映画|処刑島 みな殺しの女たち|ブラック・ロック|Black Rock
3人の幼なじみ女が無人島にいったらヒデー目に遭うホラー映画。ありがち設定ながら一段抜けたおもしろさ。ケイティ・アセルトン、レイク・ベル、ケイト・ボスワース。監督ケイティ・アセルトン。2012年。
幼なじみの女トリオが集合。
年の頃は30前後の熟女のみなさんが、子供の頃に遊んだ小さな無人島にいって、キャンプ遊びをしようという話だが、これにはサプライズが用意されていた。
この週末企画を考えついたのはサラさん(ケイト・ボスワース)で、彼女がアビーさん(ケイティ・アセルトン)とルーさん(レイク・ベル)を誘ったんだが、どちらにも「ふたりだけで遊ぼう」と述べたのである。
なぜこんな嘘をついたかというと、ケンカしている友達同士を仲直りさせたかったからである。6年前に男がらみの事件があって以来、アビーとルーは大ケンカの末に、顔を合わせなくなった。ふたりをよく知るサラさんは、昔のように3人で遊びたいわ、という気持ちで、わざわざこんな手を打ったのである。
待ち合わせの場所で嫌いな相手の顔を見たふたりはブーブー怒る。「ちょっとね。これはむり。わたし、帰る」といいだすが、サラさんはこんな事態を予測していたのだろう。次の言葉を放って、ふたりの足を止めることに成功した↓
「わたし、ガンなの」
これを聞いたふたりはがびーんとショックを受け、たちまち「いくいく」と約束したが、じつは嘘だった。「ひどいひどい!」と怒られたサラは「ガンってのは嘘だけど、人間、いつ死ぬかわからないってのはほんとでしょ。明日、トラックに轢かれるかもしれないのよ」とへんな理屈を述べ「でも、無人島にはトラックは走っていないよ」つって、ふたりを説き伏せたのである。口がうまい女ですね。
てわけで、3人は仲良く、ということはなく、へんなムードで無人島にいく。サラさん的には「いけばなんとかなる」と思ってたみたいだが、やっぱり昔の因縁が再燃し、大ケンカになってしまう。あー。
ところが、ここに別の連中が乱入してきて、彼らはケンカどころではなくなってしまうのです。
誰もいないと思っていた無人島に、ライフルを持つ3人の男たちが不意に出現した。なんだ!とびっくりしたが、よく顔を見たら、その中のひとりは小学校時代の同級生の弟だった。彼はヘンリーという(Will Bouvier)。他のふたりはヘンリーの友達(ジェイ・ポールソン、アンスレム・リチャードソン)。彼らはハンティングをやっていた。
女3人と男3人はいっしょにめしを食い、昔話をして、楽しくやってたんだが、ヒデーことが起きて、アビーがヘンリーの頭を石で殴って殺してしまう。彼らはホラー映画によくあるアーパー調でなく、分別のある大人たちで、そんなことは起きそうもなかったんだが、飲み過ぎて、羽目を外しすぎちゃったのですね。
ヘンリーが死んだと知るや、男ふたりはぐわーと逆上。彼らは元軍隊仲間の戦友同士で、ヘンリーを深く愛していたということだが、「事故だったんですよ。警察にいきましょうよ」という意見に耳を貸さずに殺そうとするっては、人格的におかしいというか、狂ってるというか、広義の戦争犠牲者なんじゃないですかね(擁護するわけでなく、戦争によって変になっちゃった人という意味です)。
こうなると女トリオは逃げるしかない。森の中で散り散りに逃げ回る。相手は銃を持つ元兵士。こっちはかよわい女。武器もない。どうすりゃいいの!殺されちゃう!
とかなんとかやってるうちに、あれほど仲の悪かったアビーさんとルーさんは、お互いに手を取り合い、助け合い、いたわり合い、ピンチ脱出を図るようになるのです。怪我の功名?
トレイラー動画
Black Rock (2012) trailer
邦題『処刑島 みな殺しの女たち』
この映画は邦題『処刑島 みな殺しの女たち』にて、2013年11月1日に国内版がリリース予定だそうです↓
発売日: 2013-11-01
発売元: TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
時間: 83 minutes
言語: 英語
字幕: 日本語
リージョン: Region 2
ディスク枚数: 1
売り上げランキング: 61,071
感想
もしかしてぜんぶサラさんが仕組んだのではないか。こうやってふたりを仲直りさせようとしてるんじゃないの?
