2008/10/17 (Fri) at 12:32 pm

映画|ミッドナイト ミート トレイン|The Midnight Meat Train

深夜の地下鉄列車に現れる無口冷血残虐非道のシリアルキラー。肉用ハンマーで後頭部をズダーン。目玉がボヨーン。ブラッドリー・クーパーヴィニー・ジョーンズレスリー・ビブ。監督北村龍平。原作クライヴ・バーカー

ミッドナイト ミート トレイン / The Midnight Meat Train DVDDVD画像

ここはNY。主人公レオンは若手の写真家で愛する恋人と同棲中。レオンの被写体は『街の人々』である。NYの街をほっつきあるいて、一般ピープルの写真をパシャパシャ撮るということをしょっちゅうやっている。彼は偶然にシリアルキラーの存在を知る。

そのキラーは毎晩深夜の地下鉄に現れてひとを殺す。食肉処理用のヘビーなハンマーでズダーン。血飛沫ドバー。目玉がボヨーン。大迫力スプラッターざんす。キラーは毎晩のようにそれをやってるんだけど、なぜかその証拠は完全に隠蔽され、犠牲者たちは行方不明者として処理されている。

レオンはよせばいいのに、単独調査を開始する。有名ギャラリーで作品展をするっていう話がきてるのに、写真家デビューの大チャンスなのに、仕事ほったらかし。狂気にズブズブハマっていく。

気弱キャラのくせに好奇心だけは人一倍。危険なことに首を突っ込んであとになって大後悔。もう遅いよーひぃい。やめときゃよかった。というのは、レオンを演じるブラッドリー・クーパーが、かつてテレビドラマの『エイリアス』で演じたウィルに通じるものがある。

ブラッドリー・クーパーは、気弱キャラと正義感が混在するような普通男を演じるのがじつにうまい。並の俳優がこの種の役柄を演じると、観てるほうは「こいつバカじゃね」と思うばかりで映画にノリきれないと思うんだけど、彼が演じるとなぜかハラハラしちゃうんですよね。どこかどう巧いのかわかんないんだけど、これが演技というものなのだろう。ナイスキャスティング。

やがて追ってるつもりが追われるハメになり、きれいで優しい恋人も巻き込まれてしまうのであり、壮絶ラストまで一直線。グロ死体がズラリと吊るされた車内でハァハァ。うぎゃーーーーー。最後には殺人列車の意図が明かされます。なかなかおもしろいよ!

レオンもいいが、キラーのマホガニーを演じたヴィニー・ジョーンズのブキミキラーぶりもawesomeである。年齢50代くらい。大柄でがっしりした体つき。潔癖性かと思えるような身ぎれいななりをしている。常にスーツ着用。無口。無表情。殺しの道具を入れた古めかしい皮カバンを常に持ち歩いている。パッと見、セールスマンみたい。これがハンマーをズダーンと振りおろす瞬間は、ホラーファンならオーイエーとガッツポーズしちゃうところだ。オーイエーの連発ですよ。オーイエー。

北村龍平監督はこの映画をつくるにあたり、クライヴ・バーカーと大ケンカしつつ、オレ様手法でやったと報じられていたが、ケンカしようが仲良くやろうが、ファンにはどっちでもいいのだけれど、この映画はおもしろかった。ビッグネームがクレジットに並んでいると「期待した割にはハズした」というのがけっこうあると思うんだけど、これは期待通り!観てヨカッター。いいもん観たー。

クライヴ・バーカーの小説は悪夢の中に悪夢が立っているという雰囲気で、文章を読んでいると脳内にバーカー先生が作出した異世界がぼわーんとたちあがってくるような恐さがある。視覚的な文章であると同時に、読者のイマジネーションを喚起する。こういう作風の小説だから、映像化しようとした場合、ディレクションの意図によって無限の可能性が出てくるんじゃないだろうか。読むひとによっていろんな視覚イメージを想像するだろうなぁという意味です。

その他の出演者は、テッド・ライミブルック・シールズ等。テレビドラマの『プリズンブレイク』でラング捜査官を演じているバーバラ・イヴ・ハリスが刑事役で出てました。あと、冒頭のチョイ役で出てくる日本人の女の子は、imdbでみたらば、Noraていう女優さんで新潟生まれと書いてあるからほんとに日本人みたい(よく知りませんが)。出演作は少ないですが、これからまたどっかでおめにかかるかも。

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原題: The Midnight Meat Train
別題: Midnight Meat Train
Éjféli etetés
Clive Barker's Midnight Meat Train
Dehset treni
El tren de la medianoche
El vagón de la muerte
Kesköine liharong
Nocny pociag z miesem
O Último Trem
O Comboio dos Mortos
Ponocni vlak smrti
Prossima fermata - L'inferno
Pulnocní vlak
To treno tou mesyhtiou
邦題(カタカナ): 『ミッドナイト・ミート・トレイン』
制作年: 2008年
制作国: アメリカ
公開日: 2008年7月19日 (カナダ) (Fantasia Film Festival)
2008年8月1日 (アメリカ) (limited)
2008年8月7日 (ロシア)
2008年8月14日 (ドイツ) (Fantasy Filmfest)
2008年8月21日 (韓国)
2008年8月23日 (イギリス) (Frightfest)
2008年8月28日 (ドイツ) (Nuremberg Fantasy Filmfest)
2008年10月9日 (カナダ) (Edmonton International Film Festival)
2008年10月18日 (イギリス) (Gorezone's Weekend of Horrors)
2008年10月31日 (イギリス)
2009年1月31日 (フランス) (Gérardmer Film Festival)
2009年2月17日 (カナダ) (DVD)
2009年2月17日 (アメリカ) (DVD)
2009年2月19日 (オーストラリア)
2009年4月1日 (フランス) (Lyon L'Étrange Festival)
2009年5月20日 (イタリア) (DVD)
2009年6月11日 (スペイン)
2009年7月9日 (フランス) (Paris Cinéma)
2009年7月29日 (フランス)
2011年3月18日 (日本) (DVD)
imdb.com: imdb.com :: The Midnight Meat Train
監督
脚本/原案
出演
プロデュース
音楽
シネマトグラフィ
編集
キャスティング
プロダクション・デザイン
アートディレクション
セット制作
衣装デザイン
視覚効果(Visual Effects)
特殊効果(Special Effects)
Makeup
謝辞
  • ミッドナイト・ミート・トレイン The Midnight Meat Train - 映画って面白いですね。

    英語版 「ミッドナイト・ミート・トレイン」(The Midnight Meat Train)は2008年のアメリカ映画。原作はクライヴ・バーカーの同名短編小説。北村龍平監督作品。スラッシャー映画。 地下鉄で起こる謎の失踪事件を描いたホラー映画です。車社会のアメリカで、電車が走っ…

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