2013/3/23 (Sat) at 11:45 am

映画|Zombie A-Hole

双子姉妹ばかりをブッ殺す悪魔的キラーが出てくるエクスプロイテーション風のホラー映画。超低予算インディーズ。ジェシカ・ダニエルズ、ジョシュ・エラル、ブランドン・サルキル。監督ダスティン・ミルズ。2012年。

双子姉妹ばかりを狙うシリアルキラーが出現。神出鬼没に現れ、凄惨にブッ殺す。あぁ、おそろしい。

これを追うのが、ハンター男のフランク。彼は呪術に詳しい売人男から、小さな箱を買う。箱の中には人形が入ってて鍵穴がある。付属の鍵を刺すと、人形がしゃべりだして、敵と闘うための知識をくれる。

彼は人形の導きに従い、うろうろしていたところ、キラーとそっくりな男に出会う。「ここで会ったが百年目！覚悟しやがれ！」といきりたったが、じつは、この男はキャスターさんといって、キラーの双子の兄であった。キャスターは次のような打ち明け話をした↓

その昔、彼の弟、ポラックは優しい性格の医大生だったが、卒業間近に行方不明となり、手を尽くして探しても見つからず、家族は死んだものと諦めたんだが、ある日、ヒョイと戻ってきた。ところが、まるでひとが違っており、不吉なメダリオンを首からさげていた。弟はそれを誰にも触れさせなかった。やがて、近所で双子姉妹ばかりが連続して殺された。キャスターは弟の仕業であると直感したが、警察にはいかず、自分でケリをつけた。弟を見つけ出し、頭に銃弾をズドン。間違いなく死んだことを確認し、地面に埋めた。

という話であった。死んだはずの弟がいったいなぜ？という疑問にフランクが回答した。

「あまり知られていないことだが、死人が墓から蘇ることはある」「つまり、ゾンビですか」「そうそう。人間がゾンビになる原因は、ウィルスや毒ばかりではない。魔術によるゾンビ、悪魔憑依によるゾンビ、てのもあるんだよ」「ほー」「悪魔憑依のゾンビはいちばん厄介。ぜったいに倒さねばならぬ。いっしょに闘おう」

てわけで、ふたりはコンビ結成。敵を追うんだが、この映画のゾンビは通常のゾンビとはまったく違います。顔はグジュグジュのドクロ顔なんだが、着てるものがお洒落。ストライプのスーツ。黒シャツ。白ネクタイ。中折れハット。白手袋。小粋な装いでジャジャーンと出てきて、ガオーと襲う。

でも人肉を食ったりしないし、いわゆる普通のゾンビ的な行動はしません。素手でブッ殺したり、口から殺人ムースを吐くなんていうへんなワザもやります。ゾンビというより『悪魔つきの殺人者』というかんじです。こいつは地獄の門を開けたがっているらしいです。

さて、その一方で、片目アイパッチのBADASS娘が登場します。彼女の素性は謎。この娘もまたフランクと同じくゾンビの殺人者を追っている。最後にフランクと彼女の関係が明かされ、ズズガガーとクライマックスに突入します。最後はドクロの悪魔どもがウジャーと出てくるよ。安っぽいですが。

トレイラー動画

Zombie A-Hole (2012) trailer

感想

よかったところ↓

俳優さんはインディーズ映画にしてはいい方。
いちおうちゃんと演技になっていた。
お洒落なキラーはいいキャラだった。
彼が出てくるときの悲しい音楽がよかった。
カーアクションをやりながら格闘する場面がよかった。
ストップモーションアニメがおもしろかった。

わるかったところ↓

安っぽい。
ときどきテンポが悪い。
エンディングがちょっとなあ。

よくあるゾンビ映画なんだろうなと思ってたら、ぜんぜん違うからびっくりしました。かなり安っぽくて、欠点だらけなんだが、ポテンシャルが感じられたのでよしとします。安っぽいながら、ゴアゴアはたくさんあるし、一生懸命やってるかんじがほほえましいです。インディーズ映画を生あたたかーく見守るのが好き、というひとにはいいと思いますよ。

ダスティン・ミルズ監督は他にもいろいろつくってます。『The Puppet Monster Massacre (2010)』『Night Of The Tentacles (2013)』『Bath Salt Zombies (2013)』は、近々エントリをアプする予定です。また読んでください。どれもこれもブッ飛んでます。あー、楽しい。