映画|アウトポスト37|Outpost 37

2021年。

空からエイリアン襲来。戦争勃発。犠牲者多数。たいへんだ。わーわー。

1年後。

エイリアンは唐突に攻撃を中止し、宇宙に去っていった。勝手にズカズカやってきて、派手にブッ壊して、勝手に去っていったということで、いったいなにをやりたかったのか、誰にもわからない。

敵がいなくなったのはいいが、地球上にはまだエイリアンがたくさん残っている。ヤツラは仲間を置き去りにしていなくなっちゃったから。こういうのは困りますね。果たして危機は去ったといえるのだろうか。急にいなくなったんだから、急に舞い戻ってくる可能性だってあるわけです。

という状況で映画は始まる。人類はUSDFなる防衛組織をつくり、各地に潜んでいるエイリアンを掃討している。

ここはパキスタンとアフガニスタンの国境付近の荒野。Outpost 37と名づけられた前哨基地がある。この付近は隠れエイリアンが多くて、危険地帯とされている。基地には10人程度の兵士がいて、毎日闘っている。

ところが、彼らが闘う相手はなぜかエイリアンでなく人間なのだ。ターバン巻いた現地の兵士がズダダーと襲ってくる。兵士はズダダーと応戦する。なぜ人間同士で闘っているのであるか。という疑問が湧くが、これには込み入った事情が説明されて、いわゆるヨーロッパの紛争地域のNATOを取り巻く状況みたいなものかなと思うが、詳しくは映画を見てください。

はっきりいってここらへんの細かい話はどうでもいいのである。エイリアン出せ！エイリアン！

なんつってたら、ようやく出てきましたよ。安っぽいメタル怪人が。彼らは人間を拉致して、マインドコントロールする手術をやっているらしい。兵士の誰かも拉致されてしまう。

ところで、この映画では、エイリアンのことを『へヴィーズ（Heavies）』と呼びます。

尚、この映画はジャーナリスト男のカメラが映したファウンドフッテージという形式で始まるが、途中からその設定はどうでもよくなっていくので、本式のPOVとはいえないだろう。

トレイラー動画

Alien Outpost (2014) trailer

感想

トレイラーを見るとなんかすごそうじゃん。『スカイライン-征服- (2010)』か『世界侵略:ロサンゼルス決戦 (2011)』みたいなもんかねと思うじゃないですか。ぜんぜんちがっていた。

トレイラーのVFXはなかなかのもんだが、映画ではあれ以上のものは出てこない。ビルが倒壊したり、人々がうわーって逃げたり、そういうのナシ。物語は荒野だけで進行する。

戦闘シーンはまぁまぁいいが、お涙頂戴場面が多くてだるーい。仲間が死んだら「いまこそ神に祈るときだ」とかいって、陳腐な感動台詞を長々としゃべっているのである。なにをいってるんだこいつは。と思った。あのなー。「いまこそマーク・ダカスコスを出すときである」という点に気づいてほしかった。

あのメタル怪人とダカスコス兄貴が闘ったら、さぞかしファンは喜ぶだろう。ヌンチャクですよ。チャンバラですよ。それをやらずに、なにをぐだぐだといっているんだ。

見るからにダカスコス兄貴と闘わせたくなる怪人エイリアン

この人が出ていればすべては変わっていたに違いない

だいたいさ、あの兵士たちが地球を守っているというのは、チト大げさすぎるのではないか。よほど想像力をたくましくしないとお話についていけないではないか。これですよ↓

地球を守っている前線基地のみなさん
しょぼーい

ジャバー・ライサニという監督さんは元々VFX専門で、HBOの『Game of Thrones』他、いくつかの作品のVFXをてがけている。たしかに銃弾が飛び交う戦闘シーンなどはうまいことつくってあった（ありきたりではあるが）。だからもっと低予算なりの小さな規模の脚本を採用すれば、まぁまぁいいのがつくれるんじゃないかなと思った。

と、まァ、パッとしないレビューになったが、いつものお安い低予算だとわかっていれば、そこそこ楽しめたのかもしれない。

『アウトポスト37 (2014)』はただいまiTunesUSで公開中。

Alien Outpost

Release Date: 2015-01-30
Studio: IFC Film
Run Time: 93 minutes
Subtitles: English
Rated: Unrated

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