2011/6/30 (Thu) at 1:00 pm

映画|ディスコ・エクソシスト|The Disco Exorcist

ディスコとエクソシストの融合エクスプロイテーションお笑いホラー映画ゴアゴアあり。マイケル・リードサラ・ニクリンルース・サリヴァン。監督リチャード・グリフィン。2010年。

ディスコ・エクソシスト / The Disco Exorcist DVDDVD画像

1970年代後半。アメリカ。

ディスコキングのレックス・ロマンスキ(マイケル・リード)はモテ男。腰フリダンスを決めたら、カワイコちゃん娘もブス娘も淫乱娘も彼にイチコロ。イェーイ!

とっかえひっかえネーチャンと遊んで、おきらくにモテモテ人生をやっていたレックスは、ある晩、リタさん(ルース・サリヴァン)ていう女と出会って恋に落ちる。

「こんどの女はちがう!おれは惚れた!まぢに惚れた!運命だ!」つって大ハッピーになるが、この大恋愛は24時間でおしまい。

翌日、ポルノスターのアモレーナさん(サラ・ニクリン)に惚れちまったからである。女同士はレックスを巡って大ケンカになるが、こんなことは彼の人生において珍しくはないのであり、なにしろ身代わりの早いレックスさんときたら、ハエの羽よりも軽い調子でホイホイと遊び回るから、どーってことないですよ、ほっときゃいいのさ。

と思ったら、フラレ女、リタさんの怒りは、みんなの予想を超えて大噴火ドッカーン。あー、くやしいと怒るリタさんは復讐を誓う。女の情念ここに極まれリ。彼女はブードゥー呪術を用いて、憎い恋敵のアモレーナさんに呪いをかける。

アモレーナさんは悪魔に憑依される。ときおり人格が変わって悪魔顔になってひとを襲うんだが、やがて普通に戻る。自分が何をやったかぜんぜん覚えていない。いつ悪魔が出てくるかわからないから、危なっかしくてしょうがない!

ダンスとsexしか能がない男、レックスさんはたくさんこわい目に遭って、ひーこらいわされるのであるが、アモレーナさんを救うため、人生初のエクソシスト体験をやる。こんなチャラ男が悪魔と闘って勝てるのであるか。

You have the largest disco balls in town!

70年代エクスプロイテーション風味のお笑いホラー映画。エッチなシーンが盛りだくさん。安っぽい!

トレイラー動画

The Disco Exorcist (2010) trailer

感想

ははははははははは。

おもしろいーい。

レックスさんのキャラがすごくいいの。彼はとにかくモテモテなんだが、イヤミったらしくないのです。ひとのよさそうな顔でニコニコしてて「おれ、もてるよ」的な高慢さがない。普通にしているだけで女が寄ってくるんですな。キザな台詞を吐くイケメン男とは違うかんじ。

なにしろ軽ーいやつなんで、ホイホイと女を乗り換えても『非道な身勝手男』という印象が残らない。「なんだかこいつはしょうがねえなあ」と妙に納得させてしまうのが、この男の芸というか個性なんですな。

それがリタっていう女にだけは通用しなくて、いつもの調子で軽くバイバイしようと思ったら、これがおそろしくも地雷女で、ブードゥー呪術で復讐してきやがるなんて、彼はかつてそんな女に出くわしたことがないから、さぞかしびっくりしたとおもいますよ。

彼にしてみれば、アリの巣を棒きれで突っついたら火山が噴火した、くらいの経験だったんじゃないですか。バチが当たったともいえるわけですが。

リチャード・グリフィンという監督さんは『Nun of That (2009)』のときも感じましたけど、リズム感重視です。テンポがよい。

インディーズ映画てのは、監督さんが自己満足に走るせいか、うだうだ傾向がありますが、この人に限ってそういうのはないですね。『アメリカン・インディーズ・ホラー界の岡本喜八』といったら褒めすぎですが、そこが彼のいいところ。

