パペット・マスター - トゥーロンが秘術を得た経緯についての考察
トゥーロンがパペットに生命を吹き込む秘術をいかに得たか、またそれはどのようなものかという点についての考察。この謎を解くヒントは、シリーズ1〜8のあちこちのシーンに点在する。
シリーズ第9作『パペットマスターと悪魔のオモチャ工場 / Puppet Master vs Demonic Toys (2004)』だけはScifiが制作したヤツで、設定があまりに違いすぎるんで、このエントリでは無視します。1〜8の中からヒントになるところを書き出して、私なりにまとめてみたのですが、なんか違ってたらバシバシご指摘ください↓
1.『パペット・マスター / Puppet Master (1989)』にてトゥーロンがジェスターに呪文を唱えるシーン
トゥーロンは自殺する直前、ジェスターに呪文を唱えた。"Life... upon my life." とつぶやくとジェスターは動きだした。コレだけ見れば「人形に生命を吹き込んだ」というシーンに見えるが『パペット・マスター3 ナチス大決闘 / Puppet Master III: Toulon's Revenge (1991)』では1940年代においてすでにジェスターは動いていたので、これは「寝ていたパペットを起こした」という風に考えるのが妥当だろうと思われ。
2.『パペット・マスター2 / Puppet Master II (1991)』の魔法ジュース
トゥーロンはパペットたちに命じて人間の脳ミソを集めさせ、それを元に魔法ジュースをつくった。そのジュースは自分と妻を等身大パペットとして蘇らせるために必要なものだったのだが、パペットたちの食料にもなるというような演出があった。また映画の冒頭で、パペットたちがトゥーロンを蘇らせるシーンにおいてもピンヘッドが墓場に液体を注いでいた。これも同じものと思われる。
3.『パペット・マスター2 / Puppet Master II (1991)』の回想シーン
1912年。エジプト、カイロ。ドサ回りの人形師、アンドレ・トゥーロンは妻エルサと共にエジプト、カイロにおいてパペットショーを行っていた。そこに怪しい男が現れる。男の目が光ったら、パペットたちは燃えてしまう。その後、その男はトゥーロンに接近し「人形を動かす方法を教えてあげる」と申し出る。トゥーロンは「わたしはアーティストであり、魔術師ではない」と辞退したが、エルサの強い希望でそれを教わった。
※1912年というのはポスターにそう書かれてあったからなんだが、1926年説もある。詳しくはこのページの『まとめ』のところをお読みください。
4.『パペット・マスター3 ナチス大決闘 / Puppet Master III: Toulon's Revenge (1991)』の緑の液体注射
1941年。ドイツ。ナチス時代の話。トゥーロンはパペットたちに緑色の液体を注射していた。これがパペットに生命を吹き込む秘密であると同時に、パペットたちにとっての『食料』になるらしい。定期的に注射をしないとだめなもんらしいです。
5.『パペット・マスター3 ナチス大決闘 / Puppet Master III: Toulon's Revenge (1991)』のトゥーロンとヘス博士との会話
同じくナチス時代の話。トゥーロンの緑色の液体注射を知ったヘス博士は同じように注射してみたんだが、結果が安定しない。彼はトゥーロンに「パペットを動かすには緑色の液体だけではだめなのか?」と質問した。これに対し、トゥーロンはパペットたちの由来を明かし「彼らに共通するのは『生きたい』という強い意志があったという点です。これはラボでつくれるものではない。人間の精神なのです」と回答した。
6.『パペット・マスター4 最強の敵 / Puppet Master 4 (1993)』のスーテックの台詞
この秘術は地獄の王様スーテックが独占所有したものであったと明かされた。怒るスーテックが「くそったれ魔法使いが盗みやがったもんで人間の手に渡ってしまったのだ!あー、くやしい!」という台詞を述べていたので、そういうことかとわかった。
7.『パペット・マスター4 最強の敵 / Puppet Master 4 (1993)』の緑色の液体注射
リックがボデガ・ベイ・インの物置倉庫において、トゥーロンが残したトランクを発見する。その中からパペットたちと注射セットが出てくる。注射をしてみる。パペットたちが動きだす。この液体は 4) と同じものと思われ。
8.『パペット・マスター5 最終戦争 / Puppet Master 5: The Final Chapter (1994)』でリックがゲットした公式
