2013/3/14 (Thu) at 8:52 pm

映画|悪魔の白衣|Corridors of Blood

麻酔がなかった時代に麻酔を発明しようと考えたお医者さんの話。ボリス・カーロフクリストファー・リーベッタ・セント・ジョンフィンレイ・カリー。監督ロバート・デイ。1958年。モノクロ。

悪魔の白衣 / Corridors of Blood DVDDVD画像

1840年。ロンドン。

麻酔がなかった時代の話。

トーマス・ボルトン医師(ボリス・カーロフ)は優秀な外科医。この時代の手術というのは、患者をベッドに縛りつけ、泣こうがわめこうが問答無用でズバズバ切るというの一般的であった。死にたくなけりゃ我慢しろ。当時の医者たちの合言葉↓

Pain and the knife are inseparable.

痛みとナイフはいつもいっしょ。

こんな時代において、ボルトン医師はいち早く麻酔の必要性を説き、熱心に研究を進めた。変人扱いされようが、失敗しようが、己の道を突き進む信念の医師であった。情熱があることに加え、慈愛ある人柄であり、他の医師がやりたがらない貧乏人相手の治療も進んで行った。

ボルトン医師はこんな立派なお医者さんなんだが、研究に没頭するうち、道を誤ってしまう。自らアヘンを吸引して中毒になり、悪人に利用され、地位も名誉も失い、スッテンテンになり、破滅してしまうのであります。

主要な登場人物を紹介します。

スーザンさん(ベッタ・セント・ジョン)... ボルトン医師と同居するカワイコちゃんの姪(なのかな)。実の娘みたいに仲がよいです。

ジョナサン・ボルトン(フランシス・マシューズ)... ボルトン医師の息子であり、弟子であり、理解者であり、スーザンさんの恋人男。男前。

ブラック・ベン(フランシス・デ・ウルフ)... 善良なボルトン医師をだまくらかして、金儲けを企む悪人男。貧民街で酒場を経営しており、裏ビジネスで死体を売っている。そのために医師の死亡証明書が必要なんですな。

レザレクション・ジョー(クリストファー・リー)... ベンの子分。冷血殺し屋。こわーい。

ローザ(イヴォンヌ・ロメイン)... ベンの酒場でうだうだしているネーチャン。

レイチェル(エイドリアン・コリ)... ベンの奥さん。

ネッド(カール・バーナード)... ベンの子分のびっこ男。

ブロウント医師(フランク・ペッティンゲル)... ボルトン医師のいぢわる同僚。「麻酔なんかむりむり」つって反対する。ベンから死体を買っている。

チャールズ・マシソン(フィンレイ・カリー)... ボルトンの友達の医者。ボルトンがラリラリになると、かばいきれなくて苦労します。

病院のえらいさん(バジル・ディグナム)... ボルトン医師の上司。

マシソン夫人(マリアン・スペンサー)... チャールズさんの奥さん。オホホ笑いの親切オバちゃん。

ドノバン(ナイジェル・グリーン)... ベンを捕まえたい熱血おまわりさん。

ベイカー(ジョン・ガブリエル)... 病院の薬剤師さん。親切スマイル男。

トレイラー動画

Corridors of Blood (1958) trailer

上の動画はYoutubeにあったヤツですが、CriterionのDVDの画質はもっといいですよ。キャプチャ↓

映画|悪魔の白衣|Corridors of Blood 画像
さすがCriterion!きれいな画質!

感想

ボルトンさんは立派な人物なんだが、やることが性急すぎます。「おー、これだ!」とひらめくと自分でスパスパとアヘンを吸ってしまう。ヘロヘロになって、ブッ倒れて、姪のカワイコちゃんに助けてもらったら、手を大怪我してたんだが、本人はいつ怪我したのか覚えてないし、ぜんぜん痛くない。それだけで「実験は成功だ!」つって大喜び。病院のえらいさんの前でプレゼンして、大コケしちゃうのです。もうちょっとゆっくりやればよかったのに。

「一刻も早く患者の痛みをなくしてあげたい!」という思いからそうなっちまったらしいんだが、そのわりには、病院の待合室にいるアンちゃんを選んで、「おまえちょっとこい!痛くないから任せとけ!」つって引っぱってくるところは、マッドサイエンティストぽい。狂気と天才は紙一重。ボリス・カーロフの演技が光ります。

この映画はいまの時代に見ると、ホラーというより、医者テーマの人間ドラマてかんじ。黒澤明の『醉いどれ天使』『赤ひげ』あたりとイメージがダブるなあ。なんて思ったら、ロンドンの貧民街に、左卜全藤原釜足千秋実のトリオがボロ着で歩いていても違和感がないように思われました。

冷血殺し屋のリーさん
クリストファー・リー 画像

ボリス・カーロフクリストファー・リーが共演しているというのが見どころです。1958年という制作年は『吸血鬼ドラキュラ (1958)』と同じですが、あっちに比べると、クリストファー・リーはだいぶ若く見える。ドラキュラって中年男のイメージだからそう思っちゃうんだが、まだ30代半ばだったんですね。長身の彼が大きな帽子を被っているから、ますます大きい。ぐわーと襲う場面はなかなかおっかないです。『Resurrection Joe(レザレクション・ジョー)』という役名はかっこいいですが、ロブ・ゾンビがこれのオマージュ曲を演っているんですよ↓

Rosa Whoreてのはイヴォンヌ・ロメインが演じた酒場のネーチャンです。歌詞を読むとおもしろいよ↓

また、以下のリンク先ではダーレン・リン・バウズマンのコメンタリつきの『悪魔の白衣 (1958)』のトレイラーを見れます。バウズマンさんも褒めているよ↓

悪魔の白衣』という邦題は、allcinemaさんに教わったんですが↓

この邦題はどこからきたんですかね。昔、VHSが出たかテレビ放映されたかしたんだろうか。

ボリス・カーロフクリストファー・リーの共演って他にもあるのかなと思ったら、『Curse of the Crimson Altar (1968)』(邦題は『悪魔の宴』)てのもあった。バーバラ・スティールさんも出ている。レビューがあった。こちらもおもしろそう↓

CriterionのBOXSETは4枚組で50ドル

Criterion Collection - Monsters and Madmen 画像

Criterionらしく、すばらしい画質 + 充実の特典映像 + 楽しいブックレットつきです。以下の4作品が入ってます↓

詳しくはCriterionの商品紹介ページをどぞ↓

Corridors of Blood』のディスクのオマケ↓

  • Commentary (producer Richard Gordon and writer Tom Weaver)
  • Corridor Gossip
  • Yvonne Romain
  • Censor Cuts
  • Trailer
  • Expoitation!

Corridor Gossipは当時を振り返るインタビュー。ロバート・デイ監督、フランシス・マシューズ、他。

Yvonne Romainは彼女のインタビュー。音声のみ。

Censor Cutsはカットされた3場面の貴重な映像。ボリス・カーロフが患者の足をチョン切る場面。クリストファー・リーが警備員の背中にナイフを刺す場面。ボリス・カーロフクリストファー・リーが格闘する場面のナイフ刺し + 硫酸ドヒャー。この3場面が、MPAAからリチャード・ゴードン宛に送られた文書の内容と共に紹介されます。最後の『硫酸ドヒャー』だけは本編の方にもありました。当時はこれもカットされたということなんですかね。

Expoitation!はフォトギャラリー。

英語字幕つきで絶賛発売中。価格は49.99ドル(本日時点)。古いのを好きなファンにはたいへんおすすめです↓

他の3作品もいつかレビューを書くからまた読んでください。

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原題: Corridors of Blood
別題: Doctor from Seven Dials
Pasillos de sangre
Prima dell'anestesia
邦題(カタカナ): 『悪魔の白衣』
制作年: 1958年
制作国: イギリス
公開日: 1958年12月 (イギリス) (limited)
1962年9月6日 (イギリス)
1963年6月5日 (アメリカ) (New York City, New York)
imdb.com: imdb.com :: Corridors of Blood
監督
脚本/原案
出演
プロデュース
音楽
シネマトグラフィ
編集
アートディレクション
Makeup

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