2013/4/1 (Mon) at 12:34 pm

映画|絞殺魔甦る|The Haunted Strangler

20年前に死んだ殺人鬼が蘇るホラー映画。ボリス・カーロフの怪奇演技を楽しもう。アンソニー・ドーソンジーン・ケント。監督ロバート・デイ。1958年。モノクロ。

絞殺魔甦る / The Haunted Strangler DVDDVD画像

1860年。イギリス。

Haymarket Stranglerとして知られるシリアルキラー、エドワード・スタイルズ(マイケル・アトキンソン)が、5人の女性を殺した罪で、絞首刑オダブツになった。死体は速やかに埋葬されたが、葬式の最中に、誰かがバタンとブッ倒れた。いったいなにがあったのでしょう。

20年後。

著名な作家であるジェームズ・ランキン氏(ボリス・カーロフ)は、スタイルズ冤罪説を信じ、独自調査を行っている。なにしろ昔の話であり、そんな疑いを持つ者は他にはいないので、いろいろと苦労するんだが、ランキン氏は信念のひとなので、ずんずん突き進む。

彼は昔の警察書類を閲覧し、死刑囚スタイルズが埋葬されたとき、テナントなる検死医が発作を起こして病院に運ばれたと知る。その後、この人物は狂って精神病院送りになり、さらに、その後、病院から逃げたそうな。当時、彼のめんどうを見ていたナースも同時に消えたという。

死体を見馴れているはずの検死医が死体を見てブッ倒れ、急に狂うというのは妙な話である。さらに詳しく調べたところ、この検死医は、スタイルズが殺したとされる5人の被害者の検死を行った人物であると判明した。この事実はなにを意味するのだろうか。ランキン氏は次のような推理をした↓

テナントはスタイルズが犯人でないことを知っていたのではないか。彼は職業上知り得た事実を隠蔽したのでないか。良心の呵責か、あるいは別の理由で、狂ってしまったのではないか。

こうなると、スタイルズ冤罪説はますますありそうに思われてくる。ランキン氏は夢中で謎解きに取り組む。当時の目撃者に会ったり、刑務所にいったり、調べ回って、核心に近づくのであるが、その先には、意外な顛末が待っていた。

謹厳実直を旨とする立派な紳士、ランキン氏は数奇な運命に巻き込まれる。20年前のテナント検死医と同じようにキチガイとなり、精神病院に放り込まれてしまうのです。あー、かわいそう。でも、おもしろい。

主要な登場人物を紹介します。

リリー(ダイアン・オーブリー)... ランキン氏の一人娘。カワイコちゃん。心優しいお嬢様。

マコール(ティム・ターナー)... リリーさんの婚約者。男前。医者。ランキン氏は彼を息子のように信頼しています。

バーバラ(エリザベス・アラン)... ランキン氏の奥さん。夫の健康をいつも気遣っています。

ハンナ(ドロシー・ゴードン)... ランキン氏の家で働くメイドさん。ランキン氏に弟を助けてもらったことがあるから、恩義を感じて尊敬しています。

バーク(アンソニー・ドーソン)... スコットランドヤードの刑事。ランキン氏のよき友人であるが、スタイルズ冤罪説はハナから信じておらず、バカにしたことをいうので、しょっちゅうランキン氏を怒らせる。でもいい友達。

コーラ・セス(ジーン・ケント)... スタイルズが犯人であることを決定づける証言をした目撃者。当時は17歳の踊り子さんだったが、いまはナイトクラブ、ジュダス・ホール(Judas Hole)の女主人。お色気むんむんの熟女。

