2014/7/16 (Wed) at 9:47 pm

映画|エリア0<ゼロ>|Alien Abduction

エイリアン・アブダクション』をおおまじめに描いたファウンドフッテージのSFホラー映画。ライリー・ポランスキーピーター・ホールデンキャサリン・ジギスムントコリー・アイドジェフ・ボウザー。監督マッティ・ベッカーマン。2014年。

エリア0<ゼロ> / Alien Abduction DVDDVD画像

ここは北カリフォルニアのブラウン・マウンテン。

この一帯では怪光(いわゆるUFO)がしょっちゅう目撃され、人がいなくなる。この光はブラウン・マウンテン・ライツと呼ばれて、近隣住民に気味悪がられている。

1952年。合衆国政府はブルーブック(Blue Book)なる調査計画を発足。この現象を科学的に解明しようという試みが始まった。

2011年。BLUE BOOKのケースファイル#4499。

人々が不思議な光を見た日、27人が行方不明になった。後日。自閉症の11歳の少年、ライリー坊やのビデオが発見された。彼とその家族はキャンプ中に行方不明になった。

てわけで、この映画はファウンドフッテージです。映像は坊やが撮影した映像のみ。

パパ(ピーター・ホールデン)、ママ(キャサリン・ジギスムント)、アンちゃん(コリー・アイド)、お姉ちゃん(ジリアン・クレア)、ライリー坊や(ライリー・ポランスキー)の5人家族はブラウン・マウンテンにキャンプにやってくる。

夜。彼らはUFOを目撃した。その直後はなんにも起きなかったが、問題は翌日である。翌朝。テントを畳んで、車に乗って、次の目的地に移動。したら、GPSが効かなくなって、道に迷ってしまう。

ガソリンが残り少なくなってこりゃヤバいと思ったら、山道のトンネルで、神隠しの直後のような現場に遭遇。車が数台、ドアが開けっ放しで路上に放置されている。あたりに誰もいなくて、路上に持ち物が散乱している。はて面妖な。いったい何が起きたのだろう。

「ハロー、だれかいませんかー」つって歩き回っていたところ、不意に、へんな光がぶわーと出てきて目が眩み、奇怪な人影が見え、おそろしいキーキー音が鳴り響き、鼓膜は破れんばかりとなり、うわああああァ、と叫んだ刹那、大きなおめめのエイリアンが一瞬!目の前にいるからギョギョギョ!次の瞬間、パパは消えていた。

家族はアワを食って逃げまくり、ハァハァいって、小さな山小屋を発見しましたよ。たすけてくださいー、といったら、誠に以て人相の悪い男(ジェフ・ボウザー)が出てきて、「おいこら。出ていけ」とライフルを向けるではないか。こんなピンチのさなかに最も出会いたくない人種の出現でありますね。もういやになりますね。

と思ったら、このアンちゃんは見かけほど剣呑な人物でなかった。ぶっきらぼうな男だが、話してみたらじつにいい人だった。事情を話して助けを求めたところ、「はようはいりんしゃい」つって家に入れてくれたが、彼の家には電話も車もなかった。

男の兄が町に出かけているそうな。ヤツが帰ってきたら大急ぎで町に連れていってあげる。まぁ、心配すんな。とかいってたら、そこに、またまた、ピカピカドーンのエイリアン襲来!

これはなかなかのもんです。おすすめ。

トレイラー動画

Alien Abduction (2014) trailer

感想

エイリアン・アブダクション』という題材を、そのまんまのタイトルで、このポスターで、しかもおおまじめにやるなんて、相当のチャレンジャーでありますね。どうせハズすだろうと思っていたら、じつにおもしろいからびっくりした。スカリーがエイリアンにさらわれるあのドキドキ感を再び味わうことができた。たいへん喜ばしい。

