2009/5/9 (Sat) at 3:17 pm

映画|豚小屋|Slaughter

暴力カレシから逃げたい不幸女がジタバタした挙げ句に、ズタボロ不幸人生まっさかさまに転落する気の毒ホラー。エイミー・シールズルーシー・ホルトデヴィッド・スターン。監督スチュワート・ホープウェル。2009年。

豚小屋 / Slaughter DVDDVD画像

エイミー・シールズ演じるフェイスちゃんは暴力カレシから脱出。人生やり直しの心機一転スタートするんだと親友キャシーに元気づけられてアトランタにやってきた。泣き笑い顔で「いっちょうがんばるぞ」と誓うが、ストーカー男の執拗な追跡は続くのであり、またもやアワを食って移動開始。こわい。気が重い。人生は思い通りに回らない!

こんどは町のバーで知り合った女の子のルームメイトになることにした。彼女はローラという。ふたりは姉妹のように仲良くなる。ここまでくればだいじょうぶだとフェイスは期待するが、もちろんコレで終わらない。ローラの家ってのが陰気な農家で、敷地内に薄気味悪いブタの屠殺場がある。ローラの家族はワケアリムードむんむん。デヴィッド・スターン演じる陰気パパと陰気アニキがときどき顔を見せるが、彼らはなぜか挨拶もしないのだ。遠くからジロリと粘着視線ビームを放つのみ。きもちわりー。

幸せのカケラを見つけたいと願う不幸女はとことんツキがなく、どんどんシンドイ目に遭い、挙げ句にショットガンを手にする気狂い女に追い回されるわ、ペンチで歯を抜かれるわ、わたしの人生ボロボロよ涙も出ないわもうかんにんしておねがいたすけてもういやああああ。気の毒すぎる。

Slaughter trailer

※感想

題名の『Slaughter』はミスマッチである(ブタの屠殺場からそうなったんだろうけど)。これだけ聞くと田舎町でシリアルキラーが出てきてウギャーという単調ホラーのような印象だが、そういうこともなく、わりあいにきちんとしたプロットがある。実話ベースの話らしいが、まぁそれはよくある宣伝文句で脚色がなされているんだろうけど、なかなかおもしろいではないかとノリかけたものの、後半15分はがっくし失速&破綻したように思われ。じつに残念であった。次に期待。

主要キャラの女性ふたりはいずれも不幸女である。ふたりとも美人なんだけど、hot chicksと呼ぶにはギリギリの見ため年齢である。日本のオミズ業界でいうところの『永遠の28歳』てかんじ。それがまた哀切感を上乗せしているよう。

以下よかったquotes。

暴力カレシの影に怯えるフェイスをローラがはげますところ↓

Lola: If it makes you feel any better, I keep a shotgun in my bedroom closet.
Faith: Is it loaded?

ふたりで心機一転がんばろうよと誓うところ↓

Faith: So what do you say? Are you interested in going with me?
Lola: Oh, fuck, yeah. Count me in. So when you thinking?
Faith: Oh, the sooner the better. All we gotta do is gas up my truck.
Lola: All right, well... here's to erasing all our past sins and making some new ones.
Faith: Yeah!

だれがだれにいったんでしょうか↓

Don't worry. This is gonna hurt me a lot more than it's gonna hurt you.

「ブタの歯はもっとかんたんだったのに!」なんてわめいてます↓

Fuckin pig's teeth were easier than this shit.

見終えてから思い返して見ると、いくつかの台詞はローラの過去を想起させる伏線になっているのだなと思われます。"erasing all our past sins and making some new ones" なーんてそういうことだったのですね。

SPOILER ALERT!!!!!
ネタバレ!

人生やり直しを願って、親友キャシーの助けを借りてアトランタに引っ越してきたフェイスは泣き笑い顔で「わたし、がんばるわ!」と誓ったものの、暴力カレシのジミーの執拗な追跡はおさまらず、ついに彼女のアパートを突き止められてしまったので、こんどはバーで友達になった女の子の家にルームメイトとして転がり込んだ。ローラという。

ローラの家はジョージアのド田舎にある農家である。広大な敷地内に彼女専用の家があって、そこでふたりは暮らしはじめるが、隣にはローラの家族、父、兄、弟が住んでるんだけど、彼らはなぜか挨拶もしないし、ローラは新ルームメイトを紹介することもしない。なにやらワケアリで娘だけが孤立している模様。ローラはその理由を話したがらない。フェイスとローラは姉妹のように仲良くなり、フェイスは「やっとわたしの人生はたのしくなってきたかな」と幸福感を覚えるが、徐々にローラのキチガイ性が露呈してくるとまた不安になる。

ざっくりハショる。

ローラは幼少時代に父親に性的虐待をされていたのであった。それが元でママは自殺した。という大トラウマを抱えるローラは男を憎悪する色情狂であり、しょっちゅう男をナンパしてはsex三昧に走るが、男はしまいにポイと殺される。陰気パパと陰気アニキは死体の処分をする係。陰気パパはかつて自分が行った行為への罪悪感からか、単に狂ってるせいか、娘のために死体を隠滅する。という凶行がえんえんと繰り返されていたらしい。

ローラはフェイスを拘束し、ペンチで歯を引っこ抜く。そして自分の歯も抜く。その横には陰気パパが拘束されていて、彼はもうすぐ首吊りさせられるのを待っている。なにをやるんだと思ったら、一家心中事件を偽装し、自分の身代わり死体としてフェイスを使うのだと計画を述べた。ショットガンで顔がわからないくらいに惨殺し、自分の奥歯を死体のヨコに置いておけば、警察はそれがローラの死体だと思うだろう。そしてローラは新しい自分になれるのだ。

という猟奇計画を実行中のところに、暴力カレシのジミーが乱入してきた。彼はフェイスの親友キャシーからこの場所を聞き出し、強引にやってきたところで、口から流血するフェイスを見ておののく。「おれのスケをいぢめたのはどこのどいつだー!!!!」と怒り狂ったが、ヒョイと捕まり、あっけなく死亡。

逃げては捕まり逃げては捕まりののちに、ローラは家族&関係者全員をブッ殺しました。おしまい〜。

暴力カレシがもう少しジタバタすればおもしろかったのに!

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原題: Slaughter
別題: Daimoniki sarka
Faithless
邦題(カタカナ): 『豚小屋』
制作年: 2009年
制作国: アメリカ
公開日: 2009年1月9日 (アメリカ) (After Dark Horrorfest)
2009年3月31日 (アメリカ) (DVD)
2009年4月17日 (アメリカ) (Tallahassee Film Festival)
2010年2月10日 (日本) (DVD)
imdb.com: imdb.com :: Slaughter
監督
脚本/原案
出演
プロデュース
音楽
シネマトグラフィ
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