パール(ヴェラ・デイ)... ジュダス・ホールの踊り子さん。カワイコちゃんで、踊りもうまいから、エッチな紳士にモテモテ。女将のコーラさんとは母娘のような間柄。

刑務所長(レスリー・ペリンズ)... スタイルズが処刑された刑務所の所長。スタイルズ冤罪説をバカにして、ランキン氏をいじめます。

看守(マックス・ブリンメル)... 刑務所の看守。墓を掘り起こしたいランキン氏の願いを叶えてくれます。

ジョンソン医師(デズモンド・ロバーツ)... ランキン氏をキチガイと判定して、病院送りにしたお医者さん。

病院のメイドさん(ジェシカ・ケアンズ)... ランキン氏が放り込まれた精神病院のメイドさん。歌をうたいながら、ジャガイモの皮むきをします。

トレイラー動画

The Haunted Strangler (1958) trailer

上の動画はYoutubeにあったヤツですが、DVDの画質はもっといいですよ。下にキャプチャがあるからご覧下さい。

感想

すごーい。びっくりしたー。傑作。いまの時代に見てもおもしろいんじゃないかな。怪奇スター、ボリス・カーロフの魅力満載です。理知的な中年紳士が、不気味なかたわ男に変わってしまうのですよ。『カーロフ版のジキルとハイド』ってこういう意味だったのですね。

前半は探偵小説を読み進むような謎解きミステリーのおもしろさがある。後半はカーロフさんの怪奇演技がズズガガー。美女はキャーとわめく。いいですなあ。

また、この映画には、ナイトクラブのカンカン踊りがたくさん出てくる。ステージでネーチャンがズラーッと並んで、ホイホイを足をあげるあれです。カワイコちゃんのお色気もあるから、お父さんも納得です。

DVDの画質はとてもいいです。ときどき画面が眠くなるときがありますが、1950年代の映画でこれなら文句なしです。

ネタバレを書きました。このページのずーと下のほうにあります。

ボリス・カーロフのおののき画像アルバム

こんな紳士が
ボリス・カーロフ (1) 画像

バケモノ顔になってしまう!
ボリス・カーロフ (2) 画像

おののくカワイコちゃん踊り子!
ヴェラ・デイ
ヴェラ・デイ / Vera Day 画像

おののく美女!
ジーン・ケント
ジーン・ケント / Jean Kent 画像

おののく奥さん!
エリザベス・アラン
エリザベス・アラン / Elizabeth Allan 画像

おののくメイド!
すごい顔、ドロシー・ゴードン
ドロシー・ゴードン / Dorothy Gordon 画像

おののく娘!
ダイアン・オーブリー
ダイアン・オーブリー / Diane Aubrey 画像

ハンサム男は冷静です
ちょっとはこわがれ、ティム・ターナー
Tim Turner / ティム・ターナー 画像

お色気ショーもあるよ
絞殺魔甦る / The Haunted Strangler 画像1

最後はおもしろ番外編です
絞首刑を見て喜ぶオバちゃん
絞殺魔甦る / The Haunted Strangler 画像2

CriterionのBOXSETは4枚組で50ドル

Criterion Collection - Monsters and Madmen 画像

Criterionらしく、すばらしい画質 + 充実の特典映像 + 楽しいブックレットつきです。以下の4作品が入ってます↓

詳しくはCriterionの商品紹介ページをどぞ↓

英語字幕つきで絶賛発売中。価格は49.99ドル(本日時点)。古いのを好きなファンにはたいへんおすすめです↓

The Haunted Stranglerのディスクのオマケ

ロバート・デイ監督
Tim Turner / ティム・ターナー 画像

  • Commentary (producer Richard Gordon and writer Tom Weaver)
  • Haunted Memories (12:15)
  • Trailer (01:56)
  • Radio Spots (with Fiend bonus!)
    • Moonless night
    • "Hear that sounds?"
    • "Don't go away!"
    • Compulsion to kill
  • Exploitation!

Haunted Memoriesは関係者のインタビュー。監督やライターやキャストのみなさんがボリス・カーロフとの出会いを語ります。誰も彼も「ビューティフルで、チャーミングで、親切で、ワンダフルなカーロフさん!」つってベタ褒め。

同時期に『Fiend Without a Face』も公開されたようで、ラジオスポットの中で「こっちもいっしょに観よう!」とかいってます。

Exploitation!はフォトギャラリー。

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原題: Grip of the Strangler
別題: La sépulture maudite
Lo strangolatore folle
Strangle Hold
The Haunted Strangler
邦題(カタカナ): 『絞殺魔甦る』
制作年: 1958年
制作国: イギリス
公開日: 1958年7月3日 (アメリカ) (New York City, New York)
imdb.com: imdb.com :: Grip of the Strangler
監督
脚本/原案
出演
プロデュース
音楽
シネマトグラフィ
編集
プロダクション・デザイン
特殊効果(Special Effects)
Makeup

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