2013/3/30 (Sat) at 11:14 am

映画|パーフェクト・トラップ|The Collection

ワナオトコ・リターンズ!凝ったトラップでみんなをブッ殺す『ワナオトコ (2009)』の続編PART2。ジョシュ・スチュワートエマ・フィッツパトリック。監督マーカス・ダンスタン。2012年。

パーフェクト・トラップ / The Collection DVDDVD画像

大金持ちのひとり娘のエレナさん(エマ・フィッツパトリック)が、友達(ジョアンナ・ブラッディー)とその弟(マイケル・ナルデリ)に誘われ、クラブ遊びにいく。

楽しく踊っていたまではよかったが、ダンスフロアにカレシ(ウィリアム・ペルツ)を見つけて怒り心頭。この男は「仕事が終わらない」といってデートをキャンセルしたくせに、こともあろうに、チャラチャラ女とキスしているではないか。顔面パンチである。

その後、頭を冷やそうとフロアを離れ、どっかの部屋に入ったら、大きなトランクがあった。開けてみたら血塗れ男が転がり出てきてびっくり。それは前作『ワナオトコ (2009)』のラストで、救急車からさらわれたアーキン(ジョシュ・スチュワート)だった。

トランクを開けたと同時に、クラブの建物全体に張り巡らされたコレクターさん(ランドール・アーチャー)の特製トラップが始動!ジャジャーン!

フロアにひしめく人々の頭上から、巨大なコンバイン刃がぐわーんと下降。ウギャーと人間メンチ。脱穀機の内部を見ているよう。フロアだけでなく、あちこちに殺人仕掛けがあり、クラブにいた人々は、エレナとアーキンを除いて全死亡。エレナはコレクターにさらわれた。アーキンは逃げた。残ったのは死体の山。華麗なる大虐殺である。

その後、アーキンは救急車に助けてもらえた。全身ズタボロだったが、命に別状はなかった。警察と話したあとには、奥さん(ナヴィ・ラワット)と涙の再会。元々、この奥さんがこさえた借金のせいで、彼は嫌々ながら空き巣に入り、ヒデー目に遭ったんですよね。確か前作では『元妻』だったはずが、こちらでは『妻』に昇格しています。なんで?

本作PART2においては、コレクターの悪業は世間を揺るがす大事件として報道されている。稀代の殺人者は犯罪記録を更新中。彼は常に凝ったワナを仕掛けて、家族を皆殺しにする。必ずひとりだけを選んで誘拐する。犠牲者にパターンはなく、手当たり次第という調子。警察は手がかりを掴めない。という話であるが、テレビニュースで「50人以上の行方不明者」というんだが、てことは「50回の事件が起きた」ということですよね。ものすごい回数ですね。

救出されたアーキンは唯一の生還者である。そこにルチェロ(リー・ターゲセン)という男がやってくる。彼はさらわれたエレナの父(クリストファー・マクドナルド)の側近であり、彼女を少女時代から知る人物。父親の依頼により、傭兵チームを組織し、独自の救出作戦をやりたいそうな。んで、アーキンにその手伝いを頼みにきたのであった。

アーキンは「ぼくがやるのは隠れ家に案内するまで。そこから先はあんたらだけでやりな」という条件で協力を約束したが、結局、ドタンバで約束は反古にされ、いやいやながら手伝わされる。かわいそうなアーキンさん。

トランクに放り込まれて拉致されたアーキンが、どうやって隠れ家に案内するのかという点が不思議だが、これはおもしろいところなので、映画をご覧になってください。あれの類似ネタをなにかの推理小説で読んだ記憶がある。わざわざあんなことをやり、また、それを警察にいわなかったてことは、彼はいつかひとりで復讐するつもりだったんだなと思いました。

てわけで、アーキン、ルチェロに加え、カネで雇われた4名(シャノン・ケインティム・グリフィンアンドレ・ロヨブランドン・モラーレ)は、お嬢様を救出すべく、敵の隠れ家、廃墟ホテルに潜入する。

ここはコレクターさんのお膝元でありますから、忍者屋敷さながらの凝った仕掛けが盛りだくさん。6人はひーひーいって、ヒデー目に遭う。拉致されたひとたちも出てくるよ。彼らは恐怖トラウマと薬物で、おぞましい姿になっています。渡辺篤史もびっくり!コレクターさんのお宅拝見!

