映画|極道恐怖大劇場 牛頭
狂人ヤクザを名古屋で処分してこいといわれたチンピラ子分。夢か幻か『牛頭』の妖怪に出会ってアタフタする話。不条理怪奇なロードムービー。哀川翔, 吉野公佳, 曽根悠多(曽根英樹), 石橋蓮司。監督三池崇史。2003年。
いつもはあらすじの紹介から始めるのですが、以下のページでたいへん上手に物語をまとめてくださっているので、こっち読んでください↓
わたしがまとめるよりもずっと上手に書いてあるよ。この方のレビューは愛が感じられました。
てわけで、感想だけ述べます。ヤクザのみなさんもいろいろと気苦労が多くて、こんな狂った幻を見てしまうのかなぁと思いつつ見てました。なかなかおもしろかったですね。三池監督の映画の中でコレ系のヤツって、いつも私は神経がすりへるようなイヤーなきぶんで見始めるのです。いかにも「奇をてらってみたぞ、うしし」というほくそえみが聞こえるようなのがイヤなんです。
なんかわざとらしくって、芸術家ぶってて、いやだねこういうの、というきもちで見始めるんだけど、我慢して見続けていくと、なんとなくその世界がきもちよくなってくるというか、化学変化が起きてくるっていうか、そうならないときもあるんですけどね、だめなときはぜんぜんだめ、ぜんぜんノリきれなくて途中でヤメちゃうときもあります。ノリ始めると最後まで見て、あーおもしろかったーと思う。よくできた落語みたいですね。この映画はそういう意味では、私的によかったなと思えるほうでした。
DVDのSpecialの中には、インタビューなどがたくさん入ってて、イーライ・ロス、ギイェルモ・デル・トロなんていう先生方との対談もあってとくしたきぶんがしました。三池監督がこの手のシュールリアリスティックな映画について語っていて「子供の頃の話。初めて訪れる町の風景を見るだけでどきどきしたもんだ」というようなことをしゃべっていて「あー、そういうの、あったなー」と懐かしいきぶんになりました。ほんの少し自転車で遠出をするだけで、知らない隣町にいくだけで、スゲー気分が高揚して異次元ワールドに入ったような気がしたもんです。インスタントな『スタンド・バイ・ミー』体験っていうんですかね。
私、子供の頃によくやった遊びのひとつで『尾行ごっこ』ていうのがありました。友達といっしょに町を行く人々を眺めて「コレだ!」っていう人物に目をつけるんです。いかにも犯罪者っぽいかんじのオッサンとか。それを尾行するんです。ただただあとを尾けるの。たいていは相手がクルマに乗った時点で見失ってオワリになっちゃうんだけど、どんどん深追いしていって、ものすごく遠くにきてしまったときなんかはスリル満点でしたねー。あの頃に味わった真性のドキドキ感を求めてホラー映画を観てるわけですが、そこまで高揚できる瞬間って限りなくナイですね。大人になってしまうと悲しい。
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Gokudô kyôfu dai-gekijô: Gozu | |
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『極道恐怖大劇場 牛頭(ごず)』 | |
2003年 | |
日本 | |
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imdb.com :: Gokudô kyôfu dai-gekijô: Gozu |
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