2008/10/16 (Thu) at 2:04 am

映画|吸血鬼ドラキュラの花嫁|The Brides of Dracula

ドラキュラ死後トランシルヴァニアに別人吸血鬼が出現。主演ピーター・カッシングイヴォンヌ・モンローデヴィッド・ピールフリーダ・ジャクソン。監督テレンス・フィッシャー。1960年。

吸血鬼ドラキュラの花嫁 / The Brides of Dracula DVDDVD画像

【登場人物のみなさん】

※この映画では『ドラキュラ』と題名にあるのに、ドラキュラは登場しません。1958年『吸血鬼ドラキュラ』の続編になるかと思うんですが、ドラキュラが出ないのに続編と呼んでいいのかわからないという気もしますが、まぁ細かいことは気にしない。

ヴァン・ヘルシング ... ご存知ヴァンパイアハンター。頭脳明晰なダンディ紳士は女性に優しくて沈着冷静なヒーロー。知恵と勇気でヴァンパイアをやっつける。

マインスター男爵 ... 城に幽閉されているヴァンパイア男。おぼっちゃま顔のハンサムキャラ。本家のリー先生と比べたら迫力不足だけれども、そこは暖かく見守ってあげよう。

マリアンヌ・ダニエル ... 美女ヒロインお嬢様。教師としてパリから赴任先の学校にやってきたが、途中で城に引き込まれ、城主マインスター男爵が秘かに幽閉されていると知り、彼を逃がしちゃう。マリアンヌ嬢は美人だが、教師という役柄のせいか、他のドラキュラ映画のヒロインに比べてお色気露出が少ない。という不満があるせいだろうか、私はこのひとのカマトトぶったお嬢様キャラにイライラした。いかにも怪しい城の城主にプロポーズされて喜んでいるなんてアホじゃないだろうか。

フォン・マインスター男爵夫人 ... マインスター男爵の母親。美輪明宏似の高慢ちき貴婦人。ヴァンパイアの息子を城に幽閉していたが、自由になった息子に襲われ、吸血ガブリされた。

グレタ ... マインスター城の召使いオバサン。ヴァンパイアのアシスト役。普段は愛想のないしかめつらだが、ヴァンパイアが活躍しはじめると気狂いケタケタ笑いをする。グレタの狂女演技はこの映画の大きな見どころのひとつだが、それを物陰から呆れ顔で凝視するヴァン・ヘルシングの演技もよかった。

ジナ ... マリアンヌの先輩の美人先生。マインスター男爵の愛人第一号として吸血ガブリされた。

ハンス ... 娘をヴァンパイアに殺された気の毒な村人男。

ステプニク神父 ... イモムシマユゲを持つ村の神父。

ラング校長 ... マリアンヌが赴任した学校の校長先生。適当にいばり散らしつつ、権力者にヘーコラするという人間味あふれるおじさん。

マダム・ラング ... ラングの奥さん。いつもニコニコほがらか顔で教師や子供たちの世話を焼く。

トブラー医師 ... 普通のお医者さん。ヴァンパイアの存在をなかなか信じてくれません。

【公開当時の予告ムービー】

【物語】

濃い霧の森の風景を映しつつ「トランシルヴァニア。それは ... 」と陰気声ナレーションでホラームードが高まる冒頭イントロダクション。

"Transylvania... land of dark forests, dread mountains, and black unfathomed lakes. Still the home of magic and devilry as the 19th century draws to its close. Count Dracula, monarch of all vampires, is dead, but his disciples live on to spread the cult and corrupt the world."

新任教師のマリアンヌが馬車に乗って赴任先の学校に急いでいたらば、途中の村で足止めを食った。旅の途中でこっそり追ってきた謎の男が妨害工作をしたせいである。この男は、マリアンヌが村の酒場で休憩してるあいだ、外で待つ御者にお金(かな)を渡してなにやら頼んだ。そのあと酒場にばーんと現れ、ギロリとマリアンヌを一瞥し、無言で去った。男を見た村人たちは、ひぃいと逃げていった。

酒場の親切夫婦は大心配顔になり「女の子がひとり旅なんていけないヨ!」とおおあわてになった。ヒヒーンと聞こえて外に出てみたらマリアンヌの馬車が走り去ってしまった。困ったわと思ったら、美輪明宏似の貴婦人マダムがジャジャーンと登場。親切夫婦は卒倒しそうな顔になった。

マダムは近くのマインスター城に住む男爵夫人である。マリアンヌの窮状を聞くと「うちに泊まればよい。明日、あなたの学校まで送ってあげましょう」と親切なことをいった。「あなたのような女性がこんなガサツな貧乏人どもの木賃宿に泊まるなんて!オッホッホ」

てわけで、いかにもハメ手とわかる演出を経て、彼女はマインスター城に泊めてもらう。城にはグレタというしかめつらの召使いがいて、食事をくれた。大きな城には夫人とゲイタのふたりきりっていう話だったんだが、じつは夫人の息子が幽閉されていることを間もなく知った。

嘘がバレた夫人は「うちの息子は病気なの」といったが、マリアンヌが見にいったら悲しげな目つきのハンサム青年がいて、彼の足には鎖がつながっていた。「わるいママにとじこめられてるんだ」と聞いたマリアンヌは深く同情し、彼を逃がしてやった。

