PV2,707

!!!! SPOILER ALERT !!!!
!ネタバレ注意!

ネタバレ注意!SPOILER ALERT!

本ページは『映画|ヒドゥン|Hidden (Skjult)』のネタバレ全開です。この映画の普通の(ネタバレのない)レビューはこちらにあります↓

ネタバレあらすじ

上には書かなかったが、冒頭にプロローグがありました。こんなの↓

1989年9月14日。

夜。どっかの森。ハダカの少年が必死顔で走っている。山道に飛びだしてデカトレイラーに轢かれそうになるが、ギリギリセーフ。と思ったら、よけたトレイラーは道ばたに停車していた小さな車にドッカーン。爆発炎上。乗車していた人たちは即死。ハダカ少年は一瞬に起きた大惨事に腰を抜かす。さらに、少し離れた場所に別の少年がいて、こちらもまた絶句顔で炎上車両を見ていた。

このあとは現代のお話です。

いろんな事実が徐々に明かされるんだが、ばっさりまとめるとこうである。事故のシーンで逃げてきたハダカ少年が主人公の男で、横で見ていた少年がペーターである。ペーターは目の前で両親が即死するのを目撃したわけだが、その後の彼の消息はわからずじまい。近くの滝に落ちて死んだということになったのだが、死体は確認されなかったそうな。

少年時代の男がなぜ森を走っていたかというと、虐待ママから逃げるためだった。男はからだじゅうに虐待の傷がある。だからあんなに不幸顔なのですね。ママのことを憎んでいたわけです。

男はペーターが生きていると信じている。男にだけペーターの姿が見えるからそう思うんだが、ときおり彼の前に現れる赤いフード姿がソレなんだが、幻影のようでもあり、映画を見ている私たちには、男は虐待されて狂ってるんじゃないか、じつは男は二重人格で自分でも気づかずペーターを演じているのではないかという印象もある。

女警官は男にペーターの死を納得させたいと考え、当時の事件の資料を見せる。ペーターが落ちたと思われる滝の下流で発見された靴を見せ「これで納得しろ」という。男はその靴を見てハッとする。その不自然さはパッと見わからないが、よく観察するとわかる。ヒモの結び方がだれかに結んでもらったような風なのだ。男は事故のときのことを思いだし、その後に起きたことを想像する。

男は虐待ママから逃げようと森を走っていて不幸な事故が起きたのだが、彼を追ってきたママは彼を逃がしたかわりにペーターを捕まえたのではないか。そしてペーターの死を偽装するために靴を滝壺に捨てたのではないか。ペーターは男の身代わりになって監禁虐待されたのではないか。そしてペーターはいまも生きてて、あの家に隠れて住んでいるんじゃないか。なんてことを推理するんだが、だれにも信じてもらえそうにない。男は黙っている。そうこうやってるうちに行方不明になってたカップルの死体が男のママの家から発見される。男の立場はわるくなり、たったひとりの味方だった女警官も男を疑うようになる。

さて、ペーターは本当にいるのか、あるいは男の妄想の産物なのか、という点に私たちの興味は集中するが、ラストでそれが明かされる。ペーターはいた。男の前に現れて、ケモノのような声を発した。何年も監禁されておかしくなってしまったのだろう。男はペーターを警察に渡したくない。なぜ彼がペーターをかばったのか、映画の中では明確には明かされないが、それは罪悪感だろうか。自分が道を飛び出したせいでペーターのパパママは死んじゃって、おまけに彼はヒデー目に遭ったわけだから。またあるいは、虐待された者だけが共鳴する複雑な感情があるのかもしれない。

男はワナワナと怯えるピーターに優しく声をかける。ふたりはペーターが自殺したことになっている滝に行く。結局、ペーターは悲しく投身自殺する。ぼくは生きててもしょうがないヨという調子。その後、男はやってきた警官に逮捕される。男が見た真実を語ってもだれも信じてはくれないだろう。おしまい。

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