2014/2/1 (Sat) at 5:18 pm

映画|パラサイト・クリーチャーズ|Blutgletscher

ベルリン・オブ・ザ・デッド (2010)』監督の第2弾は『遊星からの物体X (1982)』風の低予算SFホラー映画。2013年TIFFの話題作。ゲルハルト・リーブマン。監督マーヴィン・クレン。原題『Blutgletscher』。2013年。

パラサイト・クリーチャーズ / Blutgletscher DVDDVD画像

ここはアルプスの山。

世界各地で異常な気象が観測される中、極寒地帯の気候観測基地では、ドイツ人科学者たちが泊まり込んで働いている。ワンコもいます。

山に設置した機械の調子が悪くなったというので、様子を見にいったら、岩山が血を浴びたように、真っ赤に染まっていた。誠に以て異様な風景。

基地の世話人管理人のヒゲ男(ゲルハルト・リーブマン)と、科学者男(ピーター・クナーク)はその異様さにあっけにとられてしまうが、いっしょについてきたワンコは洞窟に入り込み、何かに襲われてキャイーンと鳴いた。

その後、基地に戻ったら、ワンコは具合が悪くなって寝込んでしまい、そればかりか、基地の周辺にへんな怪物が出てくるではないか。みんなはびっくり。

大きなダンゴムシ、ミュータントヤギ、凶暴黒い鳥、キツネ(なのかな)が変異したような四つ足のバケモノ、そんなのがウジャーと出てきて、いったいこれはなんですか。と思ったら、科学者先生の女が自説を述べた。

彼女がいうに、新種の寄生微生物が発見されたそうで、これは、異なる生物同士のDNAを合体させ、ミュータント生物をつくりだしてしまうという、なんともはや、単純かつおそろしい敵なのです。こんなのがほんとにいたらこわいよね。

たとえば、感染キツネが昆虫を食ったら、胃の中で昆虫とキツネの合体生物が生まれる。おへそを破って出てくる。という話を科学者先生が絵を描いて説明してくれました↓

「キツネさんが虫を食べたら、ほれ、こんなかんじヨ」
映画|ブラッド・グレイシア|Blood Glacier (The Station) 説明 画像

こんな前代未聞の異常事案が発生しているところに、オバちゃん政治家先生(ブリギッテ・クレン)のご一行が、おきらく視察旅行にやってくる。みんなまとめてヒーヒーいわされる。この中には、ヒゲ男の別れた前妻(エディタ・マロヴチッチ)が混じっている。ふたりは気まずく再会。いっしょに闘ううち、過去を許し合う。という人間ドラマもある。

いろんな形態のミュータント生物が出てきて、ガオーと大暴れ!おもしろい!『遊星からの物体X (1982)』オマージュ心にあふれたオーストリアのホラー映画は、低予算ながら気合いの入った一発です。

トレイラー動画

Blood Glacier (The Station) (2013) trailer

感想

パラサイト・クリーチャーズ (2013)』は去年のTIFFの話題作で、どんなもんかなと期待したが、なかなかよかった。つっても『遊星からの物体X (1982)』ほどのスケール感はない。グロ怪物の出来はあれほどではないし、巨大UFOは出てこない。そこまで期待しないで。でも、おもしろいよ。

マーヴィン・クレン監督は、カツカツ低予算ながら高評価を得たゾンビ映画『ベルリン・オブ・ザ・デッド (2010)』に続き、これが2作目。今後も期待。彼は以下の話題作にもpick upされている↓

この映画のバケモノは上に書いたような設定なので、虫でも鳥でも動物でもいろんな生き物に感染し、新種のモンスターができちゃう。だからいろんなヤツが出てくる。

そこが楽しいんだが、本作品も前作並に低予算で、モンスターをもう少しはっきり映してくれたらよかったのにという不満はある。これがギリギリ限界なのかなと思った。

政治家のオバちゃんがおもしろかった。こんな大騒ぎをしているところに、福島瑞穂がやってきたら迷惑このうえないですよね。勘弁しろって思うよね。死ねコノヤロだよね。

ところが、意外や意外、このオバちゃんは大活躍をするのですよ。こわがる人々を勇気づけ、怪物を相手にドカドカ闘い、カワイコちゃんの足をメスで切って摘出手術もやる。なかなかの肝っ玉ぶり。この台詞は大爆笑↓

「泣きながらバナナを食べるのはやめなさい!」
映画|ブラッド・グレイシア|Blood Glacier (The Station) 1 画像

闘う女政治家!
この絵は選挙ポスターに使ったらいいですね
映画|ブラッド・グレイシア|Blood Glacier (The Station) 2 画像

一戦終えるとグビー
映画|ブラッド・グレイシア|Blood Glacier (The Station) 3 画像

世の政治家先生は彼女を見習ってほしいものです。

また、前作と同じく、この映画にも泣けるドラマがある。ヒーローのヒゲ男はカート・ラッセルをショボくしたってかんじのアンちゃんで、ていうか、ラッセルさんというより、物体Xの中でワンコ好き男のクラークさん(リチャード・メイサー)に近いキャラ。この男のショボくれ具合は、前作のハゲ男と似た雰囲気がある(俳優さんは違う)。この監督はこの手の落ちぶれ男が好きらしい。

彼は別れた奥さんと再会し、過去の秘密を知り、深く傷つくんだが、いっしょに闘ううち、相手を許せるようになる。感動するじゃないか。と思ったら、超びっくりのネタが最後に仕込んであった。みんなも観よう!

UK版DVDのオマケ

メイキングもコメンタリもないから残念でした。

  • Trailer
  • Creature Design Gallery

UK版は英語字幕つき↓

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原題: Blutgletscher
別題: Glazius
Gletscherblut
Glaciar sangriento
Blood Glacier
The Station
邦題(カタカナ): 『パラサイト・クリーチャーズ』
制作年: 2013年
制作国: オーストリア
公開日: 2013年9月6日 (カナダ) (Toronto International Film Festival)
2013年9月11日 (フランス) (L'Étrange Festival)
2013年9月27日 (オーストリア)
2013年10月17日 (スペイン) (Sitges Film Festival)
2013年11月2日 (イギリス) (Glasgow Fright Fest)
2013年11月24日 (イタリア) (Torino Film Festival)
2013年12月14日 (フランス) (Les Arcs International Film Festival)
2014年1月20日 (イギリス)
2014年2月1日 (ドイツ) (Splatterday Night Fever)
2014年2月6日 (ドイツ)
2014年4月25日 (アメリカ) (Stanley Film Festival)
2014年5月2日 (アメリカ) (New York City, New York)
2014年9月20日 (日本)
imdb.com: imdb.com :: Blutgletscher
監督
脚本/原案
出演
プロデュース
シネマトグラフィ
編集
プロダクション・デザイン
衣装デザイン
視覚効果(Visual Effects)
特殊効果(Special Effects)
Makeup

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