2009/12/15 (Tue) at 10:30 pm

映画|鮮血の美学|The Last House on the Left

カワイコちゃん2名がギャングにさらわれてウギャー!優しいパパママの復讐心がメラメラ〜!チンピラめ、ゆるさん!ウェス・クレイヴンの初監督映画。サンドラ・カッセル、ルーシー・グランサム、デヴィッド・ヘス、フレッド・リンカーン、ジェラミー・レインマーク・シェフラー。監督ウェス・クレイヴン。1972年。

鮮血の美学 / The Last House on the Left DVDDVD画像

2009年リメイク版のレビューはこちらです↓

The Last House on the Left (2009)

SPOILER!!!!
最後までネタバレしてます!

田舎に住む2名のキャピキャピギャルがヒャッホーと夜のコンサートにでかける。優しいパパママは娘が不良になっちゃうんじゃないかと大心配だが、それでも娘を信じているので優しく送り出してくれる。今日は娘の誕生日で、パパは別れ際にプレゼントのネックレスをくれました。親の気持ち子知らずでございます(村西とおる風)。

さてNYに着いた娘たちは都会の空気を吸ってワーイと喜ぶ。アイスクリームを食ってたまではよかったが、「ハッパでもやってみよう!」なんつってヤバいところに首を突っ込んだばかりにヒデー目に遭う。後悔してももう遅い。若い娘はすぐこれです。

ギャル2名を捕まえたのは逃亡中のギャングチーム4名で、夜道でいちばん出会いたくタイプの連中なのであった。刑務所の護衛を殺して脱走したばかりの凶悪犯罪者、その情婦、息子、子分というメンツ。こんな連中にしてみれば、田舎ギャルをさらうなんざお手のものであり、じつにまったく笑いが止まらない。「シャバに出てきたと思ったらこんなごちそうが向こうからやってくるなんてたまんねーヨ」という台詞はなかったが、まぁそんな調子で、いたぶられて、オモチャにされ、車のトランクに放り込まれた。ギャングたちはカナダに逃げたいんだが、山道で車がエンコする。しょうがねえやと歩いて森に入る。ギャルも連れ回されて、レズショーをやらされて、逃げようとしたんでホイと殺害。お嬢様キャラの方はレイプされる。深く傷ついたお嬢様は身も心もズタボロで入水自殺。しようかと思ったら、無慈悲なギャングは彼女が溺れて死ぬのを見たくなかったのか、ズダーンと射殺。ギャル死亡。

わるもんどもは遊び終わった子供のようであり、あーおもしろかった、そろそろいくべと立ち上がる。スッキリ顔で移動開始。といっても車が壊れたまんまなので、とりあえずという調子で近くの家に行く。親切な夫婦がすんでいた。わるもんは男も女も服を着替えてカタギのフリをしている。「夜分に恐れ入ります」なんつって言葉巧みに入り込み、一晩泊めてもらうことに成功した。彼らはこの親切夫婦を殺して金品を奪って逃げるつもりだったと思われるが、なんとここはついさっきレイプして殺したお嬢様ギャルの家なのだった!親切夫婦はお嬢様ギャルのパパママで、彼らは娘が帰ってこないもんだから一睡もできなくてオロオロしてたのだ。

パパママは不意の来客を気の毒に思って泊めてあげることにしたんだけど、やがて彼らの正体を知る。こいつらは愛する娘をオモチャにして殺したと知ったんで怒り爆発。後半クライマックスは復讐の嵐〜。善良ママはお色気マダムのトラップでナイフ使い男を誘いだし、チンコを食いちぎる!善良パパはチェーンソーを振り回してズダーン!というエンディングで幕を閉じますが、さてこのあいだポリスはなにをやっていたかというと、お茶目な田舎警官コンビはガス欠で動けなくなり、山道をトボトボ歩いてニワトリのトラックに乗せてもらおうとジタバタしていたという気の抜けたサイダーのようなギャグシーンがときおり挿入されました。

The Last House On The Left (1972) trailer

※感想

ウェス・クレイヴンの『鮮血の美学 (The Last House On The Left)』がさいきんリメイクされたんで、それを見る前に昔のヤツをチェックしてみました。いちど見たと思うんですが、ほとんど忘れていたので新鮮なきもちで見れました。懐かしいムードの70年代ホラーですが、なんだか演出に唐突感がありますねこの映画は。楽しげな音楽が急に流れたりとか。これはなんなのだ!というかんじでおもしろい。いちばんへんだなーと思ったのは、わるもんがお嬢様をレイプしたあとのシーンです。深く傷ついた娘は神様にお祈りをするのですね。わたしはもうだめ!けがされてしまった!と悲しみのひとになる。悲しい音楽が流れる。彼女は逃げる気力もなく、すすーと歩いて自分から池の中に入っていく。入水自殺をするんだなと私たちにもギャングにもわかるわけですが、これを見るわるもんが反省顔をするんですよね。彼らは冷血人間のはずなんだけど、妙に神妙顔となり、あーあーという調子で、娘の動きを見守る。このシーンは私にはとてもシュールに見えちゃって、なんだかここだけジム・ジャームッシュになっているではないか!と思われました。そのあとわるもんは「ええいくそっ」という調子でズダーンと射殺します。お岩さんを殺した直後にイエモンが陥った複雑心理みたいなものでしょうか。

ところでこの映画は、ウェス・クレイヴンがイングマール・ベルイマンの『処女の泉』から着想を得てつくったそうですが、私はそっちは見てないのでよく知らないのですが、アルド・ラドの『暴行列車』にも似てますね。これは1975年だから『鮮血の美学』の少しあとですか。アイリーン・ミラクルがよかった。以前レビューを書いたのでよく覚えています。コレです↓

暴行列車 (Torture Train)

ベルイマンは偉大なので、たくさんの映画監督に影響を与えているのですね。そしてその系譜を受け継ぐ最新作が2009年の『リメイク版The Last House On The Left』てことですか。これから見ようと思います。楽しみです。

リメイクのレビューはこちら↓

The Last House on the Left (2009)

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Wes Craven's The Last House on the Left
邦題(カタカナ): 『鮮血の美学』
制作年: 1972年
制作国: アメリカ
公開日: 1972年8月30日 (アメリカ)
1973年6月20日 (イタリア)
1987年11月7日 (日本)
2004年11月4日 (オーストラリア)
imdb.com: imdb.com :: The Last House on the Left
監督
脚本/原案
出演
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音楽
シネマトグラフィ
編集
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Makeup

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