映画|ネクロフィル・パッション|Necrophile Passion
ダメ男が死体を拾ってお持ち帰り。オーストリアの死体性愛(ネクロフィリア)テーマのインディーズホラー映画。Günther Brandl、Eldrid Remy、Katharina Buchberger。監督Tom Heidenberg。2013年。
ドイツのどっかの森。
若いアンちゃん(Günther Brandl)が、美人娘の血塗れ全裸死体を見つけておののく。
彼はいったんは警察に通報しようとするんだが、急にムラムラしちゃって、死体をお持ち帰り。んで、死体を相手にナニする。きもちわりー。
イモムシみたいなチンコがちゃんと勃起しているのが、なかなかのプロ根性である(エッチビデオをつくっている人からすれば「あたりまえだ!」と思われるでしょうけれど)。
その後は、夢かうつつかの回想場面がしばし続き、男のダメダメ人生が回顧される(『シュラム 死の快楽 (1993)』風)。カワイコちゃんと知り合い、恋人になれて、しばらくはハッピーだったんだが、すぐに飽きられ、みじめに捨てられる。
回想の中で、彼の元カノらしき女が腐乱グロ死体とナニする場面が出てくる。『ネクロマンティック (1987)』を彷彿とさせる場面はなかなかよくできている。
彼はずっと部屋にいてうだうだと孤独に埋もれ、ときどきシャワーを浴びながら、カミソリで自傷行為をやったりする。
そうこうするうち、彼の頭はどんどんおかしくなってきて、狂気は高まり、自分の内奥からへんな声が聞こえるようになる。その『声』に導かれ、自分をフッた元カノを家におびきよせ、えれーことをやらかそうとする。
死体sexに溺れるダメダメ人間を描いたドイツのインディーズ映画です。
トレイラー動画
Necrophile Passion (2013) trailer
感想
チョイ前にこの映画のことを書いて以来↓
多大なる期待を寄せていたところ、ビデオマーケットさんに入荷したというのでオーダーASAP↓
遠足前の子供状態でわくわくし、ワンコがフードに頭を突っ込むように鑑賞した。そして、観た直後の感想がこれだった↓
『Necrophille Passion』みた ...... んー ...... ちょっとなあ ...... 期待したほどではなかった。詳しくはブログで書きます。やっぱり『Nekromantik』『Nekromantik 2』は偉大だったという点を再確認した思いがする。
— tinker (@horrorshox) October 26, 2013
上のTWをpostしてから数日経ったが、感想は変わらない。
よかった点もあるよ↓
- グロ描写はすごい
- 腐乱死体にまたがって腰を振るネーチャン!
監督さんがインタビューで「影響された」と述べていた通り、そこかしこに『ネクロマンティック (1987)』の影が見られる。回想のsexシーンでは、変態趣味の女が男にへんな指示を出して『調教』するところは『ネクロマンティック2 (1991)』のモニカ・Mに似たかんじ。
そのような類似点は「オマージュなんだな」と許せるが、なにせこの映画は、物語性に乏しく、すべてが単調なのである。チャプター仕立ての進行はダルーい。男のダメさを表現するにおいて、陳腐な独白台詞を長々としゃべったりする。
特殊メイクに気合いが入っているだけにもったいないよね。これは、アンドレアス・シュナース、ティモ・ローズといったドイツのインディーズゴアを見馴れている人にはおなじみのパターン。なんであんたらはいつもこうなってしまうのか。
しかしながら、問題はもっと根本的なところにあるように私には思える。単に表現手法が足らないせいでなく「死体性愛ってもんをダメ人間の象徴として描いている」という点に、私は落胆をしたのであります。
その点、ユルグ・ブットゲライトはスケールがちがう。あんな映画だから同意してくれる人は少ないと思うが、『ネクロマンティック (1987)』『ネクロマンティック2 (1991)』は、私には、純愛映画である。ネクロフィリアという変態運命を背負ったばかりに悩み拘泥する変態さんたちが、おのれを貫き通していく映画なのである。死体愛す。みたいな。
切腹オナニーでこの世から散ったロブは、死体になってなお、変態女たちをメロメロにする『キング・オブ・死体性愛』として亡霊のように存在し続けた。モニカ・Mは愛する男の首をデカ包丁で切断し、『絶頂の絶頂』に達した。死を切り刻んで生を得た彼女は、大急ぎで勃起チンコの根元を縛った。彼らのようになりふり構わず夢中で快楽を追い求めた瞬間が、あなたの(私の)人生において一度でもあっただろうか。
「生きてる」ってかんじがするじゃん?
オケラだって、アメンボだって、変態だって、生きているのである。20年以上も前の時代にこれを清々しく描き切ったユルグ・ブットゲライトはやはりただものではなかったという点を再確認できたという意味で、『Necrophile Passion (2013)』を観たのは無駄ではなかったのだろう。いつかブットさんを超える猛者が現れるのだろうか。
私はこの映画に並々ならぬ期待を寄せ、観る前から想像をふくらませ、記事のタイトル用に、最上級のベタ褒めキャッチフレーズを用意していたのであるが↓
「ファック死体!レッツ嘔吐!ザッツ愛!」
残念ながらこれはボツになった。
ドイツ版DVDのオマケ
ドイツ版DVDは英語字幕つき。52分という変態ランタイムですが、これがUnratedです。オマケはこれだけ↓
- Trailer-Show
- Deep in my Mind (Brandl Pictures)
- Hot Dreams (Brandl Pictures)
- Gier (Brandl Pictures)
- Castle of Horror (Brandl Pictures)
- Necrophile Passion
- Schaferhund suB sauer
- Ghouls night out Trilogie
- "Necrophiliac Musicvideo" (Morbid Breed)
- interview with leading actor Gunther Brandl
Brandl Picturesてのは、この映画でダメ男を演じたGünther Brandlさんがやってるレーベルらしいです。インタビューは字幕ついてませんでした。
Memorable Quotes
The only thing that binds us together is pain and humiliation.
It is the scent of putrefaction that turns me on.
Get dressed! Sitting there, glued to your chair. You sit there, eating and drinking. Lifelessly, observing this tragedy of love, death and solitude. You think all of this is sick? You portray yourself as being innocent? Take a long, good look at yourself in the mirror and then pass judgement again. Each and every one of your contributes to this and so do you. Brutality used against the weak. Children die for nothing. Man, the animal. You're nothing!
One never knows for how long life's beautiful moments are going last.
I want you to lie perfectly still. And when I come, I want you to choke me, ok?
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Necrophile Passion | |
2013年 | |
オーストリア/ドイツ | |
2013年8月18日 (ドイツ) (limited) | |
imdb.com :: Necrophile Passion |
- Günther Brandl [imdb] (Man)
- Eldrid Remy [imdb]
- Katharina Buchberger [imdb]
- Sandra Pucher [imdb]
- Simone R. [imdb]
- Thomas Binder [imdb] (producer)
- Thomas Binder [imdb] (director of photography)
- Sebastian Zeglarski [imdb] (director of photography)