映画|Los Super bonaerenses

ここはどっかの警察署。

飲んだくれデブの汚い男がやってきて、刑事をぶん殴って、一悶着を起こす。この乱暴者は何者だ！と思ったら、新任の刑事であった。彼はハゲの小男刑事とコンビを組まされる。

この町には地元ギャングの根城になっている廃墟ビルがあって、警察は手を出せない。ギャングどもはヤクだの売春だのやりたい放題で暴れ回っている。そこにデコボココンビが闖入し、闘いを挑むってわけです。

小男刑事は過去にパートナーを殺された遺恨がある。また、デブ刑事の方はここに来る前になにやらギャングと関係があったらしいよ。そこらへんの過去話が後半に明かされ、あー、そうだったんですか、となる。ここらへんの物語展開は（そう大したもんではないが）、この種の映画にしては、ていねいにまとまりをつけている。

下品で、くだらなくて、安っぽくて、楽しいゴアグラインドハウス from アルゼンチン by Gorevision！

カワイコちゃん、出るよ。

チンコもあるよ。

人造人間ロボも出てくるよ。

すばらしいトレイラー！

このトレイラーは私のお気に入りであります。とても好き。

Los Super bonaerenses (2014) trailer

感想

私はGorevisionさんの映画を見続けているが、これはかつてなく傑出の出来である。よくがんばったなあと思う。撮影／音楽／演技／ゴアゴア、どの点においても、ビヨーンと伸張した。まさにMIP（Most Improved Player）大賞ナンバーワンである。つっても、ちょっと待ってほしい。こんな話を真に受けて「そうすか。んじゃ、いってみますか」と食いつくのは早計である。前がひどすぎたんですよ。彼らの過去作品を振り返ってみよう↓

• Sadomaster (2005)
• Sadomaster Locura General (2011)
• Goretech: Welcome to the Planet Motherfucker (2012)

上の3本は無予算インディーズといってよいほどの安っぽさであり、ホラー映画好きな人たちが集まってワイワイ遊んでいるような内容で、廃人一歩手前の物好きでもない限り、15分と見続けられないであろう（私は『Sadomaster (2005)』を買ったんだが）。

ところが、本作『Los Super bonaerenses (2014)』においては、普通のインディーズホラーのレベルに達しているではないか。爆発シーンはフォトショの不器用な切り抜きみたいなヤツではない。もう彼らのことを「無予算ナンバーワン！」「素人臭い！」「ドヘタ！」などと呼べなくなってしまったのが悲しいような、でも、うれしいような、複雑な思いが胸に去来するのである。というわけで、一般的な標準からすれば、インディーズの中の下くらい。えたひにんからめしつきの奴隷になれた、くらいのもんです。それでもすごいじゃん？

懐かしい顔ぶれのキャストが相変わらず出ているのがうれしい。一般的な話、映画のレベルがワンランク上がるとキャストやクルーが入れ替わることが多い。なんですかね。新しいスポンサーがついたりすると、その代償に、昔の友達が離れていったりするのは、映画に限らず、大人の世界によくあることだが、彼らは相も変わらず同じ顔ぶれでワイワイやっている。これからもみんな仲良くがんばってください。

Gorevisionの映画は、監督であるGermanさんの趣味により、過去ホラーや日本アニメのオマージュネタなんかがあって楽しいんだが、この映画にもイロイロある。ギャングの手下のキチガイ博士（フランケンシュタインみたいな）の知恵遅れ助手はイゴールという名前だったが、あれはベラ・ルゴシが演じたアレだと思う（『フランケンシュタインの復活 (1939)』）。また、最後にジャジャーンと出てくる安っぽいロボは日本のスーパーヒーローネタかな。あと、ギャングの巣窟になっているビルの名前がロドリゲスっていうんだが、あれはロドリゲスさんリスペクトの意味なのかな。

タランティーノやロドリゲスのグラインドハウスはおもしろいが、あれはグラインドハウス風につくったハリウッド映画であって、あれをグラインドハウスと呼ぶのは、私なんかは相当に抵抗がある。見ているとあまりの安っぽさに物悲しくなってくる、汚い場末の空気を吸いながら、ハナクソをほじって見物するのがグラインドハウス映画の真骨頂であるとするならば、本作『Los Super bonaerenses (2014)』はグラインドハウス映画の王道であるといえるだろう。

私は本作『Los Super bonaerenses (2014)』を監督さんのご厚意でスクリーナーを見せてもらったんだが、この映画はまだ公開されていません。そのうちDVDが出るでしょう。

English Review

First of all, thanks so much to the director Germán Magariños, I got the opportunity to watch, a kickass indie film production from Argentina, Gorevision's latest flick Los Super bonaerenses which I have been waiting for since I checked their trailer.

I've watched their past three films, Sadomaster (2005), Sadomaster Locura General (2011) and Goretech: Welcome to the Planet Motherfucker (2012). Definitely Los Super bonaerenses is their best of best! I can see a lot of improvements in every scene - shooting technique, editing, CG, music, story, acting, character development. They did great. The explosion looks like very real. Oh, it's not like photoshopping manipulated anymore. What happened to them?!

My most favorite character was Igor who is the retard assistant of the mad doctor. Was it from the character acted by Bela Lugosi in old Frankenstein films? And the cyborg robo is kinda homage to Japanese anime super hero?

I should confess. Hoping Germán wouldn't be upset. I once called his film, "cheesey, foolish, amateurish no-budget film but funny." Well, I cannot say it anymore cuz he's so stepping up. I am so glad a lot of familiar faces are in there. They are great people. If you truly know what grindhouse is, then Los Super bonaerenses is waiting for you to be eaten. Enjoy yourself.

画像イロイロ

イカしたポスター！

こっちもあるよ！

楽しいオープニング！

なんかかっこいい！

主演の刑事コンビ

悪の手下のキチガイコンビ！

オーイエー！

めんたまにチンコ刺し！

ロボ参上！

復讐チームがやってくる！

勝利だ！イエー！

悪は天罰を受けるのである

と、思ったら、ナンじゃコレ！？

カワイコちゃんはずる賢く生き残るのである

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