映画|モーテル|Vacancy

ネタバレ注意！ネタバレ注意！ネタバレ注意！

物語

深夜の山道をドライブするカップル。夫が道に迷い、エンジンルームから異音がする。妻は長旅で疲れちゃってイライラときげんが悪い。走り続けていったらポツンとスタンドがあった。そこにいたアンちゃんは親切そうであり、エンジンの調子を見てくれて、正しい道を教えてくれた。少しきげんが直ったふたりはドライブ再開。親切アニキに礼をいって先を急ぐが、エンジンが直ったどころか壊されちゃったようであり、寂しい山道で止まってしまう。ふたりは文句をいいつつ、山道をトボトボ歩いてスタンドに戻ってきた。アンちゃんはもういなかった。スタンドの前に陰気なモーテルが一軒ある。妻は「ここはきもちわるいからヤダ」と不安がるが、夜だし、行くアテもないし、疲れちゃったし、車を修理してくれるひともいないから一晩泊まることにした。

モーテルのマネージャーは不気味なニタニタ男であり、部屋は薄汚い。トイレもシーツも汚い。ゴキブリがゴソゴソ這い回る。夫がテレビをつけたら映らない。ビデオがあったのでかけてみた。スナッフビデオであった。メッタメタに惨殺するシーンが出てきて気分が悪くなる。そしてその映像の中の部屋がいま自分がいる部屋だと知ってゾゾゾと怖くなる。ドンドンと壁を叩く音がする。

「ナンだよコレ！」「だからヤダっていったじゃない！」とパニクるふたり。もう遅いよ、イッヒッヒ。このモーテルは変態殺人ビデオマニアが仕掛けたワナなのだ。外にはいつのまにかマスク姿の不気味なキラーたちがウヨウヨ出てきた。殺人者たちは逃げ場を失ったふたりを弄ぶようであり、恐怖を体験させることこそが彼らの娯楽であるようだ。モーテルのマネージャーはスナッフビデオのマニアで、秘かに人々を惨殺し、映像を撮影し続けていたのだ。電話はつながらない。武器もない。ここはド田舎の山の中だ。だれかがフラリと通りがかる可能性はゼロに近い。てわけで、殺人者たちと闘って自力脱出するか、生け贄となるかのどちらかしかないのであった。こりゃ怖〜。

感想

ヴァイオレンス・イズ・ビューティフル。チビリそうになりました。いやほんと。ヒッチコックの『サイコ』みたいです。田舎の薄汚いモーテルで気狂いに追いかけ回されるというミニマムがつくりが好感持てます。モーテルの地下に秘密のトンネルがあるなんていう独創的なシカケも好感が持てます。閉所恐怖症のひとはショック死するかもしれません。

キラーにしてみれば相手はだれでもいいんでしょうね。恐怖に怯えるビデオを撮れさえすればいいっていう身勝手な動機。殺す理由が身勝手だからこそ怖いんですよね。冒頭の親切アニキのシーンはなくてもよかったような気がしました。山道で迷っていきなり殺人モーテルにウェルカムていうノリの方が個人的には好きだったりしますが、まぁ、どっちでもいいか。残虐シーンは思ったほど多くないですが、前半はチビリつつの緊迫感で、後半はズズズズズガーとヴァイオレンスです。ビッチビッチと叫んでブン殴るビデオマニアが狂ってます。このモーテルがまた汚いの！やっぱりバスルームはカビのはえたタイル張りがイイですね。

冒頭のスタンドのアンちゃんはグルだったんじゃないかと私は思っていて、ワザとエンジンを壊してああなるように仕向けたと私は見たのですが、もしかしたらそうじゃないのかもしれません。ほんとに親切なひとだったのかも。ま、どっちでもよいのですが。

あと映画の内容とは関係ありませんが、オープニングタイトルのムービーのタイポグラフィが良いセンスだなと思いました。デザイナーの方はネタ探しによいかもしれません。

恐怖に怯える妻役はケイト・ベッキンセイルが演じていますが、この配役は当初、サラ・ジェシカ・パーカーを想定していたそうです。

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