映画|ヒドゥン|Hidden (Skjult)
ママの死を機に故郷に帰った孤独トラウマ中年男は事件に巻き込まれ悪夢にうなされる!ノルウェー北欧映像美ホラー映画。主演クリストファー・ヨーネル。監督Pål Øie。2009年。
孤独な中年男が19年ぶりに故郷に帰ってくる。ママが死んだと知らされて帰ってきた彼は、ひからびた遺体と対面する。そのあと自分が相続したママの家にいく。この家っちゅうのが森の一軒家なんだが、ボロくて汚いオバケ屋敷。男は家に入って部屋を眺めるんだが、とにかくこの人は口数少なく不幸な顔つきで、これはママの死を悲しんでいるわけではなく別な理由があるんだが、それは徐々に明かされます。
陰気男の陰気演技が進行しつつ、ときおりグジャッとオバケみたいなもんがでてくる。この人は狂った幻影を見ているんだろうか。あるいは本当に呪われているんだろうか。男は小さなホテルに滞在する。ホテルにはミステリアス美女がいて、なにやら彼のことを知っているようなそぶりで、迷う彼に言葉を与えたりする。
事件が起きる。若いカップルが行方不明になり、キラーに殺される。町の人たちは彼のことを疑っているようであり、少なくともよくは思っていないようであり、陰湿ないぢわるをされたりするんだが、男は無言でやりすごしている。かと思ったら、とつぜん激高して相手の頭を車のボンネットにぶつけたりするのでハラハラする。男にはひとりだけ味方がいる。こちらは彼の昔を知る女警官で、彼女だけは男に親切である。男はこの女警官にだけ心を許し、自分の推測を述べる。「ペーターがやったんだ」という。さて、ペーターってだれでしょう。
感想
クリストファー・ヨーネルが出てる映画を見るのは私は2本目です。Next Door (Naboer) もよかったですが、こちらもなかなか。この俳優さん、いいですね。彼の冷や汗ダラダラ演技がよかったし、シネマトグラフィがいいムードでした。
ミニマルなつくりに命を賭けているという印象です。私がふだん見馴れているアメリカ映画だと「誰と誰と同級生だった」とか「誰と誰が恋人だった」とか、そういう情報を会話の中に織り込んでキャラをつくるじゃないですか。でもこれは、Next Door (Naboer)もそうだったですが、もうギリギリそぎ落とすというかですね、些末な情報はほとんど観客に与えず本質だけを表現しようとしているというか、俳優の演技と映像だけで伝えようとする感がありますね。「こういうのはハリウッドのサルには真似できんだろ、ヒヒヒ」と思ってるかどうか知りませんが、お国柄のスピリッツを感じます。
SPOILER ALERT!!!!
ネタバレ!
ネタバレあらすじ
上には書かなかったが、冒頭にプロローグがありました。こんなの↓
1989年9月14日。
夜。どっかの森。ハダカの少年が必死顔で走っている。山道に飛びだしてデカトレイラーに轢かれそうになるが、ギリギリセーフ。と思ったら、よけたトレイラーは道ばたに停車していた小さな車にドッカーン。爆発炎上。乗車していた人たちは即死。ハダカ少年は一瞬に起きた大惨事に腰を抜かす。さらに、少し離れた場所に別の少年がいて、こちらもまた絶句顔で炎上車両を見ていた。
このあとは現代のお話です。
いろんな事実が徐々に明かされるんだが、ばっさりまとめるとこうである。事故のシーンで逃げてきたハダカ少年が主人公の男で、横で見ていた少年がペーターである。ペーターは目の前で両親が即死するのを目撃したわけだが、その後の彼の消息はわからずじまい。近くの滝に落ちて死んだということになったのだが、死体は確認されなかったそうな。
少年時代の男がなぜ森を走っていたかというと、虐待ママから逃げるためだった。男はからだじゅうに虐待の傷がある。だからあんなに不幸顔なのですね。ママのことを憎んでいたわけです。
男はペーターが生きていると信じている。男にだけペーターの姿が見えるからそう思うんだが、ときおり彼の前に現れる赤いフード姿がソレなんだが、幻影のようでもあり、映画を見ている私たちには、男は虐待されて狂ってるんじゃないか、じつは男は二重人格で自分でも気づかずペーターを演じているのではないかという印象もある。
女警官は男にペーターの死を納得させたいと考え、当時の事件の資料を見せる。ペーターが落ちたと思われる滝の下流で発見された靴を見せ「これで納得しろ」という。男はその靴を見てハッとする。その不自然さはパッと見わからないが、よく観察するとわかる。ヒモの結び方がだれかに結んでもらったような風なのだ。男は事故のときのことを思いだし、その後に起きたことを想像する。