ファウンドフッテージやPOVの映画は、常に制約が課せられる。敵に襲われているさなか、のんきにカメラを回しているなんてへんではないか。という当然の疑問に答えるべく、制作者は知恵を絞る。カメラを持つキャラに「この事実を世間に知らせなくちゃ!」といわせてみたり、カメラ1本ではどもならんから、警備カメラの映像を入れてみたり、あの手この手を考える。開き直りかどうか知らないが、途中からPOVであることを放棄し、普通の映画のつくりに切り替わるようなものもある。多少の矛盾があったとしても、おもしろければいいと考える観客はそれを許す。まぁ、いいか。みたいな。

エリア0<ゼロ> (2014)』の制作者は、誰もがブチ当たるこの難関を、スマートな手法でクリアしてみせた。この映画は、最初と最後にチョロッと挿入されるインタビュー場面等を除き、少年のカメラが捉えた映像だけで物語を追っているが、そこに矛盾はなく、ムリヤリ感もなく、正しいファウンドフッテージ映画であることをさらりと達成した。いったいどうやったんですかね。こういうことなんですよ↓

カメラを持つライリー坊やは自閉症なのである。彼はかたときもカメラを離さない。カメラを持ってると落ち着くから。彼は言葉少なく、目の前の出来事をつぶさに撮影し続ける。少年にとってビデオカメラは世界と自分をつなぐ心の窓みたいなもの。という前提を知りつつ映像を観ていると、彼が味わう恐怖や疎外感というものが観客にビビッと伝染する。それが隠し味になってて、思わず感情移入をしてしまうのである。これを考えたひとは頭がいいですねえ。

彼が自閉症であることは映画の冒頭の字幕で明かされるが、たいていの人はその点をすぐに忘れてしまうだろう。彼が家族と楽しくやってるあいだは自閉症のようには見えないから。

その後、事件が起きて、一軒家に逃げ込む。そこのアンちゃんは、少年が自閉症であること、かたときもカメラを離さないことを知るや、知恵遅れ呼ばわり(retard)する。口の悪い野郎だ、と誰もが思うが、そこで、意外にも、この男は優しげな台詞を少年にいうのである↓

Sean: Hey. You notice how that camera gets to be jerky when one of them things is around?
Riley: Yeah.
Sean: Well, that happens again, you give me a holler.
Riley: Okay.

「ヤツラが現れるときには、おまえのそのカメラは使い物にならなくなるだろう?またそうなったら、おれにいえよな」なんていうんですよ。この短い会話があることによって、観客は次の2点を容易に覚えるだろう↓

  • この男はけっこういいヤツなんだ。
  • 坊やは自閉症。彼にはカメラがすごくだいじなんだ。

物語のキモをこんな風にサラッと描くのはうまいなあと思った。

と、ベタ褒め感想になったが、あなたが同じように思うかどうかは知らない。この映画は『エイリアン・アブダクション』をなんのてらいもなく、おおまじめに描いたというだけである。それ以上でもそれ以下でもない。こんな単純設定の映画を観てみたい!どきどきしたい!という人にはじつに直球です。

エリア0<ゼロ> (2014)』はただいまiTunesUSで公開中。

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原題: Alien Abduction
別題: The Morris Family Abduction
Abdução
Secuestro Extraterrestre
Brown Mountain - Alien Abduction
Εξωγήινοι απαγωγείς
Инопланетное похищение
邦題(カタカナ): 『エリア0<ゼロ>』
制作年: 2014年
制作国: アメリカ
公開日: 2014年4月4日 (アメリカ) (limited)
2014年8月25日 (イギリス) (DVD and Blu-ray premiere)
2014年9月4日 (イタリア) (DVD)
2014年12月2日 (ドイツ) (DVD and Blu-ray premiere)
imdb.com: imdb.com :: Alien Abduction
監督
脚本/原案
出演
プロデュース
シネマトグラフィ
編集
キャスティング
プロダクション・デザイン
衣装デザイン
視覚効果(Visual Effects)
特殊効果(Special Effects)
Makeup
謝辞

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