なんて読みはハズレでした。女トリオはヒーヒーいって、ガチにヒデー目に遭わされます。お話自体は単純だけど、上手につくってあって、演技もいいから、最後までドキドキだった。
アビーを演じたケイティ・アセルトンは監督兼プロデューサーで、脚本兼プロデューサーのマーク・デュプラスとは夫婦。彼らが中心になってつくった映画です。DVDのオマケに入っているメイキングでは、製作のなりたちや苦労話などを聞けます。やっぱり水のシーンが一番大変だったそうな。
ゴアな特殊メイクは控えめだが、アクションシーンの撮影がすごくうまいです。特に、最後のロングな格闘シーンは、じつに工夫されていた。あれはいいよね。
後半になると、ピーピー泣いていた女たちが「うぉおオオオオリャーーー!」と反撃に転じます。『捨て身の反撃をする女フェチ』のひとにはたまらない映画。余談でありますが、このようなフェチ体質のあなたには以下もオススメです。こっちはゴアゴア↓
私は以前『処刑島 みな殺しの女たち (2012)』のトレイラーを紹介したんだが↓
このときリンクしたMortal Goreさんの記事の中で、監督さんが『バイオレンス・レイク (2008)』『ラスト・ハウス・オン・ザ・レフト -鮮血の美学- (2009)』を引き合いに出しているのを読んだとき、「こんな風に過去作品を例に出すヤツはイマイチが多いんだよなあ」なんて内心思っていたんだが、これは予想外によかったですね。
音楽がいいよ
この映画はスコアがとてもいい。と思ったら、DVDのオマケに『A Thrilling Score: The Music Of Black Rock』てのが入っていた。スコアを手がけたベン・ラヴェットとヘザー・マッキントッシュが音楽製作を語るメイキング映像です。
彼らに与えられた最初の条件は「チェロを使え」というキメだった。これを受けて、ヘザーさんがチェロを弾いて、ベンさんがデジタルで音をアレンジした。映画のシーンに合わせて、チェロを弾くところはすごくおもしろいよ。あんな風に目の前で演奏してもらったらいいだろうなあってかんじで。チェロ以外にもシンバルとかいろんな楽器を使っている。
わざわざDVDにこんな映像が入っているくらいだから、音楽は特に気合いを入れたポイントなのだろう。やはりスコアがいいと盛りあがりが違うよね。私は普段映画を観ていて、作曲家の名前まではチェックしないことが多いから、彼らを知らなかったけれども、ふたりの名前で検索するとたくさん出てくるからすごい人たちなのだろう。ヘザー・マッキントッシュさんはFanTasiaで注目若手の映画作曲家として紹介されていた↓
彼女は『コンプライアンス 服従の心理 (2012)』『The Rambler (2013)』の音楽もやっている。
DVDのオマケ
監督のケイティ・アセルトン
脚本のマーク・デュプラス
オマケはコレだけ↓
- Audio Commentary With Director/Actor Katie Aselton and Actor Lake Bell
- Behind The Scenes Of Black Rock
- A Thrilling Score: The Music Of Black Rock
- Theatrical Trailer
英語字幕つき↓
画像
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Black Rock | |
Terror na Ilha Black Rock - Überleben ist alles | |
『処刑島 みな殺しの女たち』 | |
2012年 | |
アメリカ | |
2012年1月21日 (アメリカ) (Sundance Film Festival) 2012年10月18日 (イギリス) (BFI London Film Festival) 2013年5月17日 (アメリカ) 2013年5月30日 (ロシア) 2013年6月21日 (イギリス) 2013年7月19日 (ドイツ) (Blu-ray and DVD premiere) | |
imdb.com :: Black Rock |
- Mark Duplass :: マーク・デュプラス [imdb] (screenplay)
- Katie Aselton :: ケイティ・アセルトン [imdb] (story)
- Katie Aselton :: ケイティ・アセルトン [imdb] (Abby)
- Lake Bell :: レイク・ベル [imdb] (Lou)
- Kate Bosworth :: ケイト・ボスワース [imdb] (Sarah)
- Jay Paulson :: ジェイ・ポールソン [imdb] (Derek)
- Anslem Richardson :: アンスレム・リチャードソン [imdb] (Alex)
- Carl Aselton :: カール・アセルトン [imdb] (Extra)
- Will Bouvier [imdb] (Henry)
- Carl K. Aselton III [imdb] (Fisherman)
- Tyler Openshaw [imdb] (Extra)
- Stephen Smith [imdb] (Extra)
- Michael Kuhni [imdb] (Extra)
- Ron Green [imdb] (Extra)
- Henry Barendse [imdb] (Extra)
- John Davis [imdb] (Extra)
- Jim Parker [imdb] (Extra)
- Dave Pinkham [imdb] (Extra)
- Lake Bell :: レイク・ベル [imdb] (associate producer)
- Jay Duplass :: ジェイ・デュプラス [imdb] (executive producer)
- Larry Duplass :: ラリー・デュプラス [imdb] (associate producer)
- Mark Duplass :: マーク・デュプラス [imdb] (executive producer)
- Mickey Liddell :: ミッキー・リデル [imdb] (executive producer)
- Jackie Marcus Schaffer :: ジャッキー・マーカス [imdb] (associate producer)
- Adele Romanski :: アデル・ロマンスキー [imdb] (producer)
- Pete Shilaimon :: ピート・シレイモン [imdb] (executive producer)
- Katie Aselton :: ケイティ・アセルトン [imdb] (executive producer)
- Mary Budd [imdb] (co-producer)
- Natasa Jovanovic [imdb] (associate producer)
- Hillary Spera [imdb] (director of photography)
- Laurie Powers :: ローリー・パワーズ [imdb] (digital effects artist: ZaneFX)
- R. Zane Rutledge :: R・ゼイン・ラトリッジ [imdb] (visual effects supervisor: ZaneFX)
- Liz Lash [imdb] (key makeup artist)
- Michele Mulkey [imdb] (custom prosthetics)
- Jackie Zbuska [imdb] (assistant makeup artist)
- Steven J. Berger :: スティーヴン・J・バーガー [imdb] (thanks)
- Victoria Charters :: ヴィクトリア・チャーターズ [imdb] (thanks)
- Shana Feste :: シャナ・フェステ [imdb] (thanks)
- Adam Bowers [imdb] (thanks)
- Patrick Kack-Brice [imdb] (thanks)
- Gaby Clingman [imdb] (thanks)
- Mike DeFusco [imdb] (thanks)
- Toph Eggers [imdb] (thanks)
- Kate Erbland [imdb] (thanks)
- Bobby Hoppey [imdb] (thanks / the producers wish to thank)