2007/11/20 (Tue) at 2:04 am

映画|ホステル2|Hostel: Part II

ホステルの続編。殺人拷問秘密クラブの全容が明かされる。監督イーライ・ロス。制作クエンティン・タランティーノ

ホステル2 / Hostel: Part II DVDDVD画像

ホステル2では謎の秘密クラブ『エリート・ハンティング』の仕組みが明かされた。流れとしてはこんなかんじである。バックパッカーの集まるホステルに極上の『商品』が入荷すると → フロントのアンちゃんがボスに報告 → パスポート写真が世界中に散らばる金持ち顧客のPDAへと一斉送信 → セリが始まる → セリ落とした者が獲物をゲット → 専用ジェットでスロヴァキアへGO。てな具合で、ebay顔負けのネットワークを持つ巨大闇人身売買シンジケートなのであった。怖〜。

今回の犠牲者はヨーロッパの美大に通うアメリカンギャル3名。理知的で行動力のあるお嬢様、パーティ大好きアーパータイプ、見るからに野暮ったい一生処女タイプという、これでもかっちゅうほどにわかりやすいキャラ設定。3名でワイワイガヤガヤとバカンスに出かけたらば、謎のモデル美女が滑らかに合流してきた。彼女はすごく親切で、優しくて、気が利いていて、レズビアンというわけでもなく、3人とスグに気安くなって「スロヴァキアにとってもよいスパがあるのよ〜」と誘われてホイホイついていっちゃうわけだが、前作を観ていれば「コイツはワナを仕掛ける係なんだな」とだれもが容易に想像がつくであろう。

ギャル3人組がスロヴァキアのホステルにおびき寄せられるのと同時進行して、今回はそれを求めてヨダレをダラーリと流す顧客のようすも描かれる。金持ちの中年男性2名。簡単にいうと善人タイプと悪人タイプである。善人タイプの方は殺人するってことを知らずについてきたみたいだ。悪い遊びに手を出してる不良中年の友達がいて「おまえもヤレ〜」みたいな調子で強引に誘われてついてきちゃう。お金があって行き着くトコまでいっちゃうと殺人が娯楽になっちゃうんでしょうか。

前作はどこからワナかがわからなかったからとてもスリリングだったけれど、今回はスグにわかっちゃうからイマイチかな。という危惧を抱いた私だが、最後まで観たらばそれが杞憂だとわかったよ。あのエゲツないラストはナイスなtwistだ。

Spoiler Alert !!!!
ネタバレ注意!!
ネタバレオッケーな方のみこの下をスクロールしてご覧下さい↓

犠牲者3名のうちの1名、ベスだけがサバイバルする。彼女は理知的な風貌のお嬢様だが、ものすごい大金持ちの娘であるという点が最初から明かされていた。「彼女がそうしたいと思えば、スロヴァキアを国ごと買いとることだってできるのよ」「ヒョエー」なんていう噂話をするシーンがありました。という設定からして、父娘が拷問部屋で再会するのかと思って観てたんだけど(あなたも思わなかったですか?)それはなかった。それじゃ簡単すぎるもんな。

一方、『エリート・ハンティング』の顧客としてやってきた不良中年2人組は前述したように悪人タイプと善人タイプなのだが、善人タイプの方は誘われるままにやってきたものの、目の前の拘束女性を見てひぃいいいいいいと腰を抜かす。「こ、こ、こんなのムリッス!」とチビるのだが、いったんはベスの拘束を外していっしょに逃げるんかと思ったら、ドタンバにきてこの男の恥部ともいうべき暗い欲望、殺人願望がヒョッコリ顔を出す。「やっぱ殺しちゃえ」と殺人鬼に豹変する心理描写がゾゾゾである。

ドタンバにきて態度が豹変したのは男の方ばかりでなくベスもであった。彼女は殺されそうになってギャーギャー悲鳴をあげていたが、相手の心を読んで捨て身の反撃を開始した。油断させ、スキを突いて、打撃を加えてやった。相手をイスに拘束して、ピンチ脱出。だが、ここは厳重なセキュリティが敷かれており、屈強な男たちを倒して逃げるのは不可能である。よって彼女は秘密クラブの支配人を相手に取引を申し出た。

