2008/10/30 (Thu) at 3:41 am

映画|ドラキュラ血の味|Taste the Blood of Dracula

『帰ってきたドラキュラ』の直後から始まるプロローグ。ドラキュラ伯爵は3度目の復活。クリストファー・リーリンダ・ヘイドン他。監督ピーター・サスディ。by ハマー・フィルム。1970年。

ドラキュラ血の味 / Taste the Blood of Dracula DVDDVD画像

SPOILER!!!
ネタバレです!!!

【登場人物のみなさん】

ドラキュラ伯爵 ... ご存知ヴァンパイアの帝王は前作『帰ってきたドラキュラ』から3度目の復活。ジャジャーン。

ウェラー ... よくばりでお金儲けが大好きな骨董屋主人。珍しいもんを手に入れたがる。森の中で偶然ドラキュラの死を目撃し、その血液を手に入れた。

ロード・コートニー ... 怪しい黒ミサ儀式にふける放蕩青年。売春婦たちに絶大な人気を誇るジゴロでもある。不良3人オヤジによからぬ遊びを教えるのが趣味。アングラ全般お任せ下さい。

ウィリアム・ハーグッド ... ひとり娘のアリスを溺愛し「デートなんか許さん!」が口癖の厳格父だが、じつは家族にナイショでよからぬ夜遊びにふけっているというエロオヤジでもある。こういうひとは自分が遊んでるから娘のカレシを信用しないんですよね。

アリス・ハーグッド ... まんまる顔にポテポテ体型の美少女は父の目を盗んでデートにでかけます。ポールのことが大好き。後半ではドラキュラの家来になる。ひゃひゃひゃと気狂い笑いをする演技がよかったです。

マーサ・ハーグッド ... アリスの母。普通の奥さん。

サミュエル・パクストン、ジョナサン・セッカー ... ウィリアムを含めてこのトリオはいずれも名士を名乗る紳士たちだが、夜になるとこっそり出かけては怪しいクラブに出入りしている。不良オヤジ3人組。

ポール・パクストン ... 愛するアリス一直線の純真青年。アリスの父ウィリアムに蛇蝎のごとく嫌われてゴミムシ扱いされているのが気に食わない。「駆け落ちしようよ」が口癖。

ルーシー・パクストン ... ポールの妹ギャル。ジェレミーのカノジョであり、アリスと仲良し。

ジェレミー・セッカー ... ジョナサン・セッカーの息子であり、ルーシーの恋人。

コブ刑事 ... まったく役立たずの刑事さん。

ベティ ... ハーグッド家のメイドさん。

【物語】

プロローグ。よくばり商人のウェラーは馬車で旅行中、乗り合わせた男に「これ買わない?」と金儲けをやってたらば、相手の怒りを買い馬車から突き落とされた。トボトボ森を歩いていたらば、死にゆくドラキュラとバッタリ遭遇。前作『帰ってきたドラキュラ』のラスト場面に出くわしてキモを潰した。デカ十字架に串刺しにされ、ウガーと悶絶して死んでいくドラキュラを目撃して恐怖に震えたが、さすがは商人であるからして、死んだあとに残った遺品をチャッカリ拾ってきた。マント、リング、マントの留め金チェーンの3アイテムに加え、粉末状になったドラキュラの血液である。

ウィリアム・ハーグッド、サミュエル・パクストン、ジョナサン・セッカーの中年トリオはまじめな紳士ヅラをしているが、じつは彼らには秘密がある。夜になるとチャリティと称してこっそりどこかにいく。彼らの目的は秘密売春クラブ。孤児たちがスープを飲む貧民窟の奥のカーテンを抜けるとそこは別世界。美女がワンサカ。お酒は飲み放題。わっはっは。

中年トリオは家族に隠れてよからぬ遊びに夢中だが、その子供たちは仲良しグループである。ウィリアムの娘アリスとパクストンの息子ポールはラブラブのカップルで、ポールの妹ルーシーとセッカーの息子ジェレミーもこれまた熱々。4人はいつも仲良しで毎日のようにダブルデートしているが、彼らは自分の父親たちがやってることを知らないでいる。

不良オヤジどもがいつものように女を買ってパーティをしてたらば、コートニーと名乗る謎の遊び人風の青年に邪魔された。オヤジたちが買った美女をヒョイと横取りしていったのである。「あれはコートニー。チャペルで黒ミサをやってるのを見つかって親から勘当されたというイカレぽんちですわ」とクラブのマネージャーに教わった。

ウィリアムたちはこの青年に興味を示した。彼がやったことにさほど腹をたてることもなく「おまえはなにもん?」と聞いてみた。青年はケラケラ笑って不良中年トリオを受け入れ「魂を差しだす勇気はありますか?」なんて意味深な質問をした。

