映画|DEAD CLIFF デッドクリフ|High Lane (Vertige)

超難易度コースの断崖絶壁を登る命知らずなロッククライマーのみなさん。男女5名のメンツを率いるリーダーのアンちゃんはプロ級の腕前でヒョイヒョイとサルみたいに登っていく。残りのみなさんは彼ほど達者ではないが、まぁ余裕の表情でなんとかついていく。が、ひとりだけ初心者が混じっているのです。かわいそうすぎる。目が泳いじゃって膝小僧が震えています。みなさんは彼をお荷物扱いするわけでなく、優しく声をかけて手を貸してあげるんだけど「だいじょうぶ？」って聞かれてもね、後戻りできない場所まで強制連行しといて「だいじょうぶか」っていわれても困るわな。こんなひとをこんなところに連れてきちゃいけないです。映画的にはおもしろいですが。

序盤のクライミングのアクションシーンだけでもかなりこわい。これに比べりゃオバケやゾンビなんかカスみたいなもんだなと思ってたら、ますますえらいことになって謎のキラーに襲われるという、ますますタフな展開に発展します。

※感想

斬新です。キラーと断崖絶壁がダブルで責めてくるなんてこわすぎる。生命保険会社のひとがこれを見たらなんていうんでしょうか。設定がユニークであることに加え、キャラの描き込みが秀逸です。人間関係がいろいろとややこしいのです。生きるか死ぬかの状態で人間のいやらしいところが見えてしまう瞬間があります。

フランスのホラーは話題作が続いていますが、『マーターズ (Martyrs)』や『屋敷女 (Inside)』の路線を期待するとハズすでしょうが、また違ったパターンでこれもよかったです。欲をいえば、もっともっとテンションを高めて断崖絶壁で片手ぶらさがりをやりながらキラーと格闘するなんて離れワザをやってくれたらよかったのに。なーんていうのは簡単ですが、やるほうにしてみりゃたいへんだ。

あとからちょと追記。

このエントリをアプしたあと、過剰に褒めすぎたかなと思ったので補足します。「キラーと断崖絶壁がダブルで責めてくる」と書いたんだけど、じっさいにはロッククライミングをやりながらキラーと闘うというシーンはないのです。だからね、肩すかし感はあるんだけれども、でも新しいことをやってみるのだという気合いは十分で、そういう監督さんの心意気を感じてしまうとレビューが甘すぎになってしまうという私の癖があるんですよ。

ネタバレです

!!!! SPOILER ALERT !!!!
！ネタバレ注意！

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