怒りのママがジャジャーンと現れ、息子と対決。母は怒っていたが、息子に「こっちにおいで」といわれたらブルブル震えだした。ハンサム息子はマリアンヌの見てないところで恨み重なるママを吸血ガブリ。

マリアンヌが「どうしましょ!」とうろついてたらば、召使いのグレタが夫人の死体を指差してケタケタ狂女笑いをした。マリアンヌはウヒャーと逃げた。森でブッ倒れていたところにヴァン・ヘルシングが登場。彼に救われた。

ヴァン・ヘルシングはヴァンパイア事件のために呼ばれてきたところだったんだけど、彼は女性に優しい。マリアンヌを介抱し、彼女の赴任先の学校に送ってやった。馬車の中で城で起ったできごとを細かく聞いた。人助けプラス情報収集もぬかりのないヴァン・ヘルシング!

学校に到着。そこは校長先生以外は先生も生徒もぜんぶ女子というお上品な学校だった。ヴァンパイアが見たらヨダレが出ちゃうような光景。親切ヴァン・ヘルシングはマリアンヌを無事に届けたあと、村に戻って仕事を始める。ヴァンパイアに襲われた村の女の死体を検分して、うーむとうなったりした。

その夜、ヘルシングは墓からヴァンパイア娘がウガーと出てくるのを目撃し、それを見ながらひゃひゃひゃと手を叩いて喜ぶ気狂いグレタにおののき、コウモリに襲われたりしつつ、城に乗り込んだ。ヴァンパイアと化した男爵夫人が出てきて「わたしゃ自分の息子をモンスターにしてしまった」という悲しい告白を聞いたあと、本命わるもんのマインスターと対決したが逃げられちゃう。翌日になってヘルシングは棺で眠る母親にクイ打ちズブリをやって彼女を成仏させてやった。

一方、マインスターはマリアンヌの学校にきて彼女に結婚を申し込んだ。マリアンヌは(バカだなと思うんだけど)うるうるオトメ顔で喜んだ。その場にいた校長先生は相手が男爵と聞いたら急にニコニコしだしておべっかをいった。マインスターはマリアンヌといちゃいちゃしつつ、きまぐれに同僚の美人先生ジナをガブリ。こちらは愛人でしょうか。いままで閉じこめられてたから羽を伸ばして楽しそうです。

村に戻ったヴァン・ヘルシングは出会った医師に、マリアンヌの学校でヴァンパイア被害が出たことを知って青くなる。また学校に行く。ジナの死体の首にカミ跡があった。「彼女はヴァンパイアに襲われた」と医師に教え「棺に鍵をかけて馬小屋に置け」と指示したんだけど、その夜、ヴァンパイアと化したジナはジャジャーンと棺の中から出てきた。そろそろクライマックス!

ヘルシングとマインスターの最後の闘いは風車小屋で行われる。本命親玉との対決の前に、2人の愛人ヴァンパイアが襲ってきた。すかさず十字架でうりゃうりゃしてやったら、グレタがガオーと出てきて十字架を奪おうとした。揉み合い&格闘の末、グレタはウギャーと絶叫して墜落死。彼女の狂女演技は最後までヨカッタ!

やっと本命の敵、マインスターが登場。グワーとキバをだし、鎖をグルングルンと振り回して襲ってきた。ここで、な、なんとヘルシングは首絞め攻撃を受けて気絶し、ガブリされてしまう!えええええええ〜!そのようすを2名の愛人ヴァンパイアは官能的な歓びの目つきで見ている。

やがて目を覚ましたヘルシングは首の傷を知り大仰天。大急ぎで毒消しの荒治療をやる。傷口に焼ゴテをジュー!ウギャー!ヤケドあとに神父にもらった聖水を振りかけた。これで治っちゃったみたいである。

そこにマインスターがマリアンヌを連れて戻ってきた。「おまえの前で結婚の儀式を行ってやるぞ。そこで見ておれ。わっはっはー」と彼女にガブリ!しそうになったところでヘルシングは聖水をドバー。ウギャーと苦しむヴァンパイア。

マインスターは風車小屋に火をつけて逃げた。ヘルシングはすかさず小屋の上に登り、巨大風車にジャンプ!その向きを変えて十字架のかたちにしてやった。月明かりの陰が十字架のかたちになり、マインスターを直撃!ヴァンパイアは力つきてバッタリ倒れた。ふぅ。

闇夜に燃え上がる風車小屋をバックに、美女を優しく抱き寄せるヴァン・ヘルシング。

おしまい〜。

【気づいたことメモ】

※前作『吸血鬼ドラキュラ (1958年)』では「ヴァンパイアはオオカミやコウモリに化けたりしない」というヴァン・ヘルシングの台詞があったと思うんですが(アーサーとしゃべってる場面)、この映画ではマインスターはコウモリに化けた。でも前作では「まだわからないことも多い」なんていってたので、過去の時点では知られていなかったのだろう。

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邦題(カタカナ): 『吸血鬼ドラキュラの花嫁』
制作年: 1960年
制作国: イギリス
公開日: 1960年7月7日 (イギリス)
1960年7月16日 (日本)
1960年9月5日 (アメリカ)
1960年12月21日 (フランス)
1961年5月11日 (スペイン)
imdb.com: imdb.com :: The Brides of Dracula
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