この映画はエクスプロイテーションらしくエッチなシーンがたくさんあるんだが、単にハダカを見せてるだけでなく、いちいち演出が楽しい。レックスさんがポルノスターのアモレーナさんの仕事場についていって撮影に飛び入り参加する場面とか、彼が実家に帰る場面とか、おもしろかったなあ。

レックスさんの兄は神父様をやっています。実家に戻り「悪魔に憑かれちゃったから助けてくれえ」と相談したら「この遊び人め!ラリってんのか!神様をバカにすんな!」つって追い出されるんだが、その横でケタケタ笑いをしている妹(かな)がこれまたおもしろいの。詳しくは映画でどうぞ。

ゴアゴアもあるよ。特殊効果の出来は中の下くらいかなあ。一番の見せ場は悪魔に憑依されたネーチャンが、巨大チンコをぐにゅーってねじ切っちゃうところ。

70年代後半の雰囲気がよく出ていた。セット/衣装/小道具/等々、かなり気合いが入ってたんじゃないですか。映画全編、フィルム風のノイズが入ってて、いかにもなかんじ。

が、肝心の音楽に関しては、私はよくわからないです。ディスコというくらいだから、そういう音楽がたくさん流れるんだが、私はこの時代の音楽にそう詳しくないのでよくわかんない。当時の曲は使ってないように思うんだが、ちがうかも。

監督さんのコメンタリを聞いてたら「これは○○さんの曲だぞ」とかいってるんだが、ぜんぜんわからなかった。そこらへんはマニアの方が詳しくレビューしてくださいと思うが、エンドロールの『Music』のクレジットを書き出したので、興味のある方はご覧ください。このページの下のほうにあります。

ラストはおきらくハッピーエンド。最後の台詞もいいんですよ。あとエンドロールの最後に小ネタがあるよ。

この映画は『ディスコとエクソシスト』という超バカ設定に加え、レックス・ロマンスキという愛すべきチャラ男が突出し、まさに『完全勝利』ですな。つっても、だれに勝ったのかはよくわかりません。はははは。

DVDのオマケ

  • Commentary Track
  • Deleted Scene (00:41)
  • Trailer (01:00)

『Deleted Scene』はアモレーナさんとふたりのハダカのネーチャンの漫才みたいな小ネタ。おもしろいよ。みんなも見ようといいたいが、字幕ついてないので英語の聞き取りオッケーな方のみオススメです。

このDVDは、amazon.comではマーケットプレイスだけで売ってます↓

日本からamazon.comを日常的に利用するひとも、マーケットプレイスはどういう業者かわからないからチトこわいなと考える方が多いでしょうが、コレの場合は、映画の版元である『Scorpio Film』のショップから買うわけなので、そう心配は要らないとおもいますよ。私もamazon.comで買いました。つっても、保証はできないから自己責任でお願いします。

Memorable Quotes

Rex Romanski: Amoreena Jones, will you marry me?
Amoreena Jones: Of course, I will, Rex Romanski. From now on, you're the only devil I want come inside me.

Music

Music Composed and Performed by
Daniel Hildreth

Main Disco Music
Composed and Performed by
Timothy Gordon Fire
Owen Glendower Thompson

"That's All Right"
Composed and Performed by
Mark Cutler
MOK Music Publishing
ASCAP

"REX"
Written and Performed by
Martin Van Etten

"Boogie's Got To Boogie Down"
and
"Exordisco"
Composed and Performed by
Matthew Jason Walsh

画像

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原題: The Disco Exorcist
制作年: 2011年
制作国: アメリカ
公開日: 2011年10月15日 (アメリカ) (Rock and Shock)
imdb.com: imdb.com :: The Disco Exorcist
監督
脚本/原案
出演
プロデュース
シネマトグラフィ
編集
視覚効果(Visual Effects)
Makeup

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