トレイラー動画

The Collection (2012) trailer

邦題『パーフェクト・トラップ』

後から追記。邦題『パーフェクト・トラップ』にて、6月レンタル開始だそうです↓

DVDは2013年8月23日、発売予定だそうです↓

感想

評判通りのおもしろさであった。冒頭のナイトクラブから始まり、最後までゴアアクション満載。イエーイ!

去年からティーザー映像やメイキングやインタビューなどを見てしまっていたから、意外性が感じられないのが残念だった。頭カラッポで鑑賞したら、もっと楽しかっただろう。そこが悔やまれる。VODが出たとき、すぐに見ればよかった。

総じて楽しかったが、救出チームのメンツが強そうに見えないという点が残念だった。大富豪が雇ったプロ、というわりには頼りない連中ではないか。特典映像のAlternative Scenesの中には、「報酬の金額に文句をいい、ルチェロにホイと射殺されるバカ男」というのが入っているが、こいつらはとにかく頼りない。エクスペンダブルズやA-Team並とまではいかなくても、もっと強そうな連中をブツけてほしかった。

という不満はあるが、ぼくらのヒーロー、アーキンさんはPART2でも大活躍。そこはよかった。寝てるか起きてるかわからないようなショボショボ目をしているくせに、結局、頼りになるのはこの男だけ。

前作で私たちが一様に感じたこの疑問↓

「これだけのワナをどうやって仕掛けたのか?」

本作でも答えは得られない。マーカス・ダンスタン監督は「細かいことは気にすんな。黙ってアクションを楽しめ」という調子で、説明する気はサラサラないみたい。

コレクターさんが巨大コンバイン刃の図面を描き、工場に注文し、代金を払う段になって、技術者を皆殺しにし、証拠を隠滅する。なんて場面はない。また、手がかりを追う粘着刑事なんてのも出てこない。コレクターは手品みたいに殺人ワナを設置する。そしていつも成功する。

本作では、ゾンビのようなヤツラも出てくる。彼らは拉致された被害者たちの成れの果てであり、恐怖トラウマと薬物で狂わされた者たち。ということらしいが、この点に関しても詳しい背景は明かされず、血塗れのヤツラがガオーと出てくるだけ。

私、思うに、監督さんはこのような『説明不足』をわざと選択しているのではないか。説明を排除し、娯楽性重視のテンポのよさが加われば、「これはファンタジーなんだな」と思えてくる。どんなに強烈なゴアがあっても、観客はつくりものとして見ていられる。アクションに酔っていられる。これがダンスタンさんの芸なのだろう。たぶん。

