2010/8/16 (Mon) at 3:47 am

映画|ダーク・ハウス 戦慄迷館|Dark House

オバケ屋敷に本物オバケが出てきておったまげるホラー映画。Fangoria Frightfestの1本。ジェフリー・コムズの演技を楽しもう!ジェフリー・コムズミーガン・オリーダイアン・サリンジャー。監督ダリン・スコット。2009年。

ダーク・ハウス 戦慄迷館 / Dark House DVDDVD画像

14年前の話。

キチガイババアが7人の子供たちをブッ殺すという猟奇殺人事件があった。当時少女だったクレア(ミーガン・オリー)は犯行直後の現場をモロに目撃したせいで、人生的なトラウマを抱えることになった。大人になっても悪夢にうなされる日々。

彼女は事件があったという点は理解しているが、記憶がトンじゃってるらしい。セラピストのオッサンは「自分の過去と対決しなさい。その家に行き、記憶を取り戻すのだ。トラウマを克服するにはそれしかないのだ」的なアドバイスをするんだが、彼女はこわくてそんなことできない。このオッサンは「軍隊連れてでも行くのだ!」なんつってましたけど、セラピストがそんなふうに患者をこわがらせていいんですかね。

ところで、彼女はいま演劇学校の学生である。女優の卵。彼女は自分の悩みをナイショにして、ひそかに苦しんでいるのであるが、ある日、知らないおじさんがジャジャーンと現れ、悩める人生に転機を与える。ウォルストン(ジェフリー・コムズ)は、授業中のクラスにとつぜん乱入してきて「やー、学生のしょくん!わたしこそがホラーの帝王キングなのであーーーーる!わっはっはー!」とスピーチを始めた。

クレアも他のみなさんもぽかんとするが、よくよく話を聞くと、このひとはオバケ屋敷アトラクション(テーマパーク的なもの)のプロデューサーで、これまで数々のアトラクションをヒットさせ、ガッポガッポと大儲けしている事業家なのであった。

彼はこんど新しいオバケ屋敷をつくるので、それに必要な俳優さんをスカウトしにきたのである。そしてその現場ってのが、偶然ながら、クレアが14年前に惨劇を目撃した家なのであった。それを知った彼女は「なんてこった!」と動揺するが、この話はみんなにはナイショなので「そういう事件もあったかしらねー。わたし、覚えてないわ」とかいうんだが、内心はガクブルである。でも、彼女は考えた。「トラウマを克服するいいチャンスかもしれない」と思った彼女は、友達を説得してその話に乗ることにした。

ホラー映画は新人俳優がデビューするチャンスだが、果たして、オバケ屋敷のアルバイトが俳優のキャリアに結びつくかどうかはわかんないんだが、とりあえずギャラはいいし、おもしろそうだし、ということで、みなさんはそろってそのオバケ屋敷にレッツゴー。

さて、行ってみたら、ジェフリー・コムズとその助手たちが笑顔で出てきて、彼ら自慢のオバケ屋敷のからくりを見せてもらった。これがすごいのです。

家の中のそこらじゅう、見えないところにホログラフィのハイテクが仕込んであって、ほんとにオバケやらシリアルキラーやらヴァンパイアやらコウモリやらが出てくる。ものすごくリアルなハイテクオバケ屋敷。浅草の花やしきしか知らないひとが見たら、心臓が止まりそうなシロモノである。

超絶リアルなホログラフィだけでもじゅうぶんこわいのに、これに生身の人間の俳優を合体コンボさせ、さらなる恐怖を演出するというのだから、このプロデューサーの気合いは並々ならぬものがあるなと感心します。さすがキング・オブ・恐怖と名乗るだけのことはある。さすがコムズ!

「オバケ屋敷でアルバイトかよ!」てな調子でコバカにしていたみなさんも、これには度肝を抜かれておったまげる。このオッサンを見直したようです。さてこの鳴り物入りのオバケ屋敷アトラクションにですね、ほんとのオバケが出てきてしまうのです!

14年前のキチガイババアの怨念がホログラフィのハイテクを乗っ取る。んで、人間をガガーと襲うのです。ヴァンパイアだのシリアルキラーだのマッドサイエンティストだのがジャンジャカ出てきて、本物のboody goreになっちゃうもんで大パニックになる。わーわー!後半はキチガイババア・オンステージ!

