映画|ヘルブレイン/血塗られた頭脳|Silent Night, Deadly Night III: Better Watch Out!

前作『悪魔のサンタクロース2 (1987)』から6年後。ここは病院。死んだと思われたリッキー（ビル・モーズリイ）は生きていた。

彼は重傷を負ったが、大手術を受け、死を免れたそうな。とはいえ、昏睡中だから、運がよかったとはいえない。6年間ずっと寝たきり。特製のおわんデバイスを頭に装着している↓

ハカイダーのようではないかという意見があるが、私もまったく同意であります↓

• ヘルブレイン 血塗られた頭脳 - こんど電話くれ。

さて、この病院には、ローラさん（サマンサ・スカリー）というカワイコちゃんが、実験の協力者として、定期的に通っている。彼女は飛行機事故で両親をなくした娘さんであるが、盲目であり、サイキック能力を持つ。その能力に目をつけた医者（リチャード・ベイマー）が、昏睡中のリッキーとローラの脳を繋いで、リッキーの意識を探ろうと試みているのである。

彼女は医者の目論見通り、リッキーと記憶と共有するんだが、それは夢のように曖昧模糊としているから、彼女自身なにがなんだかよくわからないようである。リッキーの記憶といえば血ミドロ記憶ばかりだから、あまり愉快な内容とはいえない。彼女は「もう、いやだわ」と思うんだが、医者は簡単には離してくれない。こまりますわ。

という話はおいといて、今日はクリスマス。

ローラは兄（エリック・ダレー）といっしょに、おばあちゃんの家でホリデーを過ごす予定である。途中で兄の恋人（ローラ・ヘリング）も加わって3人はドライブ。おばあちゃんちはけっこう遠くて、山の中にあるのだ。

こちらは病院。

昏睡していたリッキーがガバッと目を覚ます。ローラと記憶を共有したせいで、不思議な作用が働いて奇跡的に目が覚めたんですな。クリスマスってのも影響しているのだろう。意識が戻ったのはいいが、そのようすは普通でない。

元々が殺人鬼だから普通じゃないんだが、その普通じゃないのが、もっと普通じゃなくなってしまったようなのである。ボリス・カーロフのフランケンシュタインみたい。うつろな目つきで「ろおぉらぁああ」とつぶやき、幽霊のような足どりで、めくらめっぽうに歩き回る。壊れたハカイダーってかんじ。

リッキーは病院の受付嬢（イザベル・クーリー）をブッ殺して脱走。白痴顔で歩き回り、そこらへんのひとたちをブッ殺しながら、ローラを追う。リッキーはローラと記憶を共有したから、おばあちゃんの家を知ってるのです。

死体が発見されるとポリスが出動。中年刑事（ロバート・カルプ）がやってきて、医者から事情を聞く。彼らもおばあちゃんの家に向かう。

トレイラー動画

Silent Night, Deadly Night III: Better Watch Out! (1989) trailer

感想

前作『悪魔のサンタクロース2 (1987)』は、その半分近くをおさらいビデオで流すという、おそるべき手抜き映画だったですが、続く本作は驚くべき脱力映画でありました。

昏睡中のリッキーがサイキックのネーチャンと記憶を共有するなんて、なんかすごいじゃん。おもしろそうじゃん。と食いついたんだが、おわんデバイスでズッコケましたよ。はははははははははははは。びっくりしたなあ。

しかし、それだけでバカにするのも悪いから見続けていったんだが、やたらめったらうだうだのだーるだるでした。へんなギャグをやってたり、ローラさんが兄の恋人にいぢわるをしたり、医者がシリアス顔で反省したり、どうでもいい話がしょっちゅう挿入される。じれったいじれったい。

ラストがこれまた脱力。ビル・モーズリイがフニャフニャの台詞をいう。ああいうエンディングって、昔の映画によくあったなあ。私、こういうの嫌いじゃないから楽しめましたけど。懐かしいかんじだったなあ。

カワイコちゃんはよかったですよ。ローラさんはスゲー美人でした。絶叫演技が少々照れ気味だったように見え、ハジケ具合が足らないのではないかと感じましたが、カワイコちゃんだからいいや。IMDbを見たらサマンサ・スカリーという女優さんは、その後、大したヒットはなくフェードアウトしたみたい。こんなにきれいなひとなのに。なんでだろう。

Memorable Quotes

Laura: Merry Christmas.
Ricky: And a happy New Year.

ネタバレです

!!!! SPOILER ALERT !!!!
！ネタバレ注意！

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