映画|ザ・パック 餌になる女|La meute

気ままなドライブ一人旅をやってるカワイコちゃん（エミリー・ドゥケンヌ）が田舎道でヒッチハイク男（バンジャマン・ビオレ）を乗せてやる。ふたりはおきらくに旅を続ける。

途中でダイナーに寄ったら、地元の不良バイカーどもに絡まれてピンチになり、そのあといろいろあるんだが、ここは意外なtwistがあるから詳しくは映画を見てくださいよと思うが、ドタバタの末に、彼女はダイナー経営者のオバちゃん（ヨランド・モロー）にとっつかまってしまうのである。

ケモノの檻に閉じ込められ、めしを食え、といわれ、キチガイ博士がつくったみたいなヘンテコな椅子に縛られ、強制食餌させられる。

いったいなにをやるんだと思ったら、このオバちゃんは、満月の夜に出てくる、悪鬼というか、妖鬼というか、グールというか、なんだか知らないが、とにかくきもちわるいバケモノにエサを与える目的で、人間を捕まえているらしいです。

夜になったら、血の匂いにおびきよせられたバケモノたちが地面からグニョーと出てくるよ。うわー。きもちわりー。

カワイコちゃんがいなくなったのを心配してジタバタする親切オヤジにフィリップ・ナオン。

トレイラー動画

感想

ポップコーン映画としては十分オッケーと思いましたが、『屋敷女 (2007)』のプロデューサーが複数クレジットされている（プリシラ・ベルタン、ヴェラーヌ・フレディアニ、フランク・リビエール）とか、フランスの特殊効果アーティストのオリヴィエ・アフォンソがメイクをやってるとか、そこらへんで過剰に期待をすると、少々肩すかし感があるかもしれない。意外性などは特にないですから。

限られた予算内で確実にポイントを稼ぐ、KOよりも判定勝ちを狙った堅実路線かなと。そういう意味では成功していたとおもいますよ。

キチガイババアを演じたヨランド・モローがよかった。パッと見、ひとのよさそうなオバちゃんなんだが、じつはキチガイ。でも、彼女は殺人を楽しむタイプではなく、単に「バケモノにエサをあげたい」と思ってるだけみたいです。だから、ギラギラ目になるなんてこともなく、まるで漁村のオバちゃんがスルメイカつくってるような調子で、淡々と作業をこなす。そこがおもしろい（こわい）ところ。

他のキャストのみなさんも各自味わい深くてよかったです。また、シネマトグラフィや美術セットもよくって、陰気でうらびれた雰囲気がよく出ていました。暗い草原をバケモノ共が歩き回って、わらわらと追っかけてくる場面は、日本の妖怪みたいなかんじもするなあとおもいました。

最後はどどーんと盛りあがります。キチガイババアがうりゃうりゃショットガンをブッ放し、おまえらみんなエサになれー、とわめきます。こえー。

ネーチャンも不良バイカーもヒッチハイク男（じつは○○）も、ナニゴトであるか！とおったまげ、それまでの争いはササッとおしまいにして「バリケードつくれ」「ヨッシャ」つって、いきなりチーム結成するところがなんだか笑えてきます。

DVDのオマケ

UK版DVDのオマケはこれだけ↓

• Creating the Pack Featurette
• Trailer

言語はフランス語ですが、英語の字幕がついています。パケのデザインはGraham Humphreys！

• amazon.co.uk - The Pack [DVD]

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