2013/3/6 (Wed) at 9:52 pm

Battlestar Galactica: Blood & Chrome

SyfyのTVシリーズ『バトルスター・ギャラクティカ (2004-2009)』のプリクェルであり、『Caprica (2009-2010)』のその後の物語。2012年。

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First Cylon War(第1次サイロン戦争)勃発10年後。

ルーキーパイロット、ウィリアム・アダマ(Luke Pasqualino)は優秀な成績でアカデミーを卒業し、ギャラクティカに配属される。若きアダマは攻撃スピリッツあふれる若者であり、「トースターどもをブッ殺してやるぜ」とやるきまんまん。

ところが、彼はバイパーに乗せてもらえず、ラプターを操縦してmilk run(つまらない荷物運び)をやれと命じられてムッとする。行って帰ってくるだけの単純仕事。

それだけでも腹が立つというのに、彼がコンビを組まされる相手はCOパイロットのクーカー(ベン・コットン)というのだが、これが酒飲みの汚いオッサンで、アダマのことをHuskerと呼んでコバカにする。あー、あたまにくる。

コンビが出発前のチェックをやってるところに、ベッカ・ケリーという女技術者(リリ・ボーダン)がやってきた。彼女もいっしょに乗せていく命令だという。ラプターは3人を乗せて出発した。

ところが、ラプターがギャラクティカのDRADISレンジを離れると、ベッカさんがしゃしゃり出てきて、命令書を出し「このランデブー地点に行きなさい」といいだすではないか。戦艦Archeronに合流しろというんだが、そこはサイロン支配域に近い危険ゾーンである。

じつは、今回の任務は、艦隊上層部しか知らない極秘作戦だったのであります。ベッカは元グレイストーン・インダストリーズの技術者だった。アダマとクーカーは彼女に全面的に従うように命じられる。アダマは「ヨッシャいくぞ」と喜ぶ。クーカーは「そんなのヤダー」と泣き言をいう。

3人を乗せたラプターは危険地帯をずんずん進み、サイロンレイダーに追っかけられるが、アダマの機転でピンチ脱出。その後、意外なひとたちの助けを得、多大な犠牲を払い、宇宙の辺境に位置する小さな星に到達。雪山を進み、センチュリオンを相手に闘い、サイロンの施設に潜入。人類の勝利を決定づける必殺大作戦に挑むのである。

残念ながらテレビシリーズはナシ

Battlestar Galactica: Blood & Chrome』は2012年11月-12月にかけて、全10話のウェビソードがオンライン公開された。こちらで観れます↓

その後、2013年2月10日、Syfyでオンエアされ、続いて、2月19日、Blu-RayとDVDが発売された。私も買った。コレ↓

皆さんご存知の通り、当初はシリーズのPilotとして制作されたが、途中で雲行きが怪しくなり、Syfyは「TVシリーズはナシ」と発表。世界のBSGファンを落胆させた。あー。残念だったですなあ。

感想

この映画自体はいいんだが、「もうシリーズはやらないよ」とわかった上で観ているので、複雑なきぶんであります。

I guess... the mission is NOT accomplished yet!!!!!

Huskerといえば、思い出すのは、Mini-Seriesのあの場面です。ギャラクティカの引退セレモニーで『Husker』のプレートがついたバイパーMarkIIが登場する。チロル以下ハンガーデッキの連中が、古いバイパーをリストアして、アダマにプレゼントしたんですよね。アダマはそれを見て感動する。懐かしいあの場面をご覧頂きましょう。

おー。バイパーMarkII!
バトルスター・ギャラクティカ

感動するアダマ
バトルスター・ギャラクティカ2

HUSKERのプレートに喜ぶアダマ
バトルスター・ギャラクティカ3

セレモニーではそのバイパーを息子アポロが操縦する。彼はロズリンのエスコートをする。おきらくムードのさなかで、人類はいきなり大ピンチになる。Cylon attack is under way!

Mini-Seriesのアダマのスピーチは何度見ても泣けます。「自分の隣にいるヤツを見ろ」っていうんだよね。いいなあいいなあ。このシリーズ、またやってほしいなあ。ほんとにやらないの?なにかのまちがいじゃないの?

