2011/4/8 (Fri) at 5:03 am

映画|怪談かさねが渕

20年の時を経て、親の因果が子に祟る。男女色恋人情愛憎発狂情念錯乱怨念転落破滅こわい怪談ホラー映画。モノクロ。若杉嘉津子和田孝北沢典子丹波哲郎。監督中川信夫。1957年。

怪談かさねが渕 DVDDVD画像

安永2年。下総・羽生村。

めくらあんまの宗悦さん(岬洋二)は貸した金を取り立てにいったら、当地のお殿様、深見新左衛門(中村彰)にズダーンとブッ殺される。

その後、深見新左衛門は宗悦のオバケに祟られ、妻をブッ殺して、発狂死。彼らの死体は累(かさね)が淵に沈んだ。

残されたのは、新左衛門の赤ちゃんと宗悦のひとり娘であった。20年の時を経て、このふたりが江戸で出会う。

新吉(和田孝)とお累(若杉嘉津子)は、互いの親同士の因縁を知らずに夫婦になるが、その幸せは続かない。めくるめく男女の情念は子々孫々を祟る因果怨念に引き裂かれ、悲惨な破滅死に転落する。累が淵に端を発した惨劇は、20年後に再び、累が淵に回帰するのであった。

新吉とお累さんのあいだに入ってヒデー目に遭うおてんばお嬢様のお久ちゃんに北沢典子。わるもん浪人男の大村陣十郎に丹波哲郎。お累さんの幸せを願う乳母のオバチャンのお鉄さんに花岡菊子。新吉を陰から見守る心優しいおじいさんの勘三さんに横山運平。かわいい女中さんのおくみちゃんに原知佐子。といったみなさんが登場します。

動画クリップ

映画の最初のほう。深見新左衛門が発狂死する場面。

感想

怪談といえばお岩さんの四谷怪談の方が有名ですが、こちらも捨てがたい。同じ中川信夫の『東海道四谷怪談 (1959)』と同じくらいおもしろかったですよ。画質が悪いのが難点ですが、古い映画だからしょうがないですね。

冒頭がさりげなくいいです。めくらの宗悦さんは雪の日であるにも関わらず、集金にでかけていくんですが、お鉄に「こんな雪の日に行かなくてもいいでしょうが」といわれて、こういい返すのです。

「こういう日にわざわざいくのが借金取りのコツじゃ。わははは」

悪天候の日にめくらの人間が苦労して歩いていったら、相手は同情して、いくらかは払ってくれるだろうという意味です。この台詞はユーモアがあり、なおかつ、彼はうるさ型の借金取りなんだなという点が、パッとわかるからえらいとおもう。さらりとうまいですな。借金の大家である内田百閒先生がこの台詞を聞いたら嫌な顔をするんじゃないですか。

出かける直前に草履の鼻緒が切れるというのが、良くも悪くも中川信夫だなって思います。

宗悦さんにとって不運だったのは、相手が百閒さんでなく、かんしゃく持ちのお殿様だったという点で、彼はズダーンとブッ殺されてしまう。

んで、殺された者と殺した者の子供同士が、20年後に出会って惚れ合う仲になるんだが、これが呪われたようなことになっちまって、親の祟りをモロにかぶるような事態に発展します。

殺された宗悦の娘であるお累さんは、ヒデー目に遭う → 怒る → 絶望する → 死亡する → オバケになる。と、まぁ、ずんずん突き進む。

東海道四谷怪談 (1959)』でお岩さんを演じた若杉嘉津子の本領発揮です。クライマックスでは、当然ながら、彼女がグロオバケになって襲ってくるんですが、それよりもむしろ、死ぬ直前の恨み台詞をいう場面が、私は好きです。

最後はもちろん関係者全員発狂死です。いいですなあ。

怪談かさねが渕 (1957)』のDVD

私が持ってるのは2008年に発売されたジェネオンエンタテインメントのDVDなんですけど、そのパケにこう書いてある↓

原作は、三遊亭圓朝が創作した怪談噺の傑作『真景累ヶ淵』で、中川信夫が本格的に怪談映画を演出した第一作目の作品。『怪談累が渕』として初公開されたが、現存する映像は『怪談かさねが渕』と改題されたこの短縮版だけとなっている。

てわけで、これは短縮版なんだそうで、66分しかない。でも物足りないようなことはなかったです。『短縮されてない版』も観てみたいけれど、多分こっちの方がいいんじゃないのかな。うだうだがなく、全体的にメリハリがあります。

映画はイイですが、DVDのオマケがなんにもないからがっくし。いつも思いますけれど、日本版のDVDは値段が高いくせにそっけないからいや。The Criterion Collectionの気合いを見習ってもらいたいもんです。

上にリンクしたヤツ以外に、次の2つのDVDが出ています。くそたけえなあ。

レンタルもあったよ↓

上に引用したパケの文章の通り、この映画は江戸噺家の三遊亭圓朝の創作物語だそうですが、私、詳しくは知りませんが、コレの変形バージョンはものすごくたくさんありますね。落語やら、歌舞伎やら、映画やら。検索するとたくさん出てくるよ。いろいろ観てみたいんだが、古いヤツは手に入りにくいですなあ。

万里昌代がチョイ役で出ている(のかな)

確実にわからないんだが、クレジットでは『万里昌子』となっているんだが、以下のシーンの、向かって一番左の娘さんは万里昌代かなとおもう。

万里昌代 画像1
万里昌代 画像2

これ、そうですよね?< 詳しいひと。

彼女は『怪談かさねが渕 (1957)』ではチョイ役の名無しさんで、登場するのはこのシーンだけ。和田孝演じる新吉が町の娘さんに大モテでちやほやされているという場面です。

私は『座頭市物語 (1962)』で万里昌代を見て以来、気に入って、古い日本映画を見ると必ず探す癖がついちゃったんだが、彼女が出てる映画はおもしろそうなヤツがいっぱいあるんだけど、手に入りにくいヤツが多いですなあ。変なのばっかり出てるんだよね。それがまたおもしろそうだから困る。

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原題: Kaidan Kasane-ga-fuchi
別題: Kaidan Kasane-ga-fuchi: 'Kaidan Kasane-ga-fuchi' yori
The Depths
The Ghost of Kasane
The Ghosts of Kasane Swamp
To fantasma tou valtou Kasane
邦題(カタカナ): 『怪談累が渕』
制作年: 1957年
制作国: 日本
公開日: 1957年7月10日 (日本)
imdb.com: imdb.com :: Kaidan Kasane-ga-fuchi
監督
脚本/原案
出演
プロデュース
音楽
シネマトグラフィ
編集
アートディレクション
Second Unit Director

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