2011/1/17 (Mon) at 6:04 pm

映画|怪談蛇女

母はイビリ殺され、娘はてごめにされる。貧乏村で虐げられる人々の怨念が出てきて、わるもんを懲らしめるホラー映画。河津清三郎桑原幸子西村晃賀川ゆき絵山城新伍。監督 中川信夫。1968年。

怪談蛇女 DVDDVD画像

ときは明治初頭。場所は北陸の陰気な貧乏村。

よくばり地主、大沼長兵衛(河津清三郎)は大きな屋敷に住み、村の貧乏小作人たちをムシケラ呼ばわり、いぢめて、搾取して、やりたい放題。わるもん人生を楽しく送っていた。

その息子(山城新伍)は道楽者の不良男で、地主の妻(根岸明美)は女中いぢめが大好きなサディストババアである。

さて、この村に住む弥助(西村晃)は『骨の髄まで貧乏小作人』といった風情の男である。彼は地主の借金の取り立てに怯えつつ、ある日、悲しく病死する。

残された母娘(月丘千秋桑原幸子)は畑を取り上げられ、地主の家に連れていかれて、タダ働きをやらされる。朝から晩までコキ使われた挙げ句、母はイビリ殺され、娘は地主の不良息子にてごめにされて自殺。あー。

冷血地主一家にとっては、ムシケラ使用人の死亡なんて、余興以下の退屈な出来事であり、彼らの次なる関心は息子の縁談話であった。かわいい白無垢のおよめさんがやってきて、盛大なお嫁入りパーティが開かれるが、そこに、無念に死んでいった貧乏人たちのオバケがジャジャーンと出てくる。わるもんたちは狂わされていく。

全編、暗くて悲しい雰囲気で進行します。伴淳三郎丹波哲郎の豪華スターもチョイ役で出演します。

トレイラー動画

怪談蛇女 (Snake Woman's Curse) (1968) trailer

感想

この前、インドのヘビ女映画『スピーシー・オブ・コブラ (2010)』を観たら、こっちも観たくなりました。ジャパンのカルトクラシック、中川信夫の『怪談蛇女 (1968)』です。

蛇女!といっても、死んだ女がヘビに変身して襲う、というのとは違うのですね。ヘビになるのは、賀川ゆき絵演じるおよめさんで、彼女はなにも知らずにノコノコやってきた部外者です。てか、実際には彼女がヘビになるんじゃなくて、それは幻みたいなもんで、わるもんの山城新伍の目には彼女がヘビ女に見えちゃってオタオタする。しまいに狂って死んじゃうということで、つまり、賀川ゆき絵にとっては、こわがらせの道具に使われ、とんだとばっちりの大迷惑ですが、この展開は『東海道四谷怪談 (1959)』と似てますね。『東海道四谷怪談 (1959)』では、血迷った伊右衛門が、新ヨメを小岩さんのオバケと勘違いし、ズダーンとブッ殺してしまいましたから。

東海道四谷怪談 (1959)』の場合は『伊右衛門 vs お岩さん』という、突出したキャラがいて、天知茂はひたすら陰気に狂いまくり、若杉嘉津子はひたすら陰気に「うらめしやー」とやっているという、その凝縮感/デスマッチ感としてはあちらの方が上かもしれないと思うんだが、『怪談蛇女 (1968)』では、その代わりに、登場人物が多彩で、丹波哲郎だの、伴淳三郎だのとにぎやかし脇役陣もたくさんいるんで、ドラマとしておもしろくなっているかなとおもう。飽きさせないような工夫点が随所にある。

東海道四谷怪談 (1959)』も『怪談蛇女 (1968)』も、公開当時の観客にとってはおそろしかったとおもいますよ。「闇の中には得体の知れないものが潜んでいる」という点を、大人も子供も本能的に察していたでしょ、きっと。だからこういう話は背筋が凍るもんがあっただろうと推測します。

また、昔の価値観として、

「どんなに残忍なわるもんでも、心の奥底では地獄に堕ちることをおそれている」

という了解点があったのですね。でもいまはそういうのがあまりないですね(私も含めて)。あー。寂しいような懐かしいようなきぶんで観ました。

US版DVDのほうが安いよ

古い日本映画のDVDは海外でもたくさん出ているので、そっちの方が安くていいですね。この映画だと22.49USD↓

Special Features:

  • New, fully restored anamorphic widescreen transfer mastered in high-definition from Toei's original vault elements
  • Japanese language with newly-translated, removable English subtitles
  • Audio commentary by Japanese film scholar Jonathan M. Hall
  • Original Japanese theatrical trailer
  • Nobuo Nakagawa poster gallery and biography
  • Liner notes by Japanese film scholar Alexander Jacoby
  • Reversible cover with original Japanese poster artwork

日本版だと4725円もする↓

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原題: Kaidan hebi-onna
別題: Ghost Story of the Snake Woman
Snake Woman's Curse
邦題(カタカナ): 『怪談蛇女』
制作年: 1968年
制作国: 日本
公開日: 1968年7月12日 (日本)
imdb.com: imdb.com :: Kaidan hebi-onna
監督
脚本/原案
出演
プロデュース
音楽
シネマトグラフィ
編集
プロダクション・デザイン
Second Unit Director

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