!!!! SPOILER ALERT !!!!
!ネタバレ注意!
本ページは『映画|ジェイミー・マークス・イズ・デッド|Jamie Marks Is Dead』のネタバレ全開です。この映画の普通の(ネタバレのない)レビューはこちらにあります↓
ネタバレ結末
映画の冒頭。
ママが交通事故に遭う。そのせいで彼女は車イス生活になってしまう。事故を起こしたのは近所に住むオバちゃんだった。ところが、このババアが悪びれもせず、ちょくちょく家に遊びにきて、ママの話し相手になっているのである。
アダムはオバちゃんを大嫌い。「なにしにきやがった!ママはおまえのせいでこうなったんだぞ!」と怒る。至極当然だが、当のママは「あれは事故だったのよ。わたしの友達を悪くいわないで」なんていうし、ババアの方は「アダムちゃんは思春期だからたいへんよねー」なんていけしゃーしゃーという。
アダムは腹が立ってしょうがない。ところが、よりによって、このババアが涼しい顔でこんな台詞をいう↓
Lucy: Fate brings people together for a reason.
「人は運命によってくっつく」
イヤミなババアが映画の主題を貫く台詞を放っていたというのは皮肉めいていますね。これをやりたかったゆえに、わざわざ手の込んだサブ話を入れたのかね。と思った。
こんなホームドラマがありつつ、ジェイミーオバケはアダムにとり憑き、「耳元で言葉を囁いてほしい」とかいう。言葉はなんでもいいそうだ。アダムがいう通りにしてやったら、ジェイミーオバケは「アッハーン」とかいって、イッちゃった顔をする。オバケの中にもいろんな性癖があるものだ。アダムはこんなオバケがかわいそうになり、うだうだと話し相手になるうち、いっしょに家出してしまう。
どこにいくんだと思ったら、オバケが「友達の家にいこう」つって、フランシスなる少女オバケが住むボロ納屋に案内した。ところが、この少女オバケは親に虐待されて死んだそうで、そのせいで、大いなる怒りに囚われており、毎日自分の両親をブッ殺すということをやってて(ここらへんの描写はうまく書けないが、あっちの世界にいっちゃったということだろう)、死んでも怒りまくっている女だったので、アダムと口論になり、アダムは彼女の家に火をつけて燃やしてしまう。少女オバケは猛烈に怒る。
その後、アダムとジェイミーオバケはふたりきりでおきらくな漂流生活をし、それなりに楽しそうだったが、そんな逃避行動はすぐに破綻する。アダムはおまわりさんに見つかって家に帰された。そこに怒りの少女オバケがやってきて、アダムはヒーヒーいってこわい目に遭わされる。こえー。
このあたりからアダムは後悔をし始める。オバケを助けようとしたなんて大間違いだった。と気づいた。
最後。
カワイコちゃんのグレイシーは死体の第一発見者だったが、彼女はそのとき遺書を見つけたんだけど、誰にもいわずにとっておいた。彼女はそれをアダムに渡して、読むようにいう。
アダムはそれを読んで、ジェイミーは自殺したと知る。
そして、ジェイミーがひそかにアダムに恋していたことを知る。と思うが、ここはあいまいである。アダムが手紙を読みあげるシーンでは、ジェイミーが殺したい相手の名前をずらずら読みあげて、色んな名前をいって、「アダム以外の運動部のヤツラぜんぶ」といって、最後にmyselfっていう。だから自殺だとわかったが、その中に、きっと、ゲイ少年が死ぬ前に書いた恋文があったのだろうと私には思われる。が、これは私の想像だ。
ジェイミーはゲイだったのか。ゲイだったのだろう。臆病なゲイ少年が常にそうであるように、「ぼくは友達になりたかっただけだよ」という言い訳をいつでもできるよう、「親友になりたい」路線で責めてくる。そこが切ない。
ジェイミーオバケの目的はアダムにとり憑いてあっちの世界に連れていくことだったんですね。やっぱり牡丹灯籠だ。
アダムはグレイシーさんといっしょにオバケを説得する。「きみはあっちのひとなんだから、あっちにいけ。おれらにつきまとうな」てなことをいう。ジェイミーはえらく興奮し、怒って石をぶん投げたりしていたが、最後は了承する。
最後の最後。
ジェイミーオバケはアダムに付き添われて、山のトンネルに入っていく。あのトンネルについてはまったく説明はなかったが、たぶんあの先に三途の川があるのだろう。ふたりは悲しくお別れをする。アダムは最後にオバケの耳元でLOVEと囁いてやった。そしたら、オバケは「グレイシーにもそれを伝えて」と泣けることをいって、やっとこさ、彼は成仏できましたよ。
Jamie: Tell that to Gracie for me too, okay?
おしまい。
最後の場面は「アダムはついていっちゃうのかね。でもまさかね」と考えて、スゲーどきどきした。
以上がこの映画のネタバレだが、これはかなりハショっている。色んな演出が楽しい映画なので、みんなも見るといいですよ。なにか解釈を思いついたら私にも教えてください。
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