映画|ザ・ヴィクティム|The Victim
女優の卵カワイコちゃんがオバケに憑依されるタイのホラー映画。ピッチャナー・サクサゴーン。監督モントン・アラヤンクン。2006年。
女優の卵のカワイコちゃん(ピッチャナー・サクサゴーン)は、ある日、警察のえらい人にスカウトされる。その仕事の内容ってのが変わっているんだが、警察が現場検証する際に、犯行の状況を再現するビデオを撮ることになってて、その被害者役を演じてくれという話である。手錠をつけた容疑者の自供を元に、容疑者を相手に演技をして「こうなってこうなりました」てな具合の再現ビデオをつくるのですね(『ウィークエンダー』風)。回りにはマスコミもワンサカいて、盛大にシャッター音がする。翌朝の紙面には彼女が演じる迫真の絶叫顔がデカデカと載る。
捜査活動の一環てことなんだが、じつにバカっぽい。警察が事件をネタにホラー映画のプロモ写真をつくっているような調子。タイの警察はほんとにこんなことをやってるんですかね。この設定からしてブッ飛んでておもしろいです。タイってやっぱりへんな国だなあ。
彼女はこの仕事をとてもおもしろく思う。演技の勉強になるし、お金ももらえるし、顔も売れるし。てわけでいいことづくめである。頼まれもしないのに役づくりをいっしょうけんめい考えたりして、じつにいい演技をする。それがますますウケて、ノリノリになる。
唯一の気がかりとして「死んだひとをオチョクってることになるんじゃ?」というタイ人らしい心配をしたのだが、彼女をスカウトした親切警官は「これは犯罪者を摘発するための善行なのだから、バチがあたるわけないヨ」といってくれたので安心した。彼女は犯行現場で犠牲者を演じるたびにお線香をあげてお祈りをする。そして次の仕事が来ると、喜んで役づくりにとりくむ。
ある日、元ミス・タイのスーパーモデルが行方不明になり、バスタブからその肉片が発見されるという猟奇事件が発生する。警察は殺人事件と断定し、やがて容疑者が逮捕される。例によって女優の卵が呼ばれて彼女は演技をするんだが、これはなにしろ話題の事件なので気合いが入る。殺されたモデル嬢のインタビュー映像を繰り返して見たり、殺人現場にいってみたりする。これすべて役づくりのためということだが、チトのめりこみすぎではないかしらん。と思ったら、殺された女のオバケがちょくちょく出てくるようになる。女優の卵は「死んだ彼女はわたしに演技指導をしてくれているのかな」なんて都合のよい解釈をする。上昇志向の人はさすがにポジティブシンキングです。
彼女はどんどんのめりこんでいって、やがて事件の真相を知る。クライマックスに突入!と思ったら、映画はまだ半分折り返し地点である。まんなかあたりで「そ、そ、そうだったんすか!?」と驚くtwistがあり、意外な進展に続きます。
感想
よかったところ↓
- 主演のピッチャナー・サクサゴーンがかわいくて表情豊かでよかった
- おどろかせ/こわがらせの手法がいろいろ凝ってて、工夫が感じられる
- オカルトものでありながら、グロもけっこうある
つまんなかったところ↓
- 後半15分のオチがわかりにくい
- CGがチトショボイ
最後のオチは少し強引すぎるというか、とってつけたようなかんじがしましたね。製作上の都合かなあ。という不満はあったけど、まぁオッケーでした。
ネタバレです
!!!! SPOILER ALERT !!!!
!ネタバレ注意!
画像
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2006年 | |
タイ | |
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