2010/9/10 (Fri) at 2:36 am

映画|血ぬられた墓標|La maschera del demonio

200年の時を経てジャジャーンと復活する魔女。イタリアの古典ホラー映画。モノクロ。バーバラ・スティールジョン・リチャードソンアンドレア・ケッキイヴォ・ガラーニアルトゥーロ・ドミニッチ。監督マリオ・バーヴァ。1960年。

血ぬられた墓標 / La maschera del demonio DVDDVD画像

ここはモルダヴィア。17世紀。

世にも美しい女(バーバラ・スティール)が村人たちにとっつかまり「おまえは魔女だ、うりゃうりゃ」と責められ、愛人男(アルトゥーロ・ドミニッチ)といっしょに処刑される。彼女は魔女アーサ。

背中に焼ゴテをジュー。うぎゃあああ。さらに、サタン顔の鉄マスクが出てくる。その内側には鋭いピンがずらりと並んでいるんだが、その拷問マスクを顔に押しつけられ、デカハンマーでズッゴーン。痛痛痛痛痛ぎょえええええええ。

魔女アーサは「おまえの末裔を呪ってやるううううう。くそったれめ!」と悪あがき台詞を残してオダブツとなりました。

200年後。

馬車で旅する医者男コンビが登場。中年紳士はクルヴァヤン先生(アンドレア・ケッキ)、弟子のように控えるイケメン男はゴロベックさん(ジョン・リチャードソン)。ふたりは旅の途中で、魔女の棺が安置された霊廟の近くを通りがかり、興味本位でふらりと入ってみた。

「なんだかこわいネ」とかいいつつ、うだうだやってたら、大きなコウモリが出てきてびっくり。棒でばんばん殴ってやっつけたまではよかったが、その衝撃で棺を壊してしまう。なかには魔女のガイコツがあって、またまたびっくり。このとき、クルヴァヤン先生は指に小さなケガをしたもんで、その血がガイコツにタラーリ。てわけで、200年のときを経て、魔女がジャジャーンと復活するのであるが、この時点では、彼らはまだ気づいていない。この先、じわじわと復活してくるのです。

男たちが外に出たら、犬の散歩をする美女が立っていた。彼女は近所のお城に住むおひめさまで、カティアちゃんというのだが、プロローグの魔女を演じたバーバラ・スティールと一人二役である。映画を観ている私らは「もう復活したのか!」と焦ってしまうが、その先の会話を聞くとそういうわけではないとわかります。

カティアはこの時代に生きてる正真正銘のおひめさまであり、この先復活してくる魔女が呪いをかけようとしている相手でもある。彼女は父(イヴォ・ガラーニ)、弟(エンリコ・オリヴィエリ)、執事(ティノ・ビアンキ)といっしょに城に住んでいます。

美女に出くわした男ふたりは、いたずらがバレた子供のような調子でバツが悪そうに挨拶をし、別れていくのであるが、医者コンビの若いほう、ゴロベックさんはカティアちゃんのきれいな顔を見たとたんにデレデレとなり「サヨナラなんていいません。また会えるでしょう?」とチャッカリ自己アピールをやるところなど、さすがイタリア映画です。

旅する医者コンビは、その夜は城の近所の村の宿に泊まったが、ずいぶん夜も更けた頃、城からお迎えがやってきた。「急にご主人様の容態がわるくなったもんできてください」と呼び出され、若いゴロベックさんはたくさんお酒を飲んで寝ちゃったあとだったので、クルヴァヤン先生ひとりで城に行く。

んで、じつはこれがワナで、なんだかんだとイベントがあって、ひとがバタバタ死ぬ。魔女の目的は若くて美しいカティアちゃんの生命を吸い取り、復讐を果たし、完全復活を遂げることである。ゴロベックさんは愛する彼女を助けることができるんでしょうか。

イタリア語の原題『La maschera del demonio』。その他『Black Sunday』『The Mask of Satan』『Mask of the Demon』といった別題があります。邦題は『血塗られた墓標』です。