「わたしはスイス銀行に口座があってあなたの言い値を支払うことができる。わたしと契約してここから逃がせ」といってみた。彼女はさっきまで『商品』として拷問されてたワケだが、そのステバチに落ち着き払ったようすはいかにも金持ち然としており風格さえある。その態度にクラブの支配人はホエーと感心した。「よござんす。わたしはビジネスマンだ。ソレでいきましょう」と同意してくれたのだが、ひとつ注文がきた。「このクラブの顧客となるからには『商品』を殺して頂きましょう。それがルールです。おかねの話はそのあとで」といわれた。ベスは「オッケーです」と答えて、さっきまで自分を殺そうとした変態男のチンコを大ハサミでザックリカット。ウギャー。男は絶叫。シュールだよ。

陰惨な拷問殺戮現場を見馴れているはずの男たちが、この光景を見てウグッと思わず後ずさりする演技がこれまた秀逸である。ベスは「ほっといたら出血多量で死ぬでしょ」とツカツカ歩いていった。ザックリ切り取ったグロな肉塊を素手で拾って、ガードが連れてきた番犬に投げた。イヌはムシャムシャとそれを食った。このシーンの『間』というものがとてもよい。ワビサビを感じるな。すごいすごい。いやーきもちいい。前作に比べて少々マンガチックではあるけれど私は好きだ。おもしろい。

この映画は「人間は心の底に暗い殺人願望がある」というのがテーマだと思うんだが、ほんとにそんなのあるのかなと思った。憎たらしィと思ったら相手を暴力でいぢめたくなるときがあるけれど「見ず知らずの人間を拷問して殺したい願望」というのとはまた違うじゃないですか。そんな欲望を私もまた持ってるのかなとフシギに思って、んで、友達に意見を聞いてみた。それでなんとなく納得した。

そいつは私に「これは階級社会ゆえの歪んだ願望である」と答えた。その友達はカナダ人の女の子で、ヨーロッパで育った。わたしゃ昔から思ってたんだけど、彼女はスゴい貴族臭がする。ホテルのメイドやタクシーの運転手やウェイターなんかを人間だと思っていない風である。相手を人間だと思っていないから、目の前で堂々と裸になれるし、sexさえできる。だがそれは人種差別とはまた違うのだ。

国民すべて平民感覚のジャパンにいるとこの感覚はとても理解しづらい。使う人間と使われる人間との間には極めて当たり前のように厳然とした壁があって、幼少の頃からスリコミがなされる。ホテルのメイドと友達のような口の聞き方をすれば、ママに「お行儀よくしなさい」とたしなめられる世界が欧米には依然としてあるのだ。そういう視点から見れば、この秘密クラブ『エリート・ハンティング』像というのがなんとなくリアルに浮かびあがってくる気がしませんか。

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原題: Hostel: Part II
別題: Hostel 2
Hostel - parte II
Hostel - I syneheia tis paranoias
Hostel - chapitre II
Hostel II
L'auberge 2
Motel 2.
O Albergue 2
Otel 2
邦題(カタカナ): 『ホステル2』
制作年: 2007年
制作国: アメリカ
公開日: 2007年6月7日 (オーストラリア)
2007年6月8日 (カナダ)
2007年6月8日 (ロシア)
2007年6月8日 (アメリカ)
2007年6月14日 (ドイツ)
2007年6月15日 (スペイン)
2007年6月22日 (イタリア)
2007年6月29日 (イギリス)
2007年7月11日 (フランス)
2007年9月8日 (日本)
imdb.com: imdb.com :: Hostel: Part II
監督
脚本/原案
出演
プロデュース
音楽
シネマトグラフィ
編集
キャスティング
プロダクション・デザイン
アートディレクション
衣装デザイン
視覚効果(Visual Effects)
特殊効果(Special Effects)
Makeup
謝辞

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