トレイラー動画

Dark House (2009) trailer

感想

Fangoria Frightfestから新作ホラーがまとめて8本リリース。DVDの発売は9月予定ですが、その前に、BLOCKBUSTER限定でレンタル(or ON DEMAND)開始。これはそのうちの1本です。Fangoria Frightfestに関する情報は以下からどうぞ。

さて感想ですが、これはみんなにおすすめしたいです。ホラーファンもホラーファンじゃないひとも揃って楽しめるかなと。ホラーファンにとっては、ジェフリー・コムズの初登場シーンは泣けるところではないでしょうか。「わたしはホラーの王様さ!」とイッパツカマして演説するところはほんとに楽しかったです。私、巻き戻して何度も見た。泣けた!

彼が本番直前の学生たちに「がんばってこわい演技をするんだよ」と説くシーンでは「人間は恐怖を覚えることで生をかんじるのである!」とかなんとか長ったらしい台詞をしゃべり、自身の恐怖哲学を語るんだけど、そこらへんの俳優がこれをやったらつまらない長台詞になると思うんですが、彼が演じるとわくわくします。俳優ジェフリー・コムズとオーバーラップしているように見える。

いろんなこわがらせが出てくるんだけど、モダンではあるものの、どこかレトロっぽい、80年代ホラーっぽいかんじもあります。コンピュータ画面のデザインとかですね。ああいうの昔よくあったなあと懐かしかった。ソリッドでユーモアもあって楽しめました。よかったよかった。

私、あらためて思ったんですが、アトラクション的なおもしろさっていうのはやはり演出がだいじですね。ホログラフィもすごいんだが、そこに生身の俳優が絡むとますます鮮やかさを帯びるのです。

処刑の部屋では「さぁ、こっちにきてよく見てごらん。いまからシリアルキラーの処刑を見せてあげるよ。コイツらは同情に値しない鬼畜どもさ」とかいったりする。また、別の部屋に入ると魔法使い風の女がいて「あーら、わたしにはあなたの未来が見えますよ。未来のあなたは死体と結婚して、墓地で暮らすことになるでしょう」とかなんとかいうの。台詞をしゃべるのは生身の俳優です。そんな調子で盛り上げといて、こわいところはつくりものなのです。ハイテク部分と生身演技のコンビネーションさじかげんがうまい。

これを観るひとは「よくできてるもんだなー」と感心するんだが、そこから先、リアルゴアになっちゃうからますますびっくりする。死人が出ると、みんなおったまげて「ホログラフィが殺人した!」とわめくんだが、コムズ演じるオッサンは「アトラクションに仰天して死んだっていうことにしよう!」などと商売人の台詞をいったりするので、私は我に返りました(このオッサン=コムズ自身のような錯覚を覚えていたので)。

後半クライマックスになると、オバケキャストががらりと交代します。この映画のラスボス、14年前のキチガイババアのオバケ(ダイアン・サリンジャー)がうりゃあああああと出てくる。ババア・オンステージ!に突入します。これまたなかなかの迫力でおもしろいです。

監督さんのインタビューのpodcastがありました↓

ところで、ラストのオチが少しわかりにくいかなと思われたので、以下にネタバレを書きます。映画を観てから読んでください。

ネタバレです

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ネタバレ注意!SPOILER ALERT!

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原題: Dark House
邦題(カタカナ): 『ダーク・ハウス 戦慄迷館』
制作年: 2009年
制作国: アメリカ
公開日: 2009年4月19日 (アメリカ) (Fangoria's Weekend of Horrors)
2010年7月30日 (アメリカ) (limited)
2010年8月6日 (アメリカ) (Video On Demand)
2010年9月28日 (アメリカ) (DVD)
imdb.com: imdb.com :: Dark House
監督
脚本/原案
出演
プロデュース
音楽
シネマトグラフィ
編集
キャスティング
プロダクション・デザイン
セット制作
衣装デザイン
視覚効果(Visual Effects)
特殊効果(Special Effects)
Makeup

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