映画|メタル・トランスフォーム|Iron Invader

ここはどっかの田舎町。

ロシアの衛星の破片らしきもんがドッカーンと空から落ちてきた。これを拾ったのが、お人好しの兄弟コンビ（カヴァン・スミス + ポール・マクギリオン）で、彼らは「こりゃすげーなあ」つって、町のガラクタ屋のオッチャン（ドネリー・ローズ）のところに持っていったら、800ドルで売れて喜んだ。

余談だが、ドネリー・ローズといえば『BSG』のコトル医師である。タバコをスパスパ吸いながらギャラクティカのクルーの健康を守っていた彼は、その後、こんな田舎町に隠れてガラクタ遊びをやっていたんですね。いや、もちろん他のドラマにも出てます。冗談ですよ。

さて、この宇宙から飛来した落下物には、金属に反応する変なバクテリアがくっついていたという点をだれも知らなくて、たまたまそこにあった、オッチャンが趣味でつくったガラクタのロボ（本人は得意げに『ゴーレム』と呼んでいた）に付着する。ロボがガオーと動き出して、人間を襲いだす。うわあ。たいへんだ。

カヴァン・スミスのロマンス相手役に『DS9』のニッキー・デ・ボア。昔と変わらずきれい。彼女はながらく故郷を離れていたが、結婚 → 離婚ののちに戻って、高校時代のカレシであるカヴァン・スミスと16年ぶりに再会。ふたりはじわーんとする。てのはSyfy Originalのいつものパターン。

ニコールさんには年頃の娘がいて、こちらはメリット・パターソンが演じている。彼女は『Kyle XY』にチョイ役ゲスト出演していたし、最近はジョー・ダンテの新作『THe Hole』にも出てきてノリノリ。

ガラクタ屋オヤジの孫の小僧少年にジェシー・モス。デブのバーテンにクリス・ゴーシャー（『Eureka』のヴィンセントさん）。町の保安官代理にチェラー・ホースダル。といったみなさんが出演します。

Sneak Peek動画

感想

このロボってのは、ガラクタ芸術家がつくったターミネーターかセンチュリオンみたいな外観で、すごく大きいです。上のsneak peekを見るとどんなもんかわかります。

材料はガラクタだから、クルマで体当たりをしてやれば簡単にバラバラになっちゃうんだが、破壊されてもパーツがゾロゾロ動いて集まって、ヒョイと復活しちゃう。バクテリアが本体なので、それくらいじゃ死なないのですね。合体していくところは安っぽいトランスフォーマーみたい。

んで、コイツはアグレッシブに人間を襲うんだが、金属好きなので人間の血液の鉄分に反応して追いかけてくる。血液中の鉄分を吸い取って即死させるという必殺ワザを持っている。じつに危険なヤツです。てか、鉄が欲しけりゃ、そこらじゅうにもっとあると思うんだけど、なぜか人間を目の敵にしてきやがるの。

なんて説明をすると「スゲーじゃん！」と期待するひとがいるかもしれないが、そうたいしたもんではありません。グニュグニュ動くバクテリアは緑色の絵の具みたいでした。

破片が動いて襲ってくるところは『ダスク・オブ・ザ・デッド (2008)』のトゲトゲ寄生バケモノみたいだなって思いましたけど、いかんせん、安っぽいのが辛いところです。設定はおもしろいのにね。テレビ映画だからこんなものかなあ。

最後には、このバクテリアの弱点がわかって退治できるんだが、アホみたいなオチでした。たくもう。

SyfyのブランドメッセージはImagine Greaterというものですが、これはもちろん「想像力を超えた迫力の映像体験をお届けしますよ」というSyfyの企業メッセージなんだろうけど、Syfy Originalに限っていえば、

「あなたの想像力をフルに発揮して、映像のショボさを脳内で補って楽しんでください」

という意味じゃないかと、私はおもうのですね。そう考えると、Imagine Greater! てのが妙にしっくりきませんか。

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