル!」とか「史上初の!」みたいな調子で、浪花節に宣伝するやり方が少しいやだなあとおもいました。DVDのdescriptionを読むとなんだかんだと「貧乏人ががんばってます」話が書いてあって、私、かなりイラッとしました。あれを読んで「心温まる話であるなあ、えらいなあ」と思う人もいるんですかね。いるんだろうなあ。私がヒネクレてるの?

映画はよかったですよ。

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原題: Colin
別題: Colin - Die Reise des Zombie
Colin: Love of the Dead
邦題(カタカナ): 『コリン LOVE OF THE DEAD』
制作年: 2008年
制作国: イギリス
公開日: 2008年 (アメリカ) (Revenant Magazine Zombie Festival, Seattle)
2008年11月15日 (イギリス) (Aberystwyth Abertoir Film Festival)
2009年9月 (イギリス) (Raindance Film Festival)
2009年10月9日 (スペイン) (Sitges International Fantastic Film Festival)
2009年10月23日 (イギリス) (劇場公開 & DVD発売)
2009年10月31日 (ロシア) (New British Film Festival)
2010年2月27日 (日本) (Yubari International Fantastic Film Festival)
2011年3月5日 (日本)
imdb.com: imdb.com :: Colin
監督
脚本/原案
出演
プロデュース
音楽
シネマトグラフィ
編集
視覚効果(Visual Effects)
特殊効果(Special Effects)
Makeup
謝辞
  • 超低予算映画「コリン LOVE OF THE DEAD」  - Nobuyuki Kokai Blog

    製作費わずか45ポンド(約5800円)ながら、 完成度の高さから様々な映画祭で話題となった英ゾンビ映画「コリン LOVE OF THE DEAD」の日本公開が2011年3月5日に決定した。 レインダンス映画祭で最優秀マイクロ・バジェット映画賞を受賞したほか、さまざまな映画祭で賞を獲得。 製作・監督・脚本・撮影・編集をひとりで務 ...

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