短編ホラー映画|食人鬼(Jikininki)10月5日に東京で上映会あります!
小泉八雲の妖怪話を現代風味にアレンジした短編ホラー映画。監督 友利翼。2016年。
ここは東京。
デブ娘とホラー妖怪好きアンちゃんという、一風変わったガイジンコンビが登場。彼らの雰囲気はぜんぜんカップルらしくないが、会話の内容からして、新婚さんらしいです。
ふたりはうだうだと妖怪にまつわる世間話をしつつ、町をぶらつきつつ、どっかのカラオケ屋にフラリと入った。
すると、店内はえもいわれぬ不穏な空気が充満しているではないか。カラオケボックスの廊下の両側には扉がズラリと並んで、そこを歩いていると迷路に迷い込んだような案配となり、奇怪な重力場にひきずりこまれたようであり、天井と壁は人の心を圧迫するようであり、そこに、ついに、あの、おそろしい妖怪『食人鬼(じきにんき)』がやってくるのである。わー。
『食人鬼(じきにんき)』は人を襲い、人を食べるばかりでなく、食べる相手を記憶もろとも食ってしまう。つまりそいつに食われると、人々の記憶から完全に消え去ってしまう。これはおそろしいですね。なかったことにされちゃうんですね。というお話は小泉八雲の短編小説を現代風にアレンジした短編ホラー映画です。
10月5日に上映会あります
トレイラー動画
食人鬼 (2016年 監督 友利翼)
感想
監督を務める映像チーム『TOKYO COWBOYS』の新作二本をかける上映会が、迫って参りました。
— 友利 翼 at ムサシノキネマ商会 (@umcTT) October 1, 2016
ホラー、同性愛、バラエティに富んだ短編映画達です。
少し気取った文体ですが、... https://t.co/UWAIlKDKY6
先日、監督の友利翼さんがメールを下さり、上映会のご案内を頂いたが、あいにくこちらは名古屋なので、ホイホイ行けないなーと残念に思いつつ、「この人たちはなんだろう」と興味がわき、サイトを拝見したところ、じつにグッとくるから驚いた↓
方向性が実に私の好みである。小泉八雲や寺山修司といった日本の古い文学を現代風にアレンジした短編映画をいくつか発表している。ホラーに限らず様々なジャンルで映像をつくっているみたい。おもしろいなー。映像もいいですね。こんな人たちがいたんだー。すごいなー。
というような感想を書いたら、『食人鬼(Jikininki)』と『NOPPERABOU』のスクリーナーを見せてもらえた。ありがとうございます。どちらも小泉八雲原作です。
さっそく拝見したところ、うぅむ、正直にいうと、いくつか惜しいところがあり、「全面的にスゲー!」という感想には至らなかった。なんだろ。技術的なことはわからないが、とにかく見て、そう思った。例えば、この『食人鬼(Jikininki)』でいえば、新婚カップルが全然新婚カップルに見えないのである。この人たちは本当に愛し合っているのだな、と思えるからこそ、『忘れ去られる恐怖』が増すのではないか。あるいはなにか意図があってわざとこのようにしたのかなあ。
という文句はさておき、彼らのやっていることはとても独自性のある表現だと思った。私が見た2本はいずれもメインのキャストが外国人であり、日本にきた外国人の目から見た日本を描いているという点で共通している。友利さんのサイトに載っている他の作品を見ると、こちらのプロダクションでは、常に外国人の人たちが製作に関わっているようだ。
私は普段Facebook等で外国の方々と交流しているが、彼らとチャットしていて、よく思うことがある。外国人の目から見た日本というものを知らされることによって初めて、自分の国を知る、自分の国の文化を知るという場面はすごく多い。いつもなにかを発見する。そういうのってきっと誰もが思い当たるだろう。
友利さんとお仲間のみなさんは、いつもそんな風に触発され合って作品をつくっているのかなと思った。楽しそうだなあ。このままずんずん突き進んでいけば、いつかドエライもんをおつくりになるのではないか。ガイジンさんが興味を示す日本の文化といえば、アニメだの漫画だのと相場が決まっているが、そうなのだ、こういう古い文学もスゲーおもしろいのだ。こんな調子のインディーズ映画と出会いたい人にとって、明後日10月5日の上映会は足を運ぶ価値があるだろう。詳細な情報は彼らのfacebookをチェックしてください↓
この上映会では、『食人鬼(じきにんき)』以外にもいくつかの作品があって、こちらの作品もおもしろそうですね↓
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