ローレンはチャネリング能力を持つサイキック。病院で寝ていた彼女はボデガ・ベイ・インでトーテムと闘うリックにメッセージを送った。映画の中で公式が出る。それを見ても私にはチンプンカンプンなんだけど、リックには理解できたようであり、それをヒントにデカピトロンを復活させ、敵を撃退した。
9.『Retro Puppet Master (1999)』におけるアフゼルとトゥーロンの出会い
1902年。パリ。トゥーロンはエジプトの魔法使いアフゼルと出会ってパペットに生命を吹き込む秘術を教わる。この映画では、指輪を使う方法であった。大きな指輪を手にはめて拳を握ると針が出る。それを人間の死体の首に刺す。抜く。その針をパペットに刺す。呪文を唱える。すると人形が動きだす。というやり方なんだが、『パペット・マスター3 ナチス大決闘 / Puppet Master III: Toulon's Revenge (1991)』他で出てきたような緑色の液体注射は出てこなかった。アフゼルは「この指輪自体には大した意味はない。だいじなのは人間の魂」と教える。呪文は「にーく、ならかー、あらくまん、らるふぁらー」。ヘブライ語?
まとめ
『Retro Puppet Master (1999)』によれば、トゥーロンは1902年のパリでアフゼルから秘法を伝授されたということである (9)。でもそれだと『パペット・マスター2 / Puppet Master II (1991)』の回想シーン (1912年カイロ) はなんだろうかという疑問がわく (3)。
結論からいうと、1912年の時点でトゥーロンはすでに秘術を知っていたのだが、それはアフゼルに教わった指輪を使うヤツなんだが、このやり方でパペットを蘇らせても長続きはしないもんらしい。定期的に『食料的なもの』を与える必要がある。食料とはつまりシリーズの中であちこちに出てきた緑色の液体注射なのではないか。トゥーロンは1912年にカイロでそのレシピを教わったのではないか。そう考えると筋が通るかなと。
と考えたのはWikipediaに「アフゼルの指輪を使う方法に代わる別の秘法を教わった」と書かれてあったからなんだが↓
It's 1926, and Andre Toulon (Steve Welles)'s puppet set has been burned down. He and his wife Elsa (Elizabeth Maclellan) are introduced to a Cairo Merchant (Ivan J. Rado), who in fact happens to be the one who burned down the set. He claims to Toulon that there's another way of reanimation. He offers Toulon to buy the formula instead of using Afzel's Egyptian ring to bring puppets to life. Toulon and Elsa agree to buy it. Wikipedia - Puppet Master: The Legacy
Wikipediaの人はなぜこんなことを知ってるのか謎である。ただの推測だろうか。あるいはどこかに出典があるのだろうか。
ところで、上に引用したWikipediaの文章では、カイロのシーンが1926年であると表記されている。回想シーンで出てくるポスターには『1912年』と書かれてあるんだが、その後の『パペット・マスター3 ナチス大決闘 / Puppet Master III: Toulon's Revenge (1991)』では、1941年時点のトゥーロンが「15年前にエジプトで〜」と発言するシーンがある。1941年の15年前は1926年であり、ポスターの表記と矛盾する。これもこのシリーズによくあるplot holeのひとつであろうと思われ、Wikipediaの人はトゥーロンの台詞を優先したのだろう。
【疑問】緑色の液体はなんであるのか?
わからない。2) の魔法ジュースと同じかもしれないし、ちがうかもしれない。『パペット・マスター2 / Puppet Master II (1991)』以外の映画で人間の脳ミソを使うという設定はなかったのでちがうだろと思うんだが、『パペットたちの食料になりえる』という点は同じなので迷ってしまう。
てわけで、がんばったんだけど、結局、よくわかんなかったのですね。すません。あー、疲れた。
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