3人は興味津々で釣りこまれた。コートニーは彼らをウェラーの店に案内した。そしていわれるままに破格の値段1000ギニーを払い、ウェラーが山で拾ったドラキュラのお宝を手に入れた。マント、リング、マントの留め金チェーンの3、ドラキュラの血液である。

コートニーはこれらのアイテムを使って儀式を行う。廃墟教会に3人を呼び出した。グラスにドラキュラの粉末血液を入れ、そこに自分の血液を注いだ。ブクブクと泡が立ち、濃厚トマトジュースみたいなもんができあがった。コートニーはそれを3人に飲めといったが、ウィリアムたちはいやがった。怖じ気づいた3人を見たコートニーは「おまえらは勇気がないなー」とバカにするのであり「それならおまえが飲んでみろ」といわれて、ごくごく飲み干した。

ドラキュラの血液を飲んだコートニーはトタンに苦しみだした。「助けてくれえええ」と狂ったように抱きついてきたんで、焦ったウィリアムたちは彼をばんばん叩いて殺してしまった。こりゃヤバい!と動転するのであり、死体をほっぽりだしてそのまま逃げ帰った。

ひとを殺してしまったという恐怖に駆られた3人はひとが変わったように家に閉じこもった。ウィリアムは酒に溺れるようになり、ますます怒りっぽくなり、アリスがポールと仲良くしてるのを知ると狂ったように怒るのであった。愛する娘をムチでバシバシ。アリスは父のキチガイじみた豹変ぶりに大慌てとなる。

一方、放置されたコートニーの死体は砂に埋もれて徐々に変化するのであり、まもなくそれはドラキュラとして復活した。ジャジャーン。おめざの第一声はコレである↓

They have destroyed my servant. They will be destroyed.

ヤツラはわたしの召使いを殺した。許せん。

ドラキュラって意外と義理堅いんですね。復讐心に駆られたドラキュラは3人をひとりづつ殺して回るが、自分では決して手を下さず、子供たちを操って殺害させるというのが様式美を感じさせる。いちばん最初に殺されたのはウィリアム。彼は溺愛する娘、ポテポテ顔の美少女アリスちゃんに脳天直撃石落下攻撃をくらって死んだ。ウィリアムが死んだと同時にアリスはドラキュラの家来となり、姿を消した。ドラキュラはアリスを使ってこんどはその友達のルーシーをさらって吸血ガブリ。これも家来にした。

美少女ギャル2名を従えてご満悦のドラキュラはパクストン、セッカーの2名も血祭りにあげてわっはっはー。パクストンは実の娘ルーシーに、セッカーは息子であるジェレミーに殺された。復讐を遂げたドラキュラは急にルーシーに飽きちゃったようであり、殺して捨てポイした。

残るはアリスのみ。というところにアリスを愛する純真青年のポールが突入。彼はアリスが行方不明になってから大心配で何度も警察にいったり、あちこち探しまわったり、孤軍奮闘していたのだけれど、死んだセッカー氏から手紙を受け取り、そこに書かれてあった真実を信じ、ドラキュラ退治の七つ道具を持参して愛するアリスちゃんを救いにきたんである。

ところでこの時点でアリスは吸血ガブリされていない。ドラキュラはルーシーを躊躇なくガブリしたが、なぜかアリスだけはしなかった。いったんガブリしようとしたんだけどコケコッコーの鳴き声で邪魔されるというシーンがあったので、吸血する気はあったと思われるが、お弁当のエビフライのように最後においしいオカズをとっといたということなのかもしれないが、その意図はよくわかんないんだけど、アリスは最初からドラキュラの家来だったにも関わらず催眠術をかけられるだけで済んでおり、そこにカレシが突入してきたんで彼女は救われた。

ラストはドラキュラが復活した廃墟教会でポールと一騎打ち。十字架攻撃で行く手を阻まれたドラキュラがくっそーーーと悔しがり、高いところに登ってそこらへんのもんを投げて抵抗するというジタバタ演技がかわいかった。ドラキュラがステンドガラスを破って逃げようとしたらば、先にポールが行ったお清め儀式のせいだと思われるが、穢れた場所だった教会が聖なる光と音楽に満たされた。ドラキュラはウギャーと落下激突。彼が死ぬと肉体は風化し、パウダー血液とマントとチェーンが残った。

おしまい〜。

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邦題(カタカナ): 『ドラキュラ血の味』
制作年: 1970年
制作国: イギリス
公開日: 1970年5月7日 (イギリス)
1970年6月7日 (アメリカ)
1970年10月7日 (フランス)
1971年8月28日 (日本)
imdb.com: imdb.com :: Taste the Blood of Dracula
監督
脚本/原案
出演
プロデュース
シネマトグラフィ
編集
アートディレクション
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