ちょと追記。「自分の隣にいるヤツを見ろ」てのはMini-Seriesじゃなかった。あれは、どこだか忘れてしまったが、別のトコでした。すません。追記以上。

うだうだいってもしょうがないので、Blood & Chromeの感想を書きます。

アクションよかった。古いレイダーやセンチュリオンもよかった。ドラマとしてもまずまず。熱血ルーキーのアダマはこのミッションを通じ、自分が信じていた単純なヒーローなんてこの世にはいなかったという点を知らされる。これにはいくつかの伏線があった。彼が憧れるバイパー乗りのマイク・ドプドの台詞やら、ベッカさんが明かしたEzra Barzelの真実など。

ベッカなる女技術者の任務が意味深だった。彼女はコンピュータウィルスを持ってて、そいつをサイロンのネットワークに仕込んで、敵の防御システムを無効化してやれっていう話なんだが、これって、BSGでサイロンが人間に対してやったのと同じパターンではありませんか。だからなにか意味深だなって思った。ウィルスを仕込む手順は違うし(あちらではバルターが利用された)、その結果も異なるのですが。

あとさ、クーカーなる男、アダマのコンビ相手であり、彼にHuskerというnickを与えた男がピアノを弾くシーンがあった。酒飲みのガサツ男がピアノをポロロンと弾くだけでも驚きだが、ピアノといえば、思いだすのはキャラ・スレースです。私は、あのシーンであの曲(キャラがパパに教わった曲)を演奏するのかと思ってスゲーどきどきしたんだが、ちがってた。なんだ。期待したのに。どうしてわざわざ彼がピアノを弾くシーンを入れたんですかね。

BSGでおなじみの俳優さんが何人か出てきました。もちろん時代が違うので、役どころは違います。

Narchoでおなじみのセバスチャン・スペンスがこちらでもバイパーパイロット。『Caprica』からブライアン・マーキンソン。彼はギャラクティカの艦長。

ジル・ティードも出てきた。彼女はBSGでは、tribunalをやれと命令され、その通りにがんばるんだが、アダマは自分が尋問されると「こんなのは魔女狩りだ!もういい!」つって怒りだしちゃったんだよね。あのときの彼女はいぢわるババアだったとはいえ、単に命令通りにやっただけではないか。という気もしてちょっとかわいそうでした。そんなコッパ役をやってた彼女が、こちらでは戦艦Osirisの女艦長。ずいぶん出世したなと思ったら、悲劇的な自己犠牲をやる。なかなかすごい。

そしてあのケリー。Old Manの忠実なる部下だったが、サイロン憎しのあまりに道を誤り、反乱の一味になり、と思ったら、またまたOld Man側につくというケリーさんを演じたタイ・オルソン。彼はこちらではジル・ティード演じる女艦長の忠実部下でした。

トリシア・ヘルファーは声だけ出演。Are you alive?をまたやってくれます。なつかしいなー。

と、まァ、この映画を観ていると、どうしても前作が頭に浮かんでしまい、ノスタルジーなきぶんに浸ってしまうのだが、果たしてこれが新シリーズのpilotとしてどうかというと、やはり残念ながら弱いと思う。

『ルーキー時代のアダマを描く』という点ではオッケーなんだが、ギャラクティカがぜんぜん出てこないんだよね。そこがつまらないってことはないが、初めてMini-Seriesを見たときのような感動がない。あれを超えるものを持ってこないと、NBCのえらいひとは納得してくれないんじゃないですかね。

あと、この映画にはロナルド・D・ムーアがまったく関わっていない。なぜそうなったのか私は知らないけれども、彼がいないBSGってのはだめなのではないかなあ。

Battlestar Galactica: Blood & Chrome (2012)』はポシャッちゃったが、いつかまた、別の形でBSGの新シリーズを見れる日が来るんですかね。くるといいなー。

最後にひとつ。私は『Caprica』を好きだったよ。続けてほしかった。あれがああなっちまったのがそもそもの不運だったと思う。

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