トレイラー動画

Black Sunday (1960) trailer
The Mask Of Satan (1960) trailer

感想

マリオ・バーヴァの古典ホラーです。モノクロです。古いホラー映画をたくさん紹介してくださっている『Castle of the Darkness』さんのレビューを読んだら、

『吸血鬼ドラキュラ』(1958)に対するイタリアからの回答、それこそが本作『血塗られた墓標』(1960)である。(『血塗られた墓標』より引用)

と書かれてありました。うまいこというなー。ほんとにそんなかんじでした。古いお城やら、馬車やら、素朴な村人のみなさんやら、怪奇な舞台装置が昔のハマー映画によく似ています。

冒頭の処刑シーンはとてもよかったです。その後、映画が進むと、ハマーっぽいなと思いつつ、ハマーとはやはりちがう点もあるなというのがわかってきます。クリストファー・リーの『ドラキュラ』はやたら復活が早かったですが、「血がタラーリ、ホイ復活!」てかんじでしたが、マリオ・バーヴァが描く魔女はじわじわと時間をかけて復活します。いろいろ手順が必要みたい。

また、ドラキュラの場合はヴァン・ヘルシングというスーパーヒーローがいましたが、こちらはそういうのが出てこない。愛するカティアちゃんを守りたいジョン・リチャードソンがその役なんだけど、いまいち頼りない。彼はマッチョ路線で悪と闘うよりも、女の耳元で「ぼくにあなたを守らせてください」とかなんとか、デレデレ台詞をしゃべるほうが得意みたいです。

その点はちょっとアレなんだけど、こわがらせ演出がおもしろいからいいです。小さなサソリがガイコツを歩き回っていたり、バーバラ・スティールのきれいなお顔にブスブスとクギのあとがあったり、魔女であることをバレちゃった魔女が「わははは。バレちゃーしょーがない!」とかいって、胸をはだけて見せると内臓が見えたり、生気を吸い取るシーンではしわしわになっていくとかですね。怪奇な雰囲気に満ちています。

ところで、この映画の舞台はモルダヴィアということになっていますが、モルダヴィアってロシアの近くの小国です。どうしてイタリア映画なのにわざわざそんな場所であるかというと、このお話のモトってのがロシアのフォークロアだかららしい(imdbのtriviaに載ってた)。トリヴィアをもうひとつ。宿屋の娘さん、夜中にミルクを絞りに行かされた女の子はアルトゥーロ・ドミニッチの実の娘だそうです。Germana Dominiciという。

最後になりましたが、この映画の魅力はやはりなんといってもバーバラ・スティールです。魔女を演じている彼女はとてもおっかない。カッと目を見開いた顔は夢に出てきそうです。でもカティアちゃんを演じているときは、かよわくてかわいらしいおひめさまです。女のひとって、こういう使いわけをしれーとやるからこわいですね。

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別題: House of Fright
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Fright
邦題(カタカナ): 『血ぬられた墓標』
制作年: 1960年
制作国: イタリア
公開日: 1960年8月11日 (イタリア) (初公開)
1961年2月15日 (アメリカ)
1961年3月29日 (フランス)
1961年4月 (日本)
1968年6月 (イギリス)
1969年10月7日 (スペイン) (Barcelona)
1969年11月13日 (スペイン) (Madrid)
2002年1月16日 (日本) (Grande Retrospettiva del Cinema Italiano)
imdb.com: imdb.com :: La maschera del demonio
監督
脚本/原案
出演
プロデュース
シネマトグラフィ
編集
プロダクション・デザイン
セット制作
衣装デザイン
特殊効果(Special Effects)
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    夏。苦手なものは苦手なのだ。胸を張って言いましょう。・・・、と言うわけで、更新が滞りがちでございます・・・。今狙っている(購入)作品等の御紹介を・・・。国内版が出そうも...

    2013/8/8, 8:03 AM

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