例によって、最後はクリフハンガーだったので、また次もやるんじゃないでしょうか。

コレクターさんの画像アルバム

コレクターさんはいつもマスク着用なんだが、不思議なことに、彼の感情が窺い知れるという点が巧みだった。

おなじみのキメポーズ
映画|ワナオトコ2|The Collection (1) 画像

ニタ笑いのコレクターさん
映画|ワナオトコ2|The Collection (2) 画像

つぶらな瞳のコレクターさん
映画|ワナオトコ2|The Collection (3) 画像

怒ったコレクターさん
映画|ワナオトコ2|The Collection (4) 画像

颯爽ポーズのコレクターさん
きまったぜ
映画|ワナオトコ2|The Collection (5) 画像

顔が見えなくても表情がわかるのがおもしろいじゃん。

コレクターさんてのは、子供時代に誰もがやったこと、アリの巣に熱湯を注ぎ込むとか、ヘビを路上に叩きつけて死骸をズラリと並べて壮大な景観を楽しむとか、イモムシにピアノ線を刺してネックレスをつくってみるとか、カエルをストローで膨らまして破裂させるのは楽しいがうっかり息が逆流するととんでもなくオエーとなるとか、カエルを大量に捕まえて空き地の鉄条網にズラズラと刺して通行人の反応を楽しむとか、セミのお尻をハサミでチョン切って爆竹を差し込み火をつけて空に放つと空中でパーンと爆発し一瞬遅れて羽がパラリと落ちてくるところにわびさびを感じるとか、そんなきもちでやってるのかなって、私は想像しています。だからさ、彼は少年の心を失わない殺人者なんだと思いますよ。

Blu-Ray / DVDのオマケ

マーカス・ダンスタン監督
肌が赤ちゃんみたい
楽しく仕事してるから美肌になるのかな
マーカス・ダンスタン / Marcus Dunstan 画像

オマケは豪華です↓

  • Commentary With Director / Writer Marcus Dunstan And Writer Patrick Melton
  • Alternative Scenes
    • Getting To Know Dre
    • Picking His Disguise
    • 8mm
  • Featurettes
    • A Director's Vision
    • Make-Up And Effects Of The Collection
    • Production Design
    • Special Effects Of The Collection
    • Stunts Of The Collection
    • Theatrical Trailer

Alternative Scenesはぜんぶおもしろいが、特に8mmてのがよかった。これは、映画本編のその後のお話が、グラインドハウス風の映像で明かされるというもんです。みんなも観るといいよ。この内容は下のネタバレのほうに書きます。

Featurettesは見応えのあるメイキング映像。監督/キャストのインタビューに加え、特殊メイク/特殊効果/美術セット/VFX/スタントといった、各分野の裏方さんが登場し、映画製作の裏話をします。なかなかおもしろい。あの『死体水槽』も出てくる。あれは『吸血鬼』を書いた江戸川乱歩が見たら大喜びしそうだなって思いました(『吸血鬼』という小説の中には、氷づけ美女が出てくるの)。

エレナを演じたエマ・フィッツパトリックさん
メイキングのほうがカワイコちゃんに見える
笑顔だからそう感じるのかな
エマ・フィッツパトリック / Emma Fitzpatrick 画像

乱歩趣味の死体水槽の隣にいるのは
美術担当のグレアム・グレイス・ウォーカーさん
グレアム・グレイス・ウォーカー / Graham 'Grace' Walker 画像

コレクターを演じたランドール・アーチャーさん
Randall Archer / ランドールアーチャー 画像

Alternative Scenesのグラインドハウス映像
PV風でかっこいいよ
The Collection Alternative Scenes 画像

映画本編のみ英語字幕つきです↓

ネタバレです

!!!! SPOILER ALERT !!!!
!ネタバレ注意!

ネタバレ注意!SPOILER ALERT!

ネタバレ注意!SPOILER ALERT!

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邦題(カタカナ): 『パーフェクト・トラップ』
制作年: 2012年
制作国: アメリカ
公開日: 2012年9月21日 (アメリカ) (Austin Fantastic Fest)
2012年10月12日 (アメリカ) (Screamfest Horror Film Festival)
2012年11月29日 (ロシア)
2012年11月30日 (アメリカ)
2013年2月21日 (オーストラリア)
2013年3月30日 (フランス) (Lyon Festival Hallucinations Collectives)
2013年5月16日 (ドイツ) (DVD)
2013年7月10日 (フランス) (Blu-ray & DVD premiere)
2013年11月15日 (スペイン)
imdb.com: imdb.com :: The Collection
監督
脚本/原案
出演
プロデュース
シネマトグラフィ
編集
キャスティング
プロダクション・デザイン
アートディレクション
セット制作
衣装デザイン
視覚効果(Visual Effects)
特殊効果(Special Effects)
Makeup
謝辞

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