男は虐待ママから逃げようと森を走っていて不幸な事故が起きたのだが、彼を追ってきたママは彼を逃がしたかわりにペーターを捕まえたのではないか。そしてペーターの死を偽装するために靴を滝壺に捨てたのではないか。ペーターは男の身代わりになって監禁虐待されたのではないか。そしてペーターはいまも生きてて、あの家に隠れて住んでいるんじゃないか。なんてことを推理するんだが、だれにも信じてもらえそうにない。男は黙っている。そうこうやってるうちに行方不明になってたカップルの死体が男のママの家から発見される。男の立場はわるくなり、たったひとりの味方だった女警官も男を疑うようになる。
さて、ペーターは本当にいるのか、あるいは男の妄想の産物なのか、という点に私たちの興味は集中するが、ラストでそれが明かされる。ペーターはいた。男の前に現れて、ケモノのような声を発した。何年も監禁されておかしくなってしまったのだろう。男はペーターを警察に渡したくない。なぜ彼がペーターをかばったのか、映画の中では明確には明かされないが、それは罪悪感だろうか。自分が道を飛び出したせいでペーターのパパママは死んじゃって、おまけに彼はヒデー目に遭ったわけだから。またあるいは、虐待された者だけが共鳴する複雑な感情があるのかもしれない。
男はワナワナと怯えるピーターに優しく声をかける。ふたりはペーターが自殺したことになっている滝に行く。結局、ペーターは悲しく投身自殺する。ぼくは生きててもしょうがないヨという調子。その後、男はやってきた警官に逮捕される。男が見た真実を語ってもだれも信じてはくれないだろう。おしまい。
画像

| 原題: | Hidden (Skjult) |
| 別題: | Skjult Hidden |
| 邦題(カタカナ): | 『ヒドゥン(原題)』 |
| 制作年: | 2009年 |
| 公式サイト: | "Hidden (Skjult)" Official Site |
| 制作国: | ノルウェー |
| 制作スタジオ: | Alligator Film |
| 公開日: | 2009年11月 (アメリカ) (American Film Market) 2010年1月29日 (アメリカ) (After Dark Horrorfest) 2010年3月23日 (アメリカ) (DVD発売) |
| imdb.com: | imdb.com :: Hidden (Skjult) |
- Arthur Berning [imdb] (Svenna)
- Knut Morten Brekke [imdb] (Veiarbeider)
- Gabriel August Gjønnes [imdb] (Indianergutt)
- Agnes Karin Haaskjold [imdb] (Kai Koss' mor)
- Andreas Haugsbø [imdb] (Kai Koss som barn)
- Bjarte Hjelmeland [imdb] (Frode)
- Kristoffer Joner :: クリストファー・ヨーネル [imdb] (Kai Koss)
- Marko Iversen Kanic [imdb] (Roy)
- Anders Danielsen Lie [imdb] (Peter)
- Elisabeth Lillevik [imdb] (Peters mor)
- Cecilie A. Mosli [imdb] (Sara)
- Karin Park :: カリン・パーク [imdb] (Miriam)
- Julie Rusti [imdb] (Anne)
- Marius Rusti [imdb] (Peter som barn)
- Eivind Sander [imdb] (Anders)
- Jon Sigve Skard [imdb] (Stian)
- Are Strand [imdb] (Peters far)
- Jan Holden :: ジャン・ホールデン [imdb] (Letemannskap [uncredited])
- Tom Larsen :: トム・ラーセン [imdb] (Letemannskap [uncredited])
- Jan Aksel Angeltvedt [imdb] (executive producer)
- Jan Aksel Angeltvedt [imdb] (producer)
- Lars L. Marøy [imdb] (co-producer)
- Theodor Groeneboom [imdb] (digital compositor)
- Aksel Jermstad [imdb] (visual effects artist)
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