2012/12/6 (Thu) at 8:39 am

映画|MONDO SEXXXX: The Terry Kobrah Story

エログロ糞尿に彩られた狂男の半生を描くバイオグラフィ的ホラー映画。12月限定無料公開中。Charlie CooperSeth GoadJames Dale。監督Logan Myers。2011年。

MONDO SEXXXX: The Terry Kobrah Story DVDDVD画像

テリー・コブラ(Terry Kobrah)は変態キングである。稀代の変態求道者。暴力者。レイパー。倒錯者。サディスト。狂者。誘拐者。嘘つき。糞尿愛好者。ネコを食う男。不具者性愛フェチ。変態ショーを運営するエンターテイナー。

どんな言葉を用意してもその異様さを言い表すことができないからもどかしく思うが、とにかく彼は狂った野郎なのである。車イスに乗り仮面をつけた姿で本人が出てきて、そのキチガイ人生が回想される。

少年時代に変態パパにレイプされただの、工場で働いてたら酸のプールに落ちて不具者になっただの(じつはこれは嘘)、女を誘拐して監禁してオモチャにしただの、次から次へと狂った映像が連続し、見ているこっちは頭がくらくらしてくる。どの場面においても、彼は好き勝手に暴れ回って、変態人生を謳歌しています。

紆余曲折を経て数多の変態経験を積んだのち、変態シアターのディレクターに抜擢されたらますます絶好調。変態友達というか、変態弟子というか、変態愛人というか、なんていっていいのかわかんないが、とにかく仲間が大勢できて、彼は幸福な変態人生を過ごす。好き勝手に舞台の上で変態ショーをやれば、観客は手を叩いて喜ぶ。どいつもこいつもきちがい。

血と精液と糞尿がラテのように混じり合う変態世界を、まっしぐらに突き進んだ狂男が最期にエイズでオダブツするまでを描いた映画は、コブラさんの所業をつぶさに目撃し、その死後、バイオグラフィ本を出版した男がホスト役を勤め、ドキュメンタリ風に進行します。テリー・コブラてのはもちろん架空の人物です。だからモキュメンタリ映画。スゲーよ。

すばらしい変態トレイラー

2012年12月限定 CouchCutter.comにて無料公開中

この映画はCouchCutterさんが運営するCouchCutter TVていうインディーズホラー専門チャンネルで有料公開していたんだが、このたび、特別の計らいで12月中だけタダで見せてやるよ。という話らしい。わー。こちらからどぞ↓


MOVIE: MONDO SEXXXX: THE TERRY KOBRAH STORY (NSFW!) - CouchCutter

サイトを見ればわかるが、もうひとつ無料で公開されているよ。こっちもおもしろそう↓

感想

先日、これのトレイラーを紹介して以来↓

みたいなーと思っていたら、太っ腹にも12月限定で無料公開されるというので喜んで観ましたよ。

うへー。すっげー。くるってるー。

インディーズ映画なのでいろいろと安っぽく、トレイラーの中でいってた「セルビアン・フィルム好きにはばっちり」という文言は誇張的宣伝文句であるものの、よくできているとおもいますよ。変態ショーのあたり『The Life and Death of a Porno Gang (2009)』に近いかんじがした。

ムッチャクチャのゲロゲロで突っ走ってるんだが、意外なことにゴア描写はぜんぜんなかったです。チンコカットはないし、首チョンパもないし、めんたまくりぬきもない。もしかしたら、ウェブ公開ということで、そういう部分はカットされたのかもしれない。

そこは未確認なのでわからないけれど、でもさ、これで十分、やったれやったれ感があるよね。映画だから笑って見てられるけど、こんなひとが近所にいたら相当こわいよ。また、単に暴力描写をやってるだけでなく、伝記作家の男を登場させて、コブラさんの心の闇に言及しているところなど工夫がある。

「虐待父を憎悪しつつ、と同時に、偉大なる父になりたがっていた」とか「経歴の話をすると、しばしばいうことが変わって嘘つきだった」とかさ。ナマっぽくておもしろいじゃん。

こんな大馬鹿野郎が死んだあとにお葬式をやってもらえるというのがじつに意外であります。上に書いたあらすじでは「エイズで野垂れ死に」と最初は書いたんだが、あとから「エイズでオダブツ」に書き換えました。埋葬してもらったんだから「野垂れ死に」ではないよね。

仁義の墓場 (1975)』の石川さんと佐川一政とコブラさんを同じ檻に閉じ込めてどうなるか見物したいです。佐川一政が一番弱そうなので、まっさきにカマを掘られてレイプされるでしょう。それを見る石川さんは「このきちがいめ」つって鉄パイプでコブラさんの頭をかち割るんじゃないですかね。スゲーいいよね。そういうの。

後から訂正。すません。鉄パイプを持ってるのは三池崇史のリメイクの方だった↓

ま、どっちも強そうなんですが。訂正以上。

随所で流れる音楽がよく、豪華にいろんな曲を使いまくってやがるなと思ったら、エンドロールの注意書きによれば、楽曲はぜんぶCreative Commonsで無料使用オッケーのやつなんだそうです。だから、もし気に入った曲があったら、最後に楽曲のcreditが流れるから、そこで調べてウェブで検索すればどっかにあるんですかね。たぶん。

正直なところ、全編を観続けるのは辛いものがあったが、沸騰するインディーズとしてなかなかのもんであった。

余談ですが、CouchCutterさんでTシャツを売ってるこちらの映画もすごくいいよ↓

あとからチョイ追記。こんな狂った映画が好きなあなたにはこちらもおすすめです↓

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原題: MONDO SEXXXX: The Terry Kobrah Story
制作年: 2011年
制作国: アメリカ
公開日: 2011年10月8日 (アメリカ) (PollyGrind Film Festival)
imdb.com: imdb.com :: MONDO SEXXXX: The Terry Kobrah Story
監督
出演
プロデュース
シネマトグラフィ
編集
プロダクション・デザイン
アートディレクション
セット制作
視覚効果(Visual Effects)

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