2013/8/11 (Sun) at 8:17 am

映画|セルフ・ストレージ|Self Storage

臓器を目的に人間を拉致監禁するシリアルキラーが出てくるお笑いホラー映画。エリック・ロバーツ、マイケル・ベリーマン、ジョナサン・シルヴァーマン。監督主演脚本トム・デヌシ。2013年。

ここはどっかの貸し倉庫。

コンテナ倉庫が並ぶ風景は平凡だが、この会社には大きな秘密がある。経営者ウォルター（エリック・ロバーツ）は臓器目的のシリアルキラー。人をさらって倉庫に監禁。売れる臓器を抜き取ったら、死体はサクッと処分。

ウォルターには片腕がいる。こちらは倉庫で働く部下のトレヴァー（マイケル・ベリーマン）。ふたりは共に退役軍人で、息の合ったコンビである。彼らは誰にも知られずヤバい稼業を続けている。

倉庫にはもうひとり従業員がいる。こちらは警備員のアンちゃんで、ジェイクという（トム・デヌシ）。ジェイクは、ウォルターとトレヴァーのウラの顔を知らない。彼にとっては、ふたりは人のいいオッサンにすぎない。

ジェイクはいつものんべんだらりと仕事をしているので、しょっちゅうウォルターに怒られるんだが「おまえはもっとちゃんとせんといかんよ」という口調は、親戚のオヤジみたい。ウォルターはジェイクが子供の頃から知っているらしい。

ある日、ウォルターの元にアングラ組織の男（ジョナサン・シルヴァーマン）から臓器の注文がきたんだが、これがかつてない大量注文だった。取引は明日の早朝。ウォルターはぐっと慎重になり、これを最後に殺人仕事をやめようと決心し、トレヴァーに打ち明けた。

「俺は引退する。明日でぜんぶおしまいだ」「ほんとですか」「そろそろ潮時だろう」

この会話をジェイクが立ち聞きした。彼は「なーんだ。オヤジはやめちゃうのか。この仕事もおしまいだな。よし、こうなったら、最後にパーティをやっちゃおう。イッヒッヒ」つって、友達を倉庫に呼んでラリラリパーティを催す。

これを受けて、ラリラリ男（Ben Gracia）だの、お色気娘（ヴァネッサ・レイ）だの、童貞コンビだの、アーパー連中がワーイとやってくる。その中には、ジェイクが恋するカワイコちゃん（Gillian Williams）もいた。

何にも知らない阿呆なヤツラが深夜の倉庫に集まって、お酒を飲んだり、ヤクをやったり、sexしたり、童貞コンビはsexを見物したりするんだが、ここでジェイクのとった行動がドエライ結果を引き起こすのです。

彼は仕事をサボッてるのが警備カメラに映ってモロバレだった苦い経験を思い出し、カメラを一時ストップさせるために、倉庫の電源を落とした。ところが、これのせいで、緊急証拠隠滅システムが作動し、倉庫内に監禁されていた人間たちが、ドバーと硫酸を浴びて消滅してしまったのである。

ウォルターが明日の取引のために臓器を抜こうと思ったら、誰もいないから青くなる。彼は大急ぎでトレヴァーを呼び、「すぐに人間をたくさん捕まえなくちゃ」てことになり、パーティ中のジェイクたちが標的にされる。アーパー連中はひとりづつブッ殺されて、臓器を抜かれていく。

という映画はお笑いホラーなんですよ。

トレイラー動画

Self Storage (2013) trailer

感想

ジェイクを演じたトム・デヌシは脚本兼監督です。彼のオレオレ映画です。

阿呆な連中の阿呆なパーティがえんえんと続き、その合間にキチガイキラーのエリック・ロバーツがニタニタ笑いで人間を切り刻む、マイケル・ベリーマンもドタバタがんばる、という趣向のお笑いホラー。最後には、この老体コンビが仲間割れして格闘するんですよ。

ゴアゴアの場面は少ないけれど、よくできている。てか、うまくごまかしてつくってある。かなり低予算だと思うが、ノリのいい音楽に乗ってサクサク進んでいくかんじは、安っぽく見えないように工夫されている。パーティ場面がチト長いので、ダルいと思う人も多いかと思うが、私はけっこう好き。童貞コンビのお話とかおもしろいじゃん。