2014/1/6 (Mon) at 4:38 pm

映画|ミスチーフ・ナイト|Mischief Night

目の見えないカワイコちゃんがヒデー目に遭うホームインベイジョンホラー映画。Noell Coetダニエル・ヒュー・ケリーエリカ・リーセンリチャード・リール。監督リチャード・シェンクマン。2013年。

ミスチーフ・ナイト / Mischief Night DVDDVD画像

ここはどっかの金持ち邸宅。いまはハロウィン。

お色気人妻(エリカ・リーセン!)が亭主の目を盗んでイケメン間男をひっぱり込んでアヘアヘやってたら、謎のキラーに襲われてウギャー!

ところ変わって、別の家。こっちもハロウィン。

カワイコちゃんのエミリーさん(Noell Coet)は9年前に事故に遭い、ママをなくした。以来、視力を失った。ときどき喘息の発作を起こす。

医者は「肉体的にはどこも悪くない」というので、精神的なショックでそうなったらしい。セラピスト(アリー・ウォーカー)と話す場面によれば、彼女は自分のせいでママが死んだと思い込んで、その罪悪感から脱することができないらしい。

誠に不憫な話であるが、彼女は至って前向きな性格なので、映画を観ている私らは「こんな娘さんなら、きっと立ち直る」と感じるだろう。この映画は、気の毒な美少女がトラウマを克服し、心身共に成長し、いつしか本当の愛を発見する青春感動巨編。お父さんもお母さんもこれを観たら涙が止まらない。覚えているわ。あの日、あのとき、あなたがいったこと。あの日も雨降りだったわ。紫陽花が咲いていたわ。そんな話じゃないんですよ。気の毒娘がヒデー目に遭うんだ。

彼女には優しいパパ(ダニエル・ヒュー・ケリー)がいる。パパは妻の死を深く悼み、再婚するなど考えもしなかったが、エミリーさんの勧めで、そろそろデートくらいしてもいいよ、なんつって、今晩、彼は初デートなのである。

パパはそわそわとでかけていって、エミリーさんは留守番。そこにおきらくカレシ(Ian Bamberg)がやってきてイチャイチャしたり、親切な伯母さん(ステファニー・アーブ)がやってきたりするんだが、そうこうするうちに、謎のキラー(アダム・シエシエルスキ)がジャジャーンと出てきてウギャー!

最初のうちは、ハロウィンによくある子供の悪ふざけであると思われたが(Mischief Night)、やがて、これはいたずらなんかじゃないとわかってくる。目の見えない女の子がたったひとりで、いったいどうやって立ち向かえばいいのでしょうか。

ホラーファンにはおなじみのヒゲ巨漢おじさん、リチャード・リールがチョイ役で登場します。彼ほどオンボロトラックが似合うオヤジを見たことがない!

トレイラー動画

Mischief Night (2013) trailer

感想

期待ゼロだったのがよかったのかもしれないが、おもしろかった。よくあるホーム・インベイジョンものだが、カワイコちゃんが盲目である、という点だけがちょっとちがう。でもどこがどううまいのかよくわからない。大したゴアがあるわけでなく、話は至って普通のホラーなんだが、妙にどきどきした。撮り方/演出がさりげなくうまいせいだろうか。きっと隠れた意匠が凝らされているのだろう。

盲目娘を演じたNoell Coetがよいという点だけは、私にもよくわかった。美人ではないが、かわいくて愛嬌がある。ギャーギャー演技がいいし、ときどき憎まれ口をいうところがよかったよね。これからもどんどんホラーに出てください。

と思ったが、IMDbのBBSを覗いたらダメダメ感想が多いから意外です。みんなは厳しいなあ。少なくとも、『ストレンジャーズ/戦慄の訪問者 (2008)』よりはよかったけどなあ。

ところで、リチャード・シェンクマン監督の『The Man from Earth (2007)』がいまだに日本版が出ないのはじつに不思議である。すごくおもしろいんですよ。公開当時、かなり話題になった。地味なんだけど、びっくり仰天のtwistがある。未見の方は是非ご覧になってみてください。

ただいま発売中のUS版DVDは字幕なかった。オマケはBehind The Scenesのみでした↓

ところで『怪談昇り竜

ところで、余談だが、めくら娘といえば、思い出すのは石井輝男の『怪談昇り竜』であります。私はいまでもときどき見るんだが、その度にびっくりする。ナンじゃこれって思うよね。

狂った子供が落書きしたみたいな映画に見えるんだが、映画というのは、落書きよりも手間がかかるものである。脚本を書いて、打ち合わせをして、予定表をつくって、撮影をして、編集をやって、何ヶ月もかけてつくるわけじゃん。それをやってるあいだに「おれはなにをやりたかったのだろう」とかさ、邪念が頭に浮かんだりしないんだろうか。なぜ彼らはこんな風に突っ走れる(ように見える)んだろう。あの映画を観るといつもそう思うから好きだ。

ますます余談だが、『ムカデ人間2 (2011)』のマーティンのローレンス・R・ハーヴィーさんも『怪談昇り竜』がたいへんお好きなんだそうで↓

私はこのtweetsを読んだら、マーティンが駐車場の料金所の狭い部屋で、石井輝男の映画をニタニタ笑いで観ながら紙ヤスリオナニーをしている場面が頭に浮かび、えもいわれぬ心地になりました。

関係ない話になっちゃったが、これにておしまい。

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原題: Mischief Night
別題: Mischief Night
The Night Before Halloween
Tolvajok éjszakája
制作年: 2013年
制作国: アメリカ
公開日: 2013年10月30日 (アメリカ)
2013年10月30日 (アメリカ) (limited)
2014年5月23日 (ドイツ) (Blu-ray & DVD premiere)
imdb.com: imdb.com :: Mischief Night
監督
脚本/原案
出演
プロデュース
シネマトグラフィ
編集
アートディレクション
視覚効果(Visual Effects)
Makeup
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