映画|The Perfume of the Lady in Black

SPOILER ALERT!!!!
ネタバレ！

ミムジー・ファーマー演じるシルヴィアはキリリとした顔の知的美人。リッチな高級アパートに住んで人生楽しくやってたが、ある日を境に悪夢幻視白昼夢に襲われるようになり、現実は変容し、彼女の幸福は失われていく。現実非現実がシームレスに織り込まれる映像ゆえにしょっちゅうお話がわからなくなるが、監督自ら「ホラーにロジックを求めるな！」なんていってるくらいだからポケーと身を任せていればいいのである。

彼女の抱えるトラウマ理由がやがて明かされる。それは、幼少時にママがレイプされるのを目撃した彼女が男をナイフで刺すという記憶の風景である。冷や汗ダラダラで悪夢をさまよっていたらば、『不思議の国のアリス』みたいな少女がヒョイと現れ、そいつは『シルヴィア』と名乗る。どうやら自分の子供時代を投影した幻（てかオバケ？）を見ているらしい。いつしかシルヴィアはタガがはずれたようになり、子供シルヴィアとヘラヘラ遊んで、白昼夢を見てはケタケタ笑いをするようになる。そして死亡する。

彼女の身辺には、カッコイイ恋人とか、怪しいヴードゥー黒人男とか、盲目占い師とか、エロイ雰囲気の隣人オッサンとかいるんだが、そいつらは親切ゲに接しつつも全員が結託してシルヴィアを追い込んでいるのではないか、これはなにかカルト的な陰謀ではないかとも思える演出があり、そこらへんは『ローズマリーの赤ちゃん』と似ているかんじもあり、ラストはシルヴィアの死体がどっかに運ばれ、群がるカニバリストたちに食われておしまい。

※感想

DVDに入っていたフランチェスコ・バリッリのインタビューでは『不思議の国のアリス』が大好きであると熱く語っています。「狂ったアリスが狂った人々に囲まれているというアイデアがたまらん！」てなことをいっているが、まぁ、そうですね。いいですね。わかりますよお。

幼少時代の性的トラウマを背景にカワイコちゃんが悪夢を見るようになってどーのこーのという筋書きはよくある話で、ラストは確かにドッキリではあるものの、現代のホラーを見馴れている人には退屈な内容と思われますが、70年代を代表する絶叫女優、ミムジー・ファーマーのファンなら楽しいでしょう。出てくる度に衣装が変わります。お色気風のスケスケガウンとか、お嬢様風のワンピースとかですね、これがフランス映画だともっとけだるいムードっていうんですか、頽廃的なブルジョワねーちゃんのイメージ（ガーターストッキング！）になるんだろうけど、イタリア映画はまた独自の風合いがあって、原色の狂気っていうんですかね、そこらへんがおもしろいです。

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