2008/3/22 (Sat) at 6:32 pm

映画|ネクロマンティック|Nekromantik

ハードコア死体性愛倒錯者の狂愛。キング・オブ・ネクロフィリアだ。残虐暴力過激表現多。主演ダクタリ・ロレンツ、ベアトリス・M。監督ユルグ・ブットゲライト。1987年。ドイツ映画。

ネクロマンティック / Nekromantik DVDDVD画像

"What lives that does not live from the death of someone else?"
- V.L. Compton

主人公ロブは内臓コレクターで、死体性愛倒錯の変態である。彼は死体清掃請け負い会社(交通事故や殺人現場等の死体を片づける仕事)で働いてるので、まさに天職。職場からちょくちょく人間のめんたまやら心臓なんかをくすねては、イヒヒと家に持ち帰る。自宅にはマッドサイエンティストの部屋みたいに内臓コレクションがズラリと並んでいる。きもちわりー。

こんな男はきっと孤独なんだろうなと映画を観てる私らは思うわけだが、意外なことに美人ギャルの恋人と同棲中。なんと彼女もロブと同じ死体性愛趣味を持っているという、ありえないベストカップル大賞なのだ。彼女はベティという。彼がその日のブツを持ち帰ると、ベティはニターリと喜ぶ。ロブも喜ぶ。ふたりはラブラブ。

ロブが苦労してガイコツ腐乱死体を持ち帰ったらベティは大満足で喜んだ。カレシの偉業を褒めてやって、ガイコツを愛でる。ロブが鉄の棒をノコギリで切った。ベティがそれをペニスに見たてて、死体にくっつけた。コラボ完成。鉄棒ペニスにコンドームをかぶせて「できたできた」と喜ぶ女ってすごいな。ふたりはクリスマスみたいに盛り上がって、死体といっしょに3Pプレイを耽溺する。しあわせー。そこに死体がなければ『ある愛の詩』みたいに美しいラブシーンである。死体があるんだけどな。

なんて調子の猟奇カップルはかなりイッちゃってるけれども、彼らは殺人をしているわけではないので(窃盗はやってるが)、ふたりが幸せならいいのではないかと私は思うんだが、ところがある日、ロブが仕事場の対人トラブルでクビになっちゃったので、ふたりの愛はダダーと崩壊する。ベティは死体を持ち帰ってこない失業カレシなんか嫌いなのだ。冷たくお別れを述べて、サッサと出ていった。ついでにガイコツ死体も持っていっちゃった。

最愛のパートナーを失ったロブは絶望。彼は孤独に耐えられない。ホラー映画を観てみたがぜんぜん盛り上がらない。そこで殺人をやってみた。娼婦を殺して死姦行為を楽しんだが、これも彼にとってマスターベーションにすぎなかったようだ。寝ても覚めても死体のことばかり考えて狂気は高まる。ヒョエーと惚けた顔で草原を走り回り、ナマ首キャッチボールに興じる演技がすばらしかった。元々が狂人だからそれが狂ったとなると、その脳内を理解できるのはハンニバル・レクターと佐川一政くらいのものであろう。

ラスト。

ナイフを見てふと思いついた行為を試してみた。それは切腹オナニー。自らのおなかをナイフでズボズボと刺した。たちまちペニスは大勃起。エロスの大波にもまれてナイフを突きまくる。血塗れ。精液が勢いよく噴出。何度も達した後には、それが血液に変わった。最高のオーガズムに達した後、出血多量で死亡。狂気の自己完結型腹上死といえよう。変態人生を駆け抜けた男の最期は華麗であった。

ちゃっかりパート2を意識したクリフハンガーで終わるところが、ますますもってブットゲライトはただものではないという余韻を残して終了。この映画を作った時点で続きをつくろうとしてるところがスゴイ。

Nekromantik trailer

感想

ユルグ・ブットゲライトとジグムンド・フロイトが同じ時代に生きてたとして、ふたりでコラボをやったらどんな芸術作品ができるんでしょうか。こわいもの見たさで見てみたい気がします。

メイキングの中でガイコツ死体をつくってるようすが見れました。血糊はジャムをベースにつくるんだそうです。ホラー映画の撮影現場って楽しそうですよね。あとネコの死体のことにも触れていました。「ネコの死体にかかった費用は15ドル。7ドルで買ったヌイグルミと、血糊ペイントしたスクランブルエッグ。激安の特殊効果だネ、わはは」だそうです。

死体片づけ人の中にユルグ・ブットゲライト本人がひょっこり出てます。

twitterのご案内

当ブログをお読みくださり、ありがとうございます。twitterやってます。ホラー映画好きな方はフォローしてくださいませ。サイトの更新や新作ホラーの情報を随時流しています↓

Facebookのご案内

『ユルグ・ブットゲライト』関連のエントリ

ホラー映画 :: 洋画』の最近のエントリ

PV37,451
ホラーなブログの方はどうぞ
原題: Nekromantik
別題: NEKRomantik
Nekromantik
邦題(カタカナ): 『ネクロマンティック1[完全版]』
制作年: 1987年
制作国: 西ドイツ
公開日: 1996年9月9日 (日本)
imdb.com: imdb.com :: Nekromantik
監督
脚本/原案
出演
プロデュース
音楽
シネマトグラフィ
編集
キャスティング
セット制作
視覚効果(Visual Effects)
特殊効果(Special Effects)
Makeup

ホラーSHOX [呪](『ほらーしょっくすのろい』と読む)は新作ホラー映画のレビュー中心のブログです。たまに古いのやコメディ等もとりあげます。HORROR SHOX is a Japan-based web site, which is all about horror flicks.

 

すべての投稿 (1544)

CALL GIRL COMIC by DAIJU KURABAYSHIEL GIGANTE COMIC COMIC by DAIJU KURABAYSHI
HORROR SHOX - Horror Reviews, News