2014/6/7 (Sat) at 7:27 pm

映画|エイリアン・クロール|Crawl or Die

敵に追われて走れない!這って這って這い回る!『極限的閉所恐怖』をとことん描いたホラー映画。ニコル・アロンソトリイ・バーントミー・バル。監督オクラホマ・ウォード。2014年。

エイリアン・クロール / Crawl or Die DVDDVD画像

近未来。

OVTウィルスていうのが蔓延。人類は絶滅の危機に瀕している。絶体絶命のピンチにおいて、妊娠可能な女は地球上でたったひとりになってしまった(トリイ・バーン)。どんな犠牲を払ってでも、この女性を守り抜かねばならない。

人類は第2の地球(Earth 2)に向け、移住計画をやる。かくして精鋭チームが選ばれ、重要任務が言い渡された↓

「彼女を連れて7ヶ月間の宇宙旅行をしろ。着陸地点から60メートル離れた場所まで護衛して連れていけ。本人が泣こうがわめこうが痛がろうが君らの知ったことではない。とにかく生きた状態で目的地に到達しろ。この女を死んでも守るのだ」

『彼女』と書いたが、映画の中ではこの女性は名無しの積み荷扱いで『パッケージさん』なんて呼ばれて、ちょっとかわいそうである↓

This package gets delivered.

護衛するといっても、お姫様のように扱ってもらえるわけでなく、それどころかモノ扱い。ま、この上なく大事な荷物なんですが。

こんな設定で始まるんだが、なにしろこの映画はお安いインディーズなので、宇宙船は出てこないし、冷凍睡眠の場面もない。目的の惑星に着いたらいきなり森で正体不明のバケモノにガガーと襲われる。という場面から始まる。

チームのみなさんはひーこらいって応戦しつつ、暗闇を逃げ回り、地下トンネルに逃げ込む。バケモノはきもちわるい音をたてて、執拗に追ってくる。トンネルはどんどん狭く小さくなる。でも後戻りはできない。そうこうやるうち、兵士はひとりづつやられて、最後はトサカ頭の女兵士タンクさん(ニコル・アロンソ)とパッケージさんだけになってしまう。

ひたすらに狭いところを這い回るだけの場面がえんえんと続きます。小さな隙間を見つけて、スライムのように入り込む。『閉所恐怖を描く』のみに注力してつくられた異色の低予算インディーズのホラー映画は、ジグモの穴に落ちたアリンコのきぶんになれるよ。ほんとまぢで。

Tank: We got to crawl!

「這い進めー!」

映画の制作者がつくった日本版トレイラー

かなり異例なことでありますが、このトレイラーは「日本のみんなに見てほしい」との願いから、映画の制作者が自ら製作したものです。日本語の部分は私が書きました。みてみて。

エイリアン・クロール (2014)』トレイラー

ネズミツオさんに「走れない!」を褒めてもらってスゲーうれしかった!

感想

観た直後の感想がこれだった↓

この言葉は誇張ではありません。映画の大半はトンネル内で起きる。ひーひーいって逃げ狂い、這い進むだけの映画です。『Crawl Or Die』という原題の単純設定を、とことんやってみたよという調子。

これでもかこれでもかと七転八倒し、狭い隙間に身を押し込んで悶絶します。あんなことをやっていて、首と腰は大丈夫なんでしょうか。これからは、護衛の任務にいくときは、アンメルツを持っていくことをおすすめします。

私はほっとしましたよ。1年前からこの映画について何度も記事を書いた↓

「こんなに推しまくってダメ映画だったらどうするんだ!」という危惧が常にあった。でもこれならおすすめできる。もちろん大予算のエイリアン映画と比べたら地味だしショボいが、インディーズ映画のトガリ感やったれ感が確かにあった。バケモノの造形は『エイリアン』にそっくりだけれども、結末を見れば「これはお安いパクリ映画なんかではなく、オマージュ映画なのだな」と感じられるだろう。

エイリアン・クロール (2014)』は3部作を予定している。トサカ頭のタンクさんはなんとなくリプリーとダブるよね。リドリー・スコットが描いた『エイリアン』を想起させつつ、あれとはまた違うストーリー展開を予感させる。このPART1が売れたら、2と3はもっと潤沢な予算を得られるだろう。そうなればもっとよくなるんじゃないかな。

映画を見てから感想をpostするのが少し遅くなったら、あとから、制作者のニコルさんとオクラホマさんに「なんにもいわないからスゲー心配だった!よかった!うれしい!」といわれたもんで「あっちも同じきもちだったんだな」と思った。

考えてみればそうだよね。私に色々と資料を渡して、宣伝させて、さて公開の段になり、この私が「ヒデー映画だ。がっくりした」なんて書いたら、彼らは大打撃になってしまうだろう。いや、この私にそんな影響力はないけれども、この映画に関しては、これまで何度も記事をpostした経緯があるから。信じてやってきてよかったと思った。

ウケてうれしい!

日本のファンに超アピール!

この映画の制作者コンビ、タンクを演じたニコル・アロンソさんと、監督のオクラホマ・ウォードさんは、鬼気迫る勢いで日本のファンにアピールし続け「わたしらの映画をみてみてみてみてみて」とメッセージを発し続けている。試しにtwitterやfacebookで『エイリアン・クロール』についてpostしてみよう。あなたの発言はたちまち彼らに追尾され、ジャンジャカRTされ、シェアされ、サンキューメッセージが届くだろう。狭いトンネルに逃げ込んでも、彼らからは逃げられない。そればかりではなく、日本向けのポスターやら、トレイラーやら、果てはTシャツやバッグまでつくってしまった。詳しくはこの前書いたこちらの記事を見てください↓

日本の配給さんがつくったポスター↓
映画|エイリアン・クロール|Crawl or Die ポスター

さらに制作者がつくったポスター↓
映画|エイリアン・クロール|Crawl or Die ポスター2

これも彼らがつくった↓
映画|エイリアン・クロール|Crawl or Die ポスター3

グッズまで!
映画|エイリアン・クロール|Crawl or Die Tシャツ映画|エイリアン・クロール|Crawl or Die Tシャツ2

こちらで買えます↓

crawl-or-die-shop-screenshot
Crawl Or Die -Shop

こんなことをやるのは、もちろん商売だからである。日本で6月に出たあと、こんどは8月に北米リリースするらしい。そこで「日本ではこんなに売れた」と宣伝したいから、ここは気合いを入れて、強調しておきたいのだろう。近頃発表されたプレスリリースでは、まさにそのように書かれてある↓

そうはいっても、いくら商売のためだからといっても「ここまでやるか」の根性は大したものである。かつてこれほどに情熱を注いで日本のファンにアピールするインディーズ映画製作者がいただろうか。もしあなたが『エイリアン・クロール (2014)』を観て気に入ったら、彼らを応援してください。こういうひとは貴重ですから。

いちおういっておくが、私はこの映画のスクリーナーやその他なにか特別なものをもらったわけではない。みなさんと同じようにDVDを買って観たんですよ。

邦題『エイリアン・クロール』

この映画は邦題『エイリアン・クロール』にて、2014年6月3日に国内版がリリースされました↓

レンタルもあるよ↓

日本の配給はなにをしているんだ

日本リリースの前にトレイラーの記事をアプして以来、twitterではちょっとしたお祭り状態が続いている。みなさん、読んでくれてありがとう↓

他にもたくさんあるが、ぜんぶ載せられない。洩れた方にはすません。発売日を過ぎたらどんどん増えてきている。おおむね好意的な評価を得ているようだ。みてみて↓

こんな風に盛り上がるのは誠にもって結構だが、しかるに、この状況において、じつに不思議なことに、配給のファインフィルムズさん(@finefilms_inc)はずっとダンマリ状態である。RTもしてくれないし、なにもいってこない。もしかして私のことを嫌いなんだろうか。恨まれる覚えはないんだが。

私は『エイリアン・クロール (2014)』を見るにあたり、DVDを2枚も買ってしまった。発売前にアマゾンで予約をしたのに、当日になったら品切れで数週間も納期が遅れるというから、仕方なく別の店を探して買った。後からアマゾンの注文を取り消せばいいやと思っていたら、私の不平をニコルさんが配給に伝えてくれたそうで、すぐにストックが充填され、予定よりも早くきてしまった。だから2枚。

6000円の金額を払っているのだから、多少の文句はいわせろという気分である。RTくらいしてくれてもいいんじゃないの?まぁ、いいや。なにか考えがあるのだろう。せめてお店の在庫は品切れにならないようにしておいてくださいよ。

ところでDavid Paul Bakerさん

映画の中で登場するスナイパーさん(最初に死ぬひと)はデヴィッド・ポール・ベイカーさんといって、彼はUKのインディーズ監督である。いくつか過去記事をリンクします↓

上にリンクした『Screen』という映画にはニコルさんも出ているよ。いまvimeoで3ドルで観れます。『エイリアン・クロール (2014)』で彼女のファンになった人はGo for it!

私はずいぶん前にデヴィッドさんの新作『Crime Lord』のリンクをもらっていながらまだ観ていない。すません。遅くて。観ます。

Hey David, your acting was great! I enjoyed so much. And I am so sorry for being late to get back to you since I had received the link to your new film. Give me some time. I'll watch it.

Attn to all people those who involved with this film

Great job done. It's a gem. I really enjoyed it. Who am I? Well, I'm NOT the one of the press persons those who automatically write good words every time no matter what they see. Definitely no. I'm just a horror fan. Actually you guys have been doing great. Not only creating a great film, but the way of expressing yourself to Japnese fans impressed me a lot. You are extraordinary. I support you guys. You have my word.

制作者コンビの日本のファンに向けてのお言葉

ちょと追記をします。

ニコル・アロンソさんとオクラホマ・ウォードさんのお言葉↓

We are so grateful for the overwhelming energy and love coming from Japan upon the release of our film. It makes us both very proud and humble watching the international crowd connect with our film. We greatly appreciate all the support, retweeting, picture sharing and story sharing that's happening across all social media platforms. Thank you deeply!

日本で公開するにあたり、日本のファンのみなさんから圧倒的な情熱と愛を頂きました。海を越えて寄せられたみなさんの声を聞き、私たちは大いに誇りに思い、また同時に恐縮しています。いろんなソーシャルメディアを通して、応援してくれて、retweetをしてくれて、画像やお話をシェアしてくれました。本当にありがとう。

追記以上。

関連リンクイロイロ

彼らはtwitterも活発にやってるので、みんなもフォローするといいですよ↓

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原題: Crawl or Die
別題: Crawl or Die
Alien Crawl
Crawl Bitch Crawl
邦題(カタカナ): 『エイリアン・クロール』
制作年: 2014年
制作国: アメリカ
公開日: 2014年6月3日 (日本) (DVD)
2014年8月12日 (カナダ)
2014年8月12日 (アメリカ)
imdb.com: imdb.com :: Crawl or Die
監督
脚本/原案
出演
プロデュース
シネマトグラフィ
編集
特殊効果(Special Effects)
Makeup

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