2011/4/5 (Tue) at 11:28 pm

映画|デッド・アウェイク|Dead Awake

生きたまま自分の葬式を行う不幸男のサスペンススリラー映画。ニック・スタールローズ・マッゴーワンエイミー・スマート。監督オマー・ナイーム。2010年。

デッド・アウェイク / Dead Awake DVDDVD画像

ディランさん(ニック・スタール)はめそめそ男である。

彼が抱える悲しみの真相は映画の後半に明かされるのであるが、この男は10年前に起きた悲劇を忘れられず、毎日めそめそいじいじうだうだするしか能がない、負け犬の人生をやっている。

彼は葬儀屋で働いており、ある日、知人の父親のお葬式があって、高校時代の友達連中と顔を合わせたが、みなさんの冷ややかな反応を見ていると、この男がいかにダメダメかという点がよくわかる。

「えーーー、あれがディランなの?昔はパリッとしてたのに、ヒデー落ちぶれようですわウケケ」

こんな陰口を叩かれ、コバカにされていたところに、ディランさんの高校時代の恋人、ナタリーさん(エイミー・スマート)がやってきた。こちらは快活なカワイコちゃん。

ディランさんはいまでも彼女に未練タラタラなんだが、彼女の方は新しい恋人といっしょである。10年も経ってるんだから、新しい恋人がいて当たり前だ。

ディランさんは家に帰ると、ひとりぼっちで高校時代の幸せホームビデオを見て、いぢいぢしている。そのビデオテープがジャムってしまうというのが、これまた悲しいですなあ。てか、そんなもん、見てんじゃネーヨ!といいたくなるよ。

同朋民族を皆殺しにされたユダヤ人のような落ち込みようで、めそめそ人生を生きるディランさんであるが、彼の上司、アイルランド人の葬儀屋経営者のオッサン(Brian Lynner)とその奥さん(キム・グリマルディ)は、彼にすごく親切である。「友達をつくって人生楽しめ」つって優しくしてくれるんだが、彼は悲しげにヨーヨーをいぢくるばかり。

この男は、いい大人のくせに、いつもヨーヨーを持ち歩いているのである。「手元に帰ってくるヨーヨーは、自分が過去に犯した過ちを思い出させる」んだそうで。「だれでも間違えることくらいあるヨ」と慰められると、すかさずこう答える。

There's a difference in mistakes and regrets.

過ちと後悔は意味が違うんです。

なんつって、うだうだしているの。もうどうしようもないですな、こいつは。でもしょうがないの。だれがなにをいっても彼は救われない。

こんなディランさんは、ある日、葬儀屋のオッサンが冗談まじりにいった台詞↓

You can only really tell a man's character by who shows up at his funeral.

葬式にやってきた人を見れば、そいつの人生がわかる。

というのを聞いて、んじゃ、ぼくの葬式をやってみるか、と思いつく。葬儀屋のオッサンの協力を得て、ウソの死亡広告を出して、葬式をやって、自分の死を悼む人間はこの世にいるのであるかという点を実地で確認してみた。

不幸男が考えつきそうなゲームですな。てか、こんなイタズラに葬儀屋が手を貸すというのはかなり非現実的であるが、映画なので細かいことは気にせずに。

すると、なんとそこに、昔の恋人カワイコちゃんのナタリーさんがバラの花束を持ってやってくるではないか。彼は死んだふりをしつつ、うれしく思う。ニタニタ。不健康ですな。

さて、そこまではよかったが、もうひとり別の女がやってきて、ディランを混乱させる。そいつはチャーリーさん(ローズ・マッゴーワン)という若い女なんだが、ディランは彼女を知らないから不思議に思う。こいつだれだろう。

チャーリーという女は、どういうつもりか知らないが、死亡広告を集めて、死んだ人の顔を見にくるのが趣味の女らしい。彼女はジャンキーのすみかのような汚いところにひとりぼっちでいて、ときどきギャング風タトゥー男にぶん殴られている。

映画の後半クライマックスになると、ディランの悲しみの原因、10年前に起きた悲劇の真相がダダーと明かされ、それに関連して、彼が愛する恋人ナタリーさんと破局した経緯やら、さらに、謎の女、チャーリーとディランとの関係も明かされます。おー、そうだったか。

ダメダメ男の負け犬人生が、哀切感漂う自己憐憫シネマトグラフィで切々と盛り上がるのであります。

トレイラー動画

Dead Awake (2010) trailer

感想

不幸なダメ男の悲哀100%の映画です。最近タテ続けにニック・スタールさんの新作映画を観ましたが、このひと、ぜんぶ似たようなキャラばかりやっていますよ↓

なんでこういう役ばかりくるんでしょう。ハリウッドのキャスティングディレクターの間では、不幸男ナンバーワン俳優としてエリート扱いなんだろうか。

この映画は、オチがおもしろかったですが、やはり『Kalamity (2010)』と同様に、自己憐憫不幸男のうだうだ演技が多いんですね。私は『Kalamity (2010)』の感想で、次のように書いたんですが↓

「人生ポジティブに!」みたいな調子で生きているひとがこの映画を見たらば、おそろしく駄作に思えるでしょう。(中略)でも、負け犬ドラマクイーンに浸りたいひとにとっては号泣する映画なのかもしれない。

この映画の感想もまったく同じだなあ。と思ったら、LA TIMESの記者さんはズタズタのダメ出し↓

A poorly structured and even more poorly shot mixture of a gothic suspense thriller with a vanilla romance filmed in Des Moines, "Dead Awake" never comes close to springing to life.

Though the performers gamely try to make the most of what little they have to work with, the film is murky to look at and unfocused in its storytelling. "Dead Awake" is a deadly snore.

ケチョンケチョンですな。ま、これが正常な人間の反応かな、と思いつつ、でも、そんなにいぢめなくたっていいじゃんか、と思ったりもします。

Kalamity (2010)』に比べると、こちらの方がずっといいですよ。エンディングがおもしろいですし。

最後はハッピーエンドになるんですよ。不幸男が幸せになってよかったですね、という話なんだが、あれを見てたら、実際の話、こんな都合のイイ話が起きるわけないんだよなー、ぐだぐだの不幸男はムシケラとして死んでいくのが現実ってもんだよなー、と複雑な気持ちになりました。そこをおもしろいと思えるかどうかで、評価が分かれる映画なのかもしれない。

エイミー・スマートさんはよかったですよ。彼女はこの映画ではナースをやっています。彼女がナースなんてへんなのと思ったら、おそろしい台詞をしれーとしゃべっていました。10年ぶりに再会したディランさんに、

「あたし、いまナースやってんだけどさ、へたくそなもんだから、あんたのところに(つまり葬儀屋に)2、3人送り込んだかもしれない。がははは」

なんつって、さすがチェリオスが惚れた女だけのことはあるな(Crank。邦題『アドレナリン』)とおもいました。はははははははは。

Memorable Quotes

Dylan: Cause of death?
Decko: High speed car crash. Very romantic. Very sensational. Very James Dean.

Decko: Showtime, Dracula.

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原題: Dead Awake
別題: Мъртвешко пробуждане
Dead Awake
Dylan's Wake
制作年: 2010年
制作国: アメリカ
公開日: 2010年12月3日 (アメリカ)
imdb.com: imdb.com :: Dead Awake
監督
脚本/原案
出演
プロデュース
シネマトグラフィ
編集
キャスティング
プロダクション・デザイン
セット制作
衣装デザイン
視覚効果(Visual Effects)
特殊効果(Special Effects)
Makeup
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