!!!! SPOILER ALERT !!!!
!ネタバレ注意!
本ページは『映画|絞殺魔甦る|The Haunted Strangler』のネタバレ全開です。この映画の普通の(ネタバレのない)レビューはこちらにあります↓
ネタバレ結末
驚きの真相↓
絞首刑で死んだスタイルズは冤罪だった。じつは『20年前の犯行の真犯人 = テナント検死医 = 若き日のランキン氏』だったのです。わー、びっくり。
まとめるとこんなかんじ↓
テナントは二重人格で、頭がおかしかった。ジキルとハイドみたいな。ナイフを握ると人格が変わり殺人鬼になる。すると、左半身が麻痺し、顔つきが変わり、別人のようになる。
テナントはナイトクラブでカワイコちゃんをブッ殺したとき、当時17歳のコーラさんに後ろ姿を見られたが、それが片腕に見えたので、彼女の証言からスタイルズなる片腕男が犯人てことになり、気の毒男が首吊り処刑されたのである。
運良く罪を逃れたテナントはこっそりナイフをスタイルズの棺桶に入れた。二度と殺人をやらぬという決意だったのだろう。ところが、葬式の最中にブッ倒れ、病院に運ばれたら、キチガイ認定され、精神病院送りになった。そこで優しいナースと出会った。ナースは優しい人柄のテナントが狂人であるとは信じがたく、ふたりは仲良くなった。そしていっしょに脱走した。
このナースはランキン氏のいまの奥さん。ランキン氏が実の娘と信じているリリーさんは、じつは、奥さんがナース時代に産んだ連れ子だった。
奥さんは大変な苦労をし、新しい名前を手に入れ、過去を変えた。そして、夫に「あなたは文章を書く才能があるから物書きにおなりなさい」つって応援した。そのお陰で、テナントはランキン氏に生まれ変わり、立派な紳士になった。彼はそのような過去をぜんぜん覚えてない。
奥さんは、夫が自分の過去を知らずに昔の事件を調べているのが、心配でたまらなかった。ゆえに「昔のことをひっかき回すのはおやめなさい」てなことをいってたんだが、彼は忠告に耳を貸さなかった。ランキン氏は自分で自分の過去を暴いていると知らず、最悪の選択をした。つまり、スタイルズの墓を掘り起こし、ナイフを手にしたのである。
したら、顔つきがぐわーんと変わって、おそろしい形相になり、左半身が麻痺した。そのままナイトクラブに行き、踊り子のパールさんをブッ殺した。20年前の事件の再現である。彼は多くのひとに顔を見られたが、相好がまるで違うので、それがランキン氏であるとは誰も思わなかった。
その後、家に帰り、しばらくは気づかなかったが、奥さんの告白を聞き、すべてを理解した。彼はおののき、怯え、再びナイフを手にする。んで、奥さんを殺してしまう。そのままスタコラ逃げたが、ここでもメイドのハンナにばっちり顔を見られたんだが、顔がまるで違うので、ハンナはそれが主人であるとわからなかった。
正気に戻ったランキン氏は勇気を出し「自分が殺した」と親友の刑事に告白する。でも誰もそれを信じない。「ストレスのせいでへんな妄想をしゃべっているんだな」と思われてしまう。「医者に診てもらえ」といわれたランキン氏はガガーと興奮する。「わしは正気だ!まじめに話を聞けええええ!」なんつって怒りだす。これは名台詞です。なにが正気で、なにが狂気なんだか、よくわからない。奥さんが死んだいま、ランキン氏の告白を証明できる人間はこの世にいないのです。
Rankin: I'm just as sane as you are!
彼は一発でキチガイ認定され、精神病院に放り込まれる。でも逃走する。やることなすこと20年前のテナントとそっくり。んで、ドタバタの末に、ぜんぶバレちまって、ズタボロになり、最後は墓地で悲しく死亡する。
おしまい。
感想再び
並の俳優が演じていたら、この映画は凡作に終わっていたように思える。大昔、病院を脱走したテナントが、ナースの助けを得て、ランキン氏に生まれ変わる過程というのは、一切描かれないのです。奥さんの告白台詞だけ。普通ならこのあたりの回想を見せておかないと説得感が出ないように思うんだが、そこはボリス・カーロフの怪奇演技ゆえに、さもありなん、と思えてくるから大したもんです。
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