2013/6/30 (Sun) at 3:55 pm

映画|ランブラー|The Rambler

ヒッチハイク男が、夢だか現実だかわからないへんな旅を続けるお笑いホラー映画。ゴアゴアあるよ。ダーモット・マローニーリンゼイ・パルシファーナターシャ・リオン。監督カルヴィン・リーダー。2013年。

ランブラー / The Rambler DVDDVD画像

どっかの荒野。

4年の刑期を終えた男が刑務所から出てくる。誰も迎えにこないのかな。と思ったら、チョット遅れて、恋人女(ナターシャ・リオン)が迎えにきた。彼女の家にいったら、昔なじみの友達がいて、出所祝いをしてくれた。

男は女の家に住んで、近所の質屋で働き始める。うるさいオバちゃん(ロビン・リード)にアゴで使われ、黙々と働いていたんだが、ある日、恋人女がガガーと怒って、男は家から追い出されてしまう。さて、どうすっか。と思ったら、ながらくご無沙汰だった弟から手紙がきた。

「兄さん、おひさしぶり。この手紙はちゃんと届くかな。家族はみんなげんきです。最近また子供ができたので、農場の人手が足りなくてこまっています。もしよかったら、こっちにきていっしょに暮らしませんか。仕事はたくさんあるよ」

という文面からして、弟ていうのはフーテンの兄とは大違いのまじめな人生をやっているらしい。男は「いっちょういくか」と心に決め、オレゴンに向けて旅に出る。一文無しのスッカラカンなので、旅の手段はヒッチハイク。荷物はギターケースとポラロイドカメラのみ。

ハイウェイをてくてく歩いて、車が通ると親指を立てて、ずんずんと進んでいく。すると、旅の途中でいろんなひとたちに出会う。こんな連中が登場します↓

発明家の科学者オヤジ(ジェイムズ・ケイディ)... ミイラ2体、そして、得体の知れない電子機械をボロ車に積んで、旅をするオッサン。「この機械はなんですか」と質問したら『人間の夢をVHSテープに録画する機械』なんだそうな。ホエー。オヤジは自分の発明品をたいそう誇りに思っているんだが、悲しいかな、これは不良品であり、被験者の頭を爆発させてしまう。その度にオヤジは落胆し、でも諦めず、次の夢録画をやるんだが、何回やっても爆発する。最後は自ら被験者となり、めんたまボヨーンと死亡する。

謎のカワイコちゃん(リンゼイ・パルシファー)... 道案内娘だったり、ダイナーで働いていたり、歌手だったり、いろんな姿で男の前に登場する。男は彼女と仲良くなるんだが、女が自分の人生に深入りしてくると、彼女との関わりを拒否してしまう。最後は、この娘が片手切断された状態で出てきて、血塗れギャーギャーわめく。ものすごい絶叫演技です。彼女の存在は謎めいているが、伊右衛門にとり憑くお岩さんみたいなもんかなって私は思いました。

インチキ葉巻スカウト男(ポール・ブロット)... 男が酒場で乱闘したのを見て「おまえは大したもんだ。いっしょに稼ごう」つって、男をアングラボクシングに案内した葉巻男は、じつに親切ゲだったが、じつにインチキ野郎だった。「ヤツの左フックに気をつけろ」の台詞はおもしろかった(映画を観たら意味がわかるよ)。

奇形女(Sherril Johnson)... 科学者男の実の娘。主人公の男はこの奇形女に襲われ、ウギャーとわめいても許してもらえず、顔面に盛大なゲロシャワーを浴びた。でも、奇形女はクマちゃんのぬいぐるみが欲しかっただけだった。

タクシー運転手のオッサン(Scott Sharot)... 元救急隊員で、いまはタクシーの運ちゃん。彼にはへんな性愛フェチがあり、『傷ついた女』を見ると異様に興奮する。傷が深ければ深いほど、興奮が高まるそうな。そんなフェチ体質だから、救急隊員には向かなかったのである。彼は片手切断女を見るなり、「おれが助けてやるぜ」といって、自分の車に乗せ、どうするんだと思ったら、ズボンのベルトを外し始めるではないか。傷ついた女をレイプするのかと思ったら、そういうことはなく、女の腕を縛るためだった。はらはらさせやがる。この男は『フランケンシュタイン (1931)』のファンでもあります。

と、まァ、こんな調子の、頭のおかしいひとたちがズラズラ出てくる物語は、夢だか現実だかさっぱりわかりません。主人公男は、常に泰然自若としており、目の前でなにが起きても表情ひとつ変えず、カウボーイハットとサングラスといういでたちで、タバコを吹かし、飄々とした視線を送るばかり。見飽きた再放送ドラマを眺めるようでもある。ときおりギターを取りだし、ジャンジャカ鳴らして、うたを歌う。

旅するギター男は、不感症なのか、無感動体質なのか、度胸があるのか、あるいは単に、ニヒルを気取っているのか、よくわからない。いったいこの映画はナンだ!

トレイラー動画

The Rambler (2013) trailer

感想

私的にはオッケーなんですが、ほんとにわけがわからないので、好みがはっきり分かれると思います。「わけわからん!」と文句をいいながら、最後まで見れたから、上手に説明できないが、うまいことつくってあるのでしょう。

わかんないなりに深読みをするに、これは『女難の男』を描いた映画なんじゃないんですかね。主人公男は、いいヤツなんだけど、あまりに飄々としていて、感情を表に出さないのです。女に優しいからモテるんだが、深い関係を迫られると、なぜか「アバヨ」といってしまう。なんだか寅さんみたいです。

寅さんてのはみなさんご存知の柴又の寅さんですが、彼はいつも美女に恋をし、勝手に舞いあがり、最後にはフラレて旅に出る、という行為を繰り返していますが、極めて稀なケースとして、美女に言い寄られたこともある。ところが、いざそうなると、とたんに逃げ腰になってしまう。甥の満男は寅さんの不可解な回避行動について鋭い考察をしていましたが、私、思うに、「寅さんはさくらのことがいちばん好きだったから」じゃないかなと勝手に想像しています。さくらは実の妹なので恋愛対象にはならないから、彼は心の奥底でブレーキをかけているんだが、美女に言い寄られると、無意識の中でさくらと美女をテンビンにかけるような心の作用が働いて、それでやむなく逃げていくのではないか。なんて。

この映画の主人公男にとっての『さくら』はどこの誰だったのか。明確には明かされませんでした。でも彼の中にもそんな運命の女がいたのだろう。と思わせてくれたという点で、よい映画でした。いや、ほんとにわけがわからないんだけれどもさ。

そんな感想を持ったので、監督さんに「これは女難の男を描いた映画なのであるか」と問いかけをしてみましたが、まだへんじをもらえません。なんかすごくハズした発言だったのかしらん。ひー。ま、でも、そのうち返事をくれたらいいなと。

The Rambler (2013)』はいろんな解釈ができる映画だと思います。映画の記号を読み解くのが好きな方は、いちどご覧になってください。んで、あなたの解釈を教えてください。

Blu-Ray/DVDは発売中

私はiTunes USで見ましたが、最近Blu-Ray/DVDも発売されました↓

『The Oregonian』てのもあるよ

カルヴィン・リーダー監督の別の作品で『The Oregonian (2011)』てのもあるんですが↓

The Oregonian
The Oregonian Official Site

これにもリンゼイ・パルシファーが血塗れで出てくるんだが、IMDbのPlotにはこう書かれてある↓

A woman leaves the farm and enters the unknown.

ひとりの女が農場を離れてへんな世界にいっちゃう。

なんだかわけわからない映画ばかりつくっている監督さんみたいです。

Memorable Quotes

The Scientist: The shape of her head is near perfect. It's... it's like a... fleshy brunette planet.

Dale: Watch his left hook.
The Rambler: Fuck!

The Girl: You never play that guitar.
The Rambler: I don't have a song.
The Girl: Still keeping it all in. All that mystery does make a girl wonder. You take me for granted, but I do love you. Something wrong, sugar?
The Rambler: I didn't expect to see you. Guess I should have.
The Girl: Sorry if I startled you... We belong together. We belong together. Come with you, come with you, come with you, come with you...
The Rambler: I might go back outside, I guess.
The Girl: No. I told you I was gonna come with you.

Bob: How'd the road treat you?
The Rambler: She's cursed.

The Rambler: Dearest brother, I am sorry to say that I will be leaving you and will be long gone by the time you read this. I do appreciate your taking me in and it was damn nice to see you. But in my travels, I have found my only true home is the highway, I wish you the best, and take care of that family of yours. Sincerely.

The Driver: I like injured women. A lot. The worse, the better. The bigger mess, the more the blood, the closer to death, I just fuckin' love it. Doesn't even matter what they look like either. I'm more attracted to the most fucked-up ones.
The Rambler: You sure open up quick.
The Driver: Obsession got to be a problem on the job, so I had to change careers.
The Rambler: Oh yeah? Someone find out?
The Driver: Everyone!

The Driver: Holy shit. She's back! A real live Frankenstein! In color!

The wind blows that is riding free
The swallow's wing I've been following
I've seen sunsets
Stars above
Lovely moon and a turtledove...
I've passed through the mountain air
But the mountain's much too proud to care
Eternal, I just watch the show
Seen us come and they'll see us go
Workers work, the wheels do turn
Let the lovers love, the fires burn
But the traveler, he goes alone
The endless blues all day long
Blue gas and wine, we get to heaven primed
On a sundown's dying spree
Painted on the cathedral sky
By the hands of mystery
Slow are the days
Long are the ways
They all go to the same place...
Still wedded by that setting sun
The laws hold, planets spin
They do not know where I have been
The wind has always known my name
It was long forgotten by the rain
Aimless
My direction gone
The wind will blow where I belong
The wind does stop and the feather drops
To the ground and in the eaves
I'll drop my sail if it kicks a gale
For the drifters and the thieves
Long are the days
Slow are the waves
Took its time, told my fate
Brother wind is at the gate
Brother wind is at the gate

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原題: The Rambler
別題: Wędrowiec
制作年: 2013年
制作国: アメリカ
公開日: 2013年1月21日 (アメリカ) (Sundance Film Festival)
2013年9月8日 (フランス) (L'Étrange Festival)
2015年4月23日 (ドイツ) (DVD & Blu-ray発売)
imdb.com: imdb.com :: The Rambler
監督
脚本/原案
出演
プロデュース
シネマトグラフィ
編集
キャスティング
プロダクション・デザイン
アートディレクション
衣装デザイン
視覚効果(Visual Effects)
特殊効果(Special Effects)
Makeup
謝辞

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