2013/8/6 (Tue) at 12:39 pm

映画|サニタリウム|Sanitarium

精神病院にくるはめになった不幸な人々を描いたオムニバスのホラー映画。マルコム・マクダウェルロバート・イングランドルー・ダイアモンド・フィリップスジョン・グローヴァー。監督 Bryan RamirezBryan Ortizケリー・バルデラマ。2013年。

サニタリウム / Sanitarium DVDDVD画像

どっかの精神病院。

映画のホスト役、ヘンリー・ステンソン医師(マルコム・マクダウェル)が登場。カメラに向かって、狂人の情動について語ります。

Dr. Henry Stenson: Insanity. It's the disease that spreads through the mind. Generating twisted and deranged thoughts inside the human brain.

「狂気。それは人間の心を蝕む病気です。人間の脳に歪んだ考えを育ませ、想像をはるかに超える恐怖を煽り、おそろしい行動に駆りたてる」

とかなんとかしゃべっていい雰囲気。この映画は、精神病院に放り込まれて、ステンソン医師の患者になってしまった、不幸な人たちを描いたオムニバス映画です。3つのお話が入っています。順に紹介します。

Figuratively Speaking

監督: Bryan Ramirez

人形作家アーティストのグスタフさん(ジョン・グローヴァー)は展覧会で多大な成功を収め、ニューヨークの有名ギャラリーから「600万ドルで作品を買いたい!」なんてオファーがきたんだが、本人はまったく売る気がない。

このオッサンは頭ボサボサだし、身なりは汚いし、浮き世の贅沢などはまるで眼中になく、ひがな一日、部屋にこもってお人形遊びをしていれば幸せなのです。ちょっと様子のおかしいゼベットじいさんてかんじ。

彼は展覧会でプレスに質問されて「作品は誰にも売らない」と断言したんだが、そこでうれしげにこう締めくくった↓

Gustav: I have everything I need right here.

「わたしの欲しいものはここにある」

「友達とファンがいるだけでじゅうぶん」ていう意味なのかなと思ったらちがうんですね。彼の『欲しいもの』ってのは人形だったのでした。本人はこれで大満足だが、回りの人間は大弱り。彼を支援してきた画商(ロバート・イングランド)や、友達(ウォルター・ペレスMayra Leal)などは、なんとか彼の気を変えさせようとやきもきする。

子供のように純真なグスタフさんは「売らない売らない」の一点張りで、家にこもっていたが、ピルをカポカポ飲んだら、人形の声が聞こえるようになる。彼は狂っちまって、とんでもないことをやる。

ジョン・グローヴァーの変人演技がすばらしい。他のみなさんもいいよ。

Monsters are Real

監督: Bryan Ortiz

眼鏡坊やのスティーヴン(デヴィッド・マズーズ)は、暴力パパ(クリス・マルケイ)に虐待されている。パパは飲んだくれて、息子をアゴで使い、気に食わないとひどいことをする。かわいそうな坊やは誰にも相談できない。

ある日、坊やは謎めいた大男を目撃する。妖怪じみていて、この世のものとは思われないその邪悪さに坊やは戦慄する。男はちょくちょく現れて坊やを驚かす。

そうこうやってるうちに、優しい美人教師(レイシー・シャベール)が坊やの異変に気づく。彼女は彼を助けてあげようとジタバタするんだが、そこに例の大男がガオーと出てきて、ものすごいことが起きるのです。

このお話の冒頭で、スティーヴン坊やが野原に寝転がって、空の雲を見ている場面がある。それと最後のマルコム・マクダウェルの台詞がつながって、いいオチなんですよ。

Up to the Last Man

監督: ケリー・バルデラマ

ジェームズさん(ルー・ダイアモンド・フィリップス)は立派な大学教授で、きれいな奥さん(Nova Aragon)とふたりの息子がいて、順風満帆の人生を送っていたが、あるとき、マヤ古代文明の終末予言にとり憑かれ、この世にアポカリプスがくると本気で信じるようになる。

彼は自分で地下シェルターの設計図を描き、貯金をはたき、クレジットカードを使いまくって、自分が理想とするシェルターを庭につくろうとする。異変に気づいた妻は「おねがいやめて!」と頼んでもお構いなしで、ずんずん突き進む。こうなると病院に入れるしかないですね。

ルー・ダイアモンド・狂・フィリップス・オン・ステージ!

トレイラー動画

Sanitarium (2013) trailer

感想

おもしろかった。過激なゴア描写などはないが、脚本はソリッドで、シネマトグラフィもいい。シリーズ化して、HBOかshowtimeあたりでやったら人気が出そう。

マルコム・マクダウェルロバート・イングランドは低予算ホラーに呼ばれて出てきて、客寄せ的カメオ出演をやってることが多いが、この映画の場合は、彼らの出番は少ないものの、きちっと役割を演じて、存在感があるからいいです。

特にマルコム・マクダウェルがよかった。彼はホスト役なので、お話の合間にチョロッと出てくるだけなんだが、あの顔で、あの声で、「人間の狂気とは〇〇なんですよ」なんつってしゃべると、雰囲気がぐっと盛りあがります。『トワイライトゾーン』のロッド・サーリングみたい。

かなりよかったと思うんだが、amazon ukのレビューを見ると「まぁまぁかね」「つまらんよ」という調子のヤツが並んでいて、ずいぶん私と温度差を感じる。なんで?みんなは厳しいなあ。

ところで、余談ですが、Bryan Ortiz監督は、話題作でありながら未だにDVDが出ない『Doctor S Battles the Sex Crazed Reefer Zombies: The Movie (2009)』の監督さんでもあります。早く出ないかなあ。

UK版DVDが発売中

UK版はオマケも字幕もナシでした。ちょっと残念↓

Memorable Quotes

Dr. Henry Stenson: Insanity. It's the disease that spreads through the mind. Generating twisted and deranged thoughts inside the human brain. Making us to awful, horrendous acts much further beyond the enormous fear of the imagination. It moves from person to person without regard to gender, race, age or creed. Creating unthinkable results, we can neither accept nor understand. We can only try to treat or perhaps in some way comfort these poor demented souls, wandering helplessly within the wall of shapen realms, their inner worlds. My name is Dr. Henry Stenson. Welcome to the Sanitarium.

Dr. Henry Stenson: They say that art imitates life. But perhaps it's really art manipulates life.

Dr. Henry Stenson: In the final analysis, who can say for certain, who's the puppet, and who's the master.

Dr. Henry Stenson: Mind is unbelievably resilient. It can create whole entire fantacies, to protect us from reality, unblind us from the truth, more unpleasant truth, more potent fantacy. On the other hand, fantacy can turn out to be more real that we would ever imagne. He stays mostly sits and stares. But sometimes when he is watching clouds, I can almost see him smile.

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原題: Sanitarium
制作年: 2013年
制作国: アメリカ
公開日: 2013年3月1日 (アメリカ) (Miami International Film Festival)
2013年12月31日 (アメリカ) (DVD)
imdb.com: imdb